配当を積み上げる投資法こそ、早期リタイアの王道

 いつも拝見している「長期投資で自分年金づくり」というブログに配当金を目的とする投資法について目を引く記事を見つけました。

 

配当を積み上げる投資法のメリット(9/9) - 長期投資で自分年金づくり 

 メリットとして「安定している」「増えるかもしれない」と書かれています。

 まず安定しているという点ですが、記事でも指摘されているように業績が悪化して減配になる可能性はあります。でも、対処方法がありますのでほとんど心配する人用はありません。ポイントは3つです。
 ・財務基盤がしっかりしている企業を選ぶ
 ・国内、国外の株に分散投資する
 ・複数業種の株に分散投資する
この3つを押さえておくことでかなりリスクを軽減させることができます。事実、リーマンショックの時に私の所有している株式はピークから約40%下落しましたが、年間の配当金は約15%しか減りませんでした。個別には50%減配とか無配という株もありましたが、維持・増配をつづけた会社が大半だったため影響は大きくありませんでした。

 

 次に配当が増えるかも・・・という点ですが、電力会社をはじめとする内需に100%依存し、かつ成長性の乏しい業界では配当は現状維持が精いっぱいかもしれません。でも、小売業界などかつては内需依存と言われた会社も無印良品などのように海外展開成功させ増収、増益、増配を続ける企業も出ています。

 また、日本企業はいままで内部留保としてため込みすぎていたので、まだまだ配当金を増やす余地のある企業が多いことも付け加えておきます。増えるかも・・・というよりもというよりは「10年単位で見れば増える可能性が非常に高い」ではないでしょうか。

 

配当を積み上げる投資法のデメリット(9/18) - 長期投資で自分年金づくり

 続いてはデメリットについてです。「個別を保有するリスク」「課税される」「積み上げに時間がかかる」と指摘されています。まさにそのとおりですね。
でもこれらにも対処法があります。
 「個別を保有するリスク」に対しては、上に書いたことと同じ「分散投資」です。
 「課税される」についても確定申告することでほとんどの人がある程度取り戻すことができます。因みに私の年収は600万円前後でしたが、確定拠出年金、住宅ローン控除や配当控除、外国税額控除を利用することにより、所得税・住民税はほぼゼロでした(源泉徴収された20.315%の税金はほぼ全額還付)。

 確定申告や合法的節税法をマスターしておけば、年収1000万円を超えるような方でなければさほど税金の心配する必要はありません。

 最後の「積み上げに時間がかかること」もデメリットとは限りません。時間をかけ積み上げることで時間分散ができますし、確定拠出年金idecoを利用することで譲渡益や配当金に対する税金から逃れることもできます。

 

 配当金投資で自分年金を作り、早期リタイアを実現するには20~30年かかります。でもリスクを抑制しつつ高い確率でゴールにたどり着ける方法はこれだと確信しています(経験者談)。

 5年で一獲千金、即リタイアと方には向いていない方法ですので、そういう短期志向の方はデートレードやビットコイントレードのような投機をすべきです(でも絶対にお勧めしません)。

 

 今日の格言『桃栗三年、柿八年、株式投資二十年』

マネーフォワードを使ってみた感想

 家計簿アプリを使う人が増えています。これもフィンテックの一つですので試してみることにしました。

 マネーフォワードとZaimが有名どころだと思うのですが、私はマネーフォワードを選びました。理由は単に連携先が多いことです(ネット上の情報なので100%正しいかはわかりません)。目的は資産管理とカード管理です。

 

 さて、アプリのダウンロードから使い始めるまでは本当に本当に簡単でした。ただし、金融機関やカード会社を登録するために、それぞれのIDやパスワードが必要になりますので、忘れてしまったものがある場合は各社のサイトで手続きをしなければならないので少々面倒くさいかもしれません。

 ソフトを立ち上げるだけでカードの利用実績や金融機関の残高が確認できるのは本当に便利です。今までは月に一回くらいでしたがこれなら毎日のように確認することもできます。メリットとしては簡単、便利、これは間違いないようです。

 

 その一方でデメリットやリスクもいろいろとあります。

 一つ目はセキュリティーです。当然、運営会社としてはセキュリティーに万全の対策を打っている(ことになっている)のですが、国や金融機関、クレジットカード会社もハッキングされる世の中です。100%安全ということはあり得ません。また、自分がスマホを紛失した場合、中身を見られてしまう可能性もあります。簡単、便利になればなるほどリスクが高いということは覚悟しなければなりません。

