不動産投資家と株式投資家の違い

 昨日は三大都市圏飲み会ツアーの締めくくりとして、不動産投資家のみなさんと酒を酌み交わしました。案の定、二日酔いの朝を迎え、まだ朝食すら食べる気になれず、朝風呂にも入れないのでツラツラと駄文を書いております。

 

 私にとっては不動産投資家のみなさんの集まりは、完全なアウェーです。見慣れぬ顔の私に「何室お持ちですか」とか「アパートですかRCですか」と声をかけてくださる方も多いのですが「すみません。株屋(株式投資家)なのでエアー大家です」と恐縮しながらお答えするのが精いっぱい。

 

 ただ、不動産投資家のみなさんは総じて投資全般に対する好奇心が旺盛でかつ勉強熱心なので、株式投資をしている人も少なくはありません。また、FXや仮想通貨の経験者も多く不動産以外の話もたくさんできるのでとても勉強になります。

 逆に株式投資家の方には不動産投資をする人は非常に少なく、FXや仮想通貨も関心はありつつも、手がけていないという人が多いようです。

 

 なんでだろうと考えてみたのですが、一番の理由は融資ではないかと思います。不動産投資の場合は、ごく一部の富裕層を除けば銀行からの借り入れが必須となります。有利な条件で借り入れるためには勉強が必要ですし、実績作りも欠かせません。また銀行や不動産会社への営業活動も必須です。

 また、株式投資は購入すれば売らない限り手間いらずですが、不動産投資は購入がスタートです。購入後の自らの努力と工夫で投資の成果に大きな差が生じます。

 借金を抱えたまま、管理は業者に丸投げではカモにされるどころか、生かさず殺さず骨の髄までしゃぶりつくされる恐ろしさをよくご存じなのではないかと思います。

 株式投資だって購入してからも努力の余地があるので、こういう勉強熱心さは見習わないといけないと反省しました。

 

 

 一方で、不動産投資家の熱心さが裏目に出ているのではないかということも気になりました。それは不動産以外の投資で成功している人が少ないことと、短期勝負が多いこと。

 昨日お話を聞いた方も空売りで大成功したけれどトルコリラロスカットを食らってしまったとか、経済状況とかを調べて豪ドル(?)を買ったとたんに円高が進み強制ガチホ状態とか、昨年末に仮想通貨を買ってヤケドしたみたいな話がチラホラ出ていました。

 みなさん、不動産では数年単位で考えじっくりと手を打ちいかにキャッシュフローを積み上げるかを考え実践されていました。でも不思議なことに、他の投資では売買益を狙って短期勝負を仕掛けてしまい、成果が上がっていない(というか損している)様子でした。(みなさん紳士淑女なので儲かった話はしないお約束なのかもしれませんが)

 

 さまざまな投資対象の投資家と話をすることは、自分の知識や視点を増やすうえで非常に有効です。特に場違いなところに来てしまったと後悔するほどの完全アウェーな方が学びが多いような気がします。よい投資家の集まりであれば、冷やかし目的とか営業目的でない限り、私のような部外者でも優しく受け入れてもらえます。

 投資で成功する投資家はみなさん寛大な心や他の投資家へのリスペクトの気持ちをお持ちであるということでしょうね。

 私もそのような投資家になれるよう頑張らねばと心に誓った夏のツアーでした。

 

 

 ということで今回の教訓

「学びはアウェーで、実践はホームで」

 

50歳の憂鬱

 現在、一週間かけて三大都市圏をツアー中です。諸般の事情により金津園や吉原などのお楽しみはありませんが、かつての同僚との飲み会に始まり、同窓会、各種セミナー&懇親会など、中身が濃く肝臓に負担のかかる毎日を過ごしております。

 

 今回も同世代(アラフィフ)の人たちとの飲み会が多いのですが、それにしてもみんな悩んでますねぇ。

 