 二つ目は、害ある情報に注意が必要なことです。アプリを立ち上げるとマネーに関するコラムや企業からのPR情報が表示されます。1週間ウォッチしたところ、結構問題のあるものが多いことに気が付きました。間違った内容や一般の人にはリスクの高すぎる情報が紛れていますので、これを信じてしまったら大変なことになります。情報の信ぴょう性や中立性、リスクの大きな差などを理解できない人は読んではいけません。

 三つ目は使途不明金がわからなくなることです。実は、家計簿管理を始めたときに一番大切なのは自分が使った記憶のないお金(使途不明金)の大きさを知ることです。手書きの家計簿ならコンビニでちょっとした買い物、会社の自販機で缶ジュースなど書洩らすものが多く1か月で数千円もの使途不明金があるものです。ここに意識を向けることで無駄遣いを減らすことができるのですが、簡単・便利に入力(しかも自動で)できると使途不明金が少なくなるはずです。見える化という意味ではよいのですが、無意識に行っている無駄遣いを把握するという点ではマイナスではないかと感じました。

 

 最後に隠れたメリットを見つけました。マネーフォワードの場合、無料版では連携できる取引先は10件です。銀行、クレジット、ポイントカードの残高を一括で行うとすると10件では足りないという方も多いと思います。

 そんな人のために有料版が用意されているのですが、年6000円もかかります。無駄遣いを減らすために6000円も必要になるというのは笑えない冗談です。

 もし登録先の数が少ないと感じる人は、思い切ってカードや金融機関を整理、集約しましょう。ポイントカードやクレジットカードをたくさん持っている人ほど資産が少ないということは昔から知られています。有料版に移行する前にまず取引先の断捨離から始めましょう。

 

 

 

 

仮想通貨いじめが始まった?!

先日の日経新聞に、国税庁の仮想通貨に対する見解が掲載されました。


有料記事なので内容を引用しておきます。

上場株式や公社債など他の金融所得とは損益を差し引きできず、所得に応じた累進税率を適用すると明らかにした。

 ここが一番のポイントです。他の所得とは損益を相殺できず累進税率になるということは、ネットで億り人になったと喜んでいる人たちが換金したら所得税・住民税を合わせると半分前後も税金で持って行かれるということです。

 同じ雑所得でも、外国為替証拠金取引(FX)や金先物は一律20.315%(地方税含む)の税率が適用される。仮想通貨の利益は給与所得などとあわせて計算され、所得に応じて5~45%の累進税率がかかる。

 まあ、FXも最初は同じ扱いでしたし、10年以上かけて現在の税制にたどり着いたわけですから仕方がないことでしょう。

 それにしてもFXのときと違って今回は国税庁の対応は早かったですね。今後も、本人確認にマイナンバーが必要になったり、取引所から税務署に法定調書が提出されるようになって普通の金融商品や金などと同じような扱いになっていくのでしょう。

 

 また今日の日経には、中国の仮想通貨取引所閉鎖のニュースが出ていました。先日のICO禁止に匹敵するなかなかインパクトですね。

 またアメリカの重鎮からも過激な発言が。

  一連の中国の規制や今回の国税庁のすばやい対応を見ていると各国の金融当局の危機感はかなり強いと想像できます。確かに今の法律や規制のままでは脱税、マネーロンダリングや資金逃避には最適ですから目の敵にされても仕方ありません。

  また、既得権への侵害を恐れてか、金融の世界からも疑問の声が上がってはじめているといます。金融機関と同じ土俵に乗るように規制がかけられたら魅力が半減してしまいますから、これも強力な逆風です。

 

 今後、ビットコインをはじめとする仮想通貨がどのようになっていくのか非常に興味深くなってきました。まあ、仮想通貨全体が消えてなくなることはないでしょうから、ある分野における支払い手段や金などのように代替的な資産として生き残るでしょう。ただ、その場合でもビットコインがその中心でいられるかどうかは疑問です。

 そもそも、売買の参加者が中国と日本に偏っているということが大きな問題です。日本か中国の当局が本気で規制をかければ一気に人気が離散してしまいます。また、金融の秩序やルールを握っていたアメリカにとってもアジア勢が中心に動いているビットコインはおもしろくない存在です。どこかのタイミングでルールチェンジを仕掛けてくるのではないでしょうか。その場合被害を被るのは主に中国と日本の投機家です。

 

 最近の動きを見る限り、仮想通貨とくにビットコインへの風当たりは強まるばかりですから、価格はとうぶん乱高下を続けるでしょう。まだまだ仮想通貨の意義や位置づけ、価値が定まるまで時間がかかるでしょうから、投資の対象にだけはしないほうがいいと思います。宝くじを買うくらいのつもりで小遣いの範囲で遊ぶのであればアリでしょうか。

 

 引き続き、一歩下がったところから生暖かい眼差しで騒動を観戦したいと思います。

 

 

アラフィフにはついていけないフィンテック

 以前「フィンテックがらみは、金融機関の儲けの手段に使われるから私は近づきません」みたいなことを書きました。


 それからわずか2、3か月しか経っていませんが、ビットコインをはじめとする仮想通貨が投機手段として大ブレイクし、乱高下を繰り返す巨大カジノと化しました。またVALUやCASHなど新しい仕組みが開発されさっそく炎上騒ぎを引き起こしています。さらにはICOという新しい仮想通貨の上場を巡り詐欺が横行したり、突然中国が規制を始めたりと、もう50代のおじさんにはとてもついていくことができないスピードで大きな変化が訪れています。

 

 最近の状況を見ていると、金融機関がコンプライアンスを守りながらどうやって儲けの手段にしようか試行錯誤を繰り返している間に、正統派からうさん臭いベンチャー企業まで、さらには詐欺師や山っ気のある個人が法や規制の壁を乗り越えて一山当ててやろうと、一気に主役に躍り出てきたような気がします。

 

 これっていつか来た道のように思えてなりません。それは1999年から2000年ごろにおこったITバブルです。あのときもネットを使った画期的なサービスを提供すると称して有象無象のネットベンチャーが生まれ、たくさんの投資家のお金を扱いあげました。

 その後の結果はみなさんご存じのとおりです。グーグルやアマゾンは成功をおさめ、世の中に革命をおこしましたが、99%の企業が朝露のごとくはかなく消え去りました。投資として成功した人はごく一部でほとんどの投資家は敗者となりました。また浅しい詐欺に引っかかってすべてを失った人も少なくありません。

 

 今回のフィンテック騒動にも1999年ごろの熱気と胡散臭さに近いように思います。これから大きなバブルが形成され、はじけることでしょう。そしてその荒波を乗り越えた少数の企業やサービスが第二のグーグル、アマゾンとなり世の中を大きく変えていくのかもしれません。

 新しいサービスが革命を起こし世の中を変えていくことは素晴らしいことです。画期的なサービスやベンキャー企業に投資をすれば莫大なリターンを得られるかもしれない、そんな夢を見ることは楽しいものです。でもそのチャンスを生かして投資を成功されることはプロでも困難なことだということをITバブルは教えてくれました。

 

 ビットコイン長者が羨ましくないといえばウソになります。でも、私の考えは変わりません。「ファースペンギンにならない。でもラストヘンギンにもならない。」

 法律も整備され、利用者のリテラシーも向上し、多くの偽物企業が淘汰されるのを待ってから投資をしたり、サービスを利用しても遅くはないと私は思っています。

 もちろんチャレンジャーや冒険家のみなさんが最先端のフィンテックサービスを利用したり、投資することは否定しません。でも大損したり、犯罪に巻き込まれる可能性が少なくないことだけは肝に銘じて、自分で責任が負える範囲で楽しんでください。

 

 自分に理解できないことには無理して手を出さず、ゆっくりと新しい時代の恩恵だけを受ければよいと私は思います。

 

 

早期リタイアの最大の敵は「情弱ビジネス」

 先日、日経のサイトに以下のような記事が載っていた。

 「インターネット調査会社のマイボイスコム(東京・千代田)を通じて、全国の20~60代の男女に解いてもらった。有効回答数は1000人(各世代とも男女同数)」と注釈があるので、ネットを通じて各世代男女100人ずつが回答したということになります。

 5分もあればすべて回答できるので興味のある方は一度お試しください(設問のすぐ下に解答が載っているので注意)

 

 友人が全問正解だと無邪気に喜んでいたので、私も試してみました。う~ん、かなり初心者向けの内容で物足りないというかちょっと期待外れでした。でも、これ結構大事だと思います。全問正解できないようなら、まず間違いなく金融機関や不動産関係者のカモになっちゃいますから。

 