 サラリーマンなら自分の最終ゴールが見え落胆しているところに、会社からは転籍や早期退職を勧められ、無事定年を迎えられるのか不安に駆られています。

 それでも頑張ろうと思っていても、上からは無理難題を押し付けられ、下からは「バブル世代は使えない」と酷評され、中間管理職の悲哀をたっぷりと味わう人も多いようです。

 

 さらに家庭内では、子供が一番教育費のかかる時期に差し掛かり、また老後の資金問題も話題にのぼり65歳、いや70歳まで働いてほしいと命令お願いされる始末。家族がいなければいないで、孤独と老後資金の現実を知り途方に暮れているような状態。

 

 追い打ちをかけるように、お盆に帰省すれば年老いた両親の介護問題が現実のものとなりつつあり、自分自身も持病の一つや二つ当たり前、持病がなくても更年期に差し掛かり心身の不調を感じ始めています。

 

 四方八方どこをみても不安のタネばかり、周囲に相談してもみんな同じ悩みを抱えていて、問題が解決するどころかますます不安が募るばかりようです。

 

 今から将来を心配することは、何も考えずに能天気に過ごすよりはるかにいいことだと思います。でも心配し過ぎて不安が募り、心身の不調につながってしまっては本末転倒です。 

 

 これがいいという解決策はありませんが、まずはよい相談相手を見つけることから始めましょう(決して金融機関の営業マンやセミナー屋に相談していけません)。

 肉親だと正直に言えなかったりけんかになりますし、かといって仲のいい友達なら何度も相談できるでしょうが同じ境遇の人が多いため同類相哀れむ状態に陥り、傷をなめあうだけにおわりかねません。

 

 そういうときは、しがらみがなくほどよい距離感を持った自分と異なる世界にいる人と話をするといいかもしれません。久しぶりにあった同窓生とか、一足先に退職した会社の先輩・同僚、かかりつけの医者など近すぎず離れすぎずの人がいいと思います。

 

 人間、不思議なもので、よい相談相手が見つかり話を聞いてもらえると、それだけで(たとえ何一つ問題が解決していなくても)前向きな気持ちになったり、不安が和らぐものだそうです。

 

 サラリーマンを卒業して能天気に生きているように見られる私は相談相手にうってつけらしく、最近、40~60前半の友人から頻繁にお声がかかります。

 私は一応FPですから聞かれればそれらしきアドバイスもする(もちろん無料)のですが、大半の人はアドバイスうんぬんよりも、自分の不安を親身になって聞いてくれることに満足しているようです。

 私なんぞ、人の悩みを解決してあげられる知識も経験もありませんが、こんな形でお役に立てるのであれば、これからも聞き役を続けたいと思います。

 ただ、こういっては何ですが、飲み放題3000円の安居酒屋ではなく地魚のうまい店で、おっさんおばはんではなく若いお嬢さんからの相談があるといいなと心から思います(冗談)。

 

 まとまりのない内容になってしまいましたが、最後に一言。幸せそうな人も脳天気そうな人もみんな悩みを抱えて生きています。あなただけではありません。一人で抱え込まないで相談できる人を見つけましょう。

 

 

 

 

 

雲行きが怪しくなってきたスルガ問題-後編-

 前編を書いてからずいぶん時間が経ってしまいました。高校野球も始まり夏休みモードになってしまったとか、セミナーや同窓会で全国行脚中などいろいろな言い訳を考えてみましたが、本当のところは、-後編-として書くだけのコメントが思いつかなかっただけです。すみません。

 

 前回は、裁判で「後からノンリコ」を認めるなんていうトンデモ判決が出たら大変なことになりかねないという意味で書きました。

 というのも、書類改ざんはけしからんとか本来の価格より割高なものを無知な素人に売りつけるなんてけしからんというだけの理由で、物件を渡せば借金はチャラにできるなんて前例ができてしまうと、金融機関や大手を含む不動産会社の多くが巻き込まれてしまいます。

 