 驚いたのが正解率の低さ。アンケート25問中、回答率の低い15問を掲載しているようなのですが、そのうちなんと11問が半分以上の人が不正解なのです(中には正解率が10%台のものもあります)。きっと全問正解の人は10%前後ではないかと思います。 

 調査人数が1000人ですからアンケートとしては十分な数ですし、ネットでこのようなアンケートに答える人は、お金に関する興味が平均かそれ以上の人ですから、極端にリテラシーの低い人が多いはずもありません。

 にも関わらずこの正解率です。私にとっては衝撃的な数字でした。どうりで、今買うと絶対に儲かるわけのないマンションアパート投資やリスクの塊でほとんどプラスにならない外貨建て保険や毎月分配型投資信託などを買わされてしまう人が多いわけです。

 

 話は変わりますが、早期リタイアの最大の敵は(以前、家族と書いたかもしれませんが)、金融機関や不動産会社、経済的詐欺を行う人たちだのようです。合法、グレー、違法に関係なく、リスクばかり高くてリターンの少ない(もしくは確実にマイナスになる)商品に手を出してしまうようでは、永遠の早期リタイアの夢は実現できません。

 本やブログで簡単に勉強できれば一番良いのですが、初心者を対象とした金融リテラシー向上に役立つ本やサイトはあまり多くありません。良書1に対して悪書10~100ぐらいの比率でしょうか。なので、間違って変な知識を身につけるよりもまずはこちらを一通り読んでみてはいかがでしょうか。事務局が日本銀行なので安心です。


 ここ数年、「公的年金は払い損である。近い将来に破綻する」「貧乏老人にならないためには老後が1億円必要」などと不安を煽る情報が氾濫しています。また、「アパマン投資は年金代わりになる」「相続税対策にはアパート経営が最適」「仮想通貨で簡単に億万長者」といった怪しいセミナーも大盛況です。

 これらはいわば「情弱ビジネス」です。こんなビジネスが流行るということはそれだけ騙される人も多いということです。自分は大丈夫でもパートナーや、両親、子供たちが騙されるかもしれません。

 一人一人が正しい基礎知識を持ち、またいざというときに相談できる人を持つことが最大の防御策だと思います。ふだんからお金に関するコミュニケーションをできるようにしておくことも早期リタイアを考える上では大切なことではないでしょうか。

 

 

 

アーリーリタイアは「もったいない」のか?

 すでにアーリーリタイアを実践されているNightWalkerさんが『アーリーリタイアするって、「もったいない」の?』という記事を書かれています。

 アーリーリタイアしたという話で出て来るひと言の一つが、「えー、もったいない」です。
 なんで、もったいないのか?というと、「ステータスを失う」、「その後の収入を失う」、この2つの観点からです。

 まずステータスについてもったいないのかどうかを考えてみます。ステータスといわれても私にはいまひとつピンとこない言葉ですが、一般的な意味では「高い社会的地位」みたいな感じでしょうか。こんなものは私には必要ないというか、百害あって一利なしの不要なものです。


 高いステータスがあると友人や同僚、ご近所から「すごいですねぇ~」と(表面的に)褒めてもらえるかもしれませんが、一方で一定数の人間からは妬まれたり、陰で悪口を言われたり否定的な感情を持たれかねません。私の25年のサラリーマン生活の中では、必ずそういう人種が一定数(しかも少なくない)存在しました。だからステータスなんてない方が気楽です。


 それにステータスを自慢する人ほど退職した途端、「虎の威」がなくなり単なるキツネになり下がってしまいます。それまでチヤホヤしてくれていた人たちが周囲からいなくなってしまい、寂しい余生を過ごしている人も少なくありません。このタイプの人たち、大企業の部長みたいな人にとても多いですが、見ていて本当に哀れです。そんな人に魅力は感じないですよね。


 また昨今のようにコンプライアンスうんぬんが過剰なほどにうるさくなるとステータスの高い人は大変です。ちょっぴりエッチな店にも行ったり(笑)、浮気したり、羽目を外して遊ぶこともできず何かと不自由に違いありません。やってる人も多いですが、トラぶった時の代償が大きすぎます。(チクられて会社を辞めざるを得なかった超有名上場企業の取締役を私は知ってますので)

 ローンを組む時などに多少不便ですし、ステータスのない人を見下す愚かな人々の言動にカチンとくることもなくはないですが、まあその程度です。

 