 そうなると、きっとアホな世論と金の臭いに敏感な強欲な弁護士が群がり、第二の過払い金バブルのようなことが起きないとも限りません。

 各地で裁判が起こされ、不動産会社や金融機関が敗訴すると、個人投資家が大量に買わされたゴミ不動産が彼らのもとに帰ってきます。これらを処分しようにも、スルガスキームが崩壊した今となっては、そうそう買い手は見つかりません。

 その結果、金融機関のバランスシートは貸倒費用や減損でボロボロになり、自己資本比率を維持するためにリスク資産を圧縮さぜるをえなくなり、貸し渋り貸しはがしが発生するという最悪の展開へとつながります。

 そこまで行きつけば、多くの不動産会社は淘汰され、地方銀行信金、ノンバンクの一部には信用不安がささやかれることになるでしょう。不動産も株式に限らず実体経済も大きな影響を受けざるを得ず、失われた20年や民主党政権下での地獄のデフレ経済時代へと客戻りなんてこともなりかねません。

 

 まあ、まさかそんなトンデモ判決は出ないと思いますから、今の話を思考実験程度に思い読み飛ばしてもらえればよいのですが、スルガが融資額の減額をすることくらいは、想定しておく必要があります。

 

 すでに、かぼちゃ向けの融資以外でもアパートや一棟マンションでも類似の悪事を働いているとのことですので、業績への影響はかぼちゃ向けの数倍もしかしたら数十倍にも及びかねません。果たしてその時にスルガは単独で生き残れるのか、生き残れないときは取り付け騒ぎが始まる前に救済できるのかがポイントとなります。

 

 ここで対応を間違うと他の問題行にも飛び火することは避けられないでしょうし、また銀行救済のために公的資金の投入の是非をめぐって混乱が生じらないとも限りません。ここまでくると、住専問題を先送りした結果平成の金融危機を招いた20年前と同じ道をたどる可能性すら否定できなくなってきます。。

 

 リーマンショック以降に投資を始めて、株や不動産で一財産を築いた人も、今から築こうとしている人も、1994年ごろから1998年に日本で起きたことを思い起こし(もしくは、勉強し)ておいた方が賢明だと思います。

 

 そんなことが起きる確率は10%もないと思いますが、昨今のトルコリラではありませんが、何をきっかけに何が起こるかは誰にもわかりません。最悪の事態を想定し、万一の場合にも生き残れる(破産しない)コンティンジェンシープランを用意していくことが必要ではないでしょうか。

 

 ちなみに、コンティンジェンシープラン作成が、私の夏休みの宿題でした。

水戸大家、シノケン、内藤忍氏 それぞれの出口戦略

 8月1日に水戸大家さんがブログで廃業の報告をされました。水戸大家さんのこれまでのビジネスについては、賛否いろいろな声があるでしょうが、ここではその点について評価は止めておきます。


 それよりも出口戦略として考えてみたいと思います。今回の決断は金融機関の融資がきつくなり、ご自身も金融機関との関係が微妙になった段階でのものです。自分の金融資産の保護と今後想定される仲介・管理した物件にまつわるの事前リスク回避という観点からは、みごとなタイミングでの撤退だと思います(褒めているわけではありません)。

 起業家としてこのような出口戦略を取れば論外と指弾されそうですが、この方はそんなに高尚な理念を掲げてビジネスを展開れていたわけでいしょうから、ここで勝ち逃げするのはある意味で"ナイストレード"といえるでしょう。

 

 一方、企業の規模が大きくなり、ましてや上場までしてしまうと、出口戦略は格段に難しくなります。

 リーマンショックの時は、逃げ遅れ潰れるまで走り続けざるを得ず、結局は、奢れるものも久しからず、兵どもが夢の跡という状態になった人も多いはず。
 そんな教訓からでしょうか。シノケンはなんとリートを組成し、そこに物件をはめ込んで嵐が過ぎ去るのを待つ戦略を選択したようです。