 次に収入です。48歳で退職すると65歳まで勤め続けた人と比較すると生涯収入は1億円以上少なくなります。だから通帳の残高を眺めてニヤニヤしたい人からみるとまさしく「もったいない」でしょう。

 でも、過剰なお金はトラブルのもとですし、自由な時間を楽しみ資産も借金もない状態でゼロで生涯を終えることが最高の成功だと考えていますので、もったいないという発想はまったくありません。

 それよりも心身ともに健康な時間を仕事のために浪費する方が100倍もったいないと思います。収入を失うことがもったいないと考える人は死ぬまで働くしかありませんよ。私はそんな生き方はごめんです。

 

 ステータスと収入を失うことをもったいないと考える人は、子供の頃から「いい学校に入って、いい大学を出て、いい会社に勤めて、いいお給料をもらうと幸せな人生を歩める」と洗脳されて育ってきた人たちではないかと思います。

 実は私の親がこのような考え方の人でしたので、洗脳された兄はまさにこのような人生を歩んでいます。ですので、私が48歳で会社を希望退職すると伝えたときに親も兄も口には出さなかったものの「えー、もったいない」という顔をしておりました。

 

 身内ですら「もったいない」と思うのですから、周囲からもったいないと言われるのは早期リタイアの宿命みたいなものですね。

 

 

会計のイロハを知らない人ほど上から目線

 知らないだけなら自己責任ですので大騒ぎする必要はありません。でも、企業や個人へ影響を及ぼすような権力を持っている政治家やマスコミ、自称専門家などが会計に無知であることは大きな問題です。

 「企業が内部留保をため込んでけしからん」的な主張をする人は貸借対照表の見方を知らない素人さんです。大手新聞社や学者、三流政治家が一般受けを狙って、このような簿記4級(今は初級っていうんですかね)レベルの知識さら持たず、上から目線で間違った主張をしていることは許せません。

 

 そもそも、会計の世界に内部留保という言葉は存在しません。意味合いとしては売上から株主以外のステークホルダーへの支払(仕入、賃料、人件費などの諸費用、税金、配当など)をしたあとに残った利益ということですから、これは株主に帰属するものです。(だから貸借対照表上「負債」ではなく「株主資本の部」に載っている)

 

 株主のものですから、本来は配当や自社株買いで還元すべきものですが、還元するよりも将来の成長に向けて使った方が株主のためになるから、還元せずに"内部留保"しているわけです。

 この"内部留保"は、負債と異なり返済期限がないため、長期的な視点から成長に必要な投資(M&A、設備投資、研究開発費)に充てるのが本来の姿です。ところが、投資を行わずに現預金のままため込んでいる企業が多いので、それが問題なのです。したがって内部留保が増えていることが問題ではなく、その内部留保を現預金(もしくは国債などの有価証券)のまま死蔵していることが問題なのです。

 簿記のイロハを知っていれば理解できるはずですが、朝日新聞をはじめとするマスコミやお抱えの学者や自称専門家はそのことを知らないのか、まったく指摘していません。困ったものです。

 

 では、内部留保を現預金としてため込んで、何もしていない守銭奴のような企業はどうすればいいのでしょうか。答えは簡単です。株主が権利を行使し、無能な経営者の首をすげ替えればいいのです。

 ところが株主が残念なことに、会社が提案した取締役に反対票を投じたり、株主が推薦する取締役を送り込もうとすると、マスコミやマスコミお抱えの人々は「強欲なハゲタカ株主はけしからん」とか「拝金主義のアメリカ的資本主義は反対だ」とかいい始めます。この人たち、本当にどうすればいいんでしょうか。

 

 ところで、朝日新聞社内部留保が3000億円ほどで、そのうち2800億円ほどが現預金や有価証券などとして保有されているそうです。内部留保がけしからんというのであれば、朝日新聞社の決算書はそのけしからん企業の代表なのです(民進党顔負けの大ブーメランですね)が、この辺りについて朝日新聞の経営陣や記事を書かれた方はどのようにお考えなのでしょう。一度見解をお聞かせいただきたいものです。

 

  繰り返しになりますが、問題は内部留保の大半を当分使用する見込みもないのに現預金や国債などの有価証券にため込んでいる企業です。内部留保406兆円が多い少ないではなく、個別の企業の内、朝日新聞社のように現預金にため込んでいる会社が問題す。

 それから、マスコミや学者、専門家などお金にまつわるあれこれを上から目線で偉そうにいっている人の多くが会計のイロハも知らないど素人だということだけは忘れないでください。