 レオパや大東と異なり、シノケンは土地を自ら仕入れていますから、融資が厳しくなり買い手がいなくなると瞬く間に資金繰りがタイトになるはずです。

 素人投資家への融資が止まり買い手がいなくなったら死活問題です。一人の投資家から数千万もの金をむしり取るいただくのが困難なら、小分けにして多くの人から数十万円ずつかき集めようということですね。

 うまくいくかどうかは別にしてやってみる価値のある出口戦略かもしれませんね。もしリート投資家が利回りしか見ないバカばかりであれば、大きく儲けられなくても、資金繰りをつなぐくらいの資金は回収できるでしょう。(ただし私は分配金利回りが10%あっても絶対に買いません)

 

 

 さて、一刻も早く出口へ向かおうとしているプレーヤーがいる一方で、バカの一つ覚えのように「都内の中古ワンルームは大丈夫」と唱え続け、いまこの時期にクソ高い物件を買うことがおろかだと冷静に判断している投資家を「勉強するだけで行動できない人」とDISる内藤忍氏のような方もまだまだいらっしゃいます。
 まあ、買い手がいなくなるとご自身のビジネスに影響があるのは確かなので、行く先に崖があるかもしれないとわかっていても突き進むしかないのでしょう(もしかしたら崖の代わりに花畑がある可能性だってゼロではありませんから)。

 

 このようなタイプの方には出口戦略という発想はないのでしょうね。いずれにしても一部の悪徳セミナー屋のように、教祖ビジネスに走り自分のクソ物件を信者に売りつけるような出口戦略だけは描かないでいただきたいものです。

 ご自身が崖に向かって突っ走ることは自由ですし、すでに投資をしている人たちも自己責任でご自由にと申しあげますが、今から素人投資家に中古ワンルーム投資を勧めるような品格のない行動だけは慎んでもらいたいものですが。

 

 それぞれに思惑があって当然です。ピーク感のある不動産ビジネスからどのように逃げ出すかを考えるのは自由ですが、一般投資家を巻き込むようなモラルなき出口戦略だけはやめてもらいたいと切に思います。

 各人各様の出口戦略がどのような末路をたどるのか、斜め上から冷ややかに眺めていきたいと思います。

マイホームを投資用不動産として考えてみる

 私は、マイホームを所有しています。でも、自分の家ではなく、所有するマンションを自分に賃貸しているという位置づけです。

 

 他人に貸して賃料を得るのも、自分が住んで今まで他人に払っていた賃料を節約し自分に払うのも、キャッシュフローで考えれば同じはずです。

 しかも、どう考えてもメリットの方が多いのですから、不動産投資の初心者はまずマイホームから始めるべきだと私は思います。ただ、残念なことにほとんどの人はこの考えを理解してもらえません。なぜでしょうか。

 

【メリット】

・ローン審査が緩く、長期固定、低金利での借り入れが可能
・住宅ローン減税をはじめとして、購入・保有・売却時に優遇措置がある
稼働率は常に100%である
・滞納の心配もなく、また近隣とのトラブルリスクも低い
・きれいに使用するのでリフォーム費用が最小限で済む
・分譲物件なのでスペックが高い

【デメリット】

・物件価格が賃貸物件よりも割高になる
・管理費、修繕積立金が賃貸物件と比較すると割高である

 

 結論として、利回り面では不利になる可能性があるものの、リスクが低いため安定した利回りが期待されます。

 さらに、マンションであれば管理組合の理事になって、マンション内の面倒なことを目の当たりにできますし、管理会社との付き合い方がわかります。管理の良しあしや管理が必要な項目・コスト、滞納者やトラブルメーカーとの戦いなどいろいろと学ぶことができます。

 

 利回り面では不利になる可能性があるといっても、売却するときも実需向けに売却すれば賃貸物件よりも割高に売れる可能性が高いでしょうし、今なら実質的にゼロ金利でローンを組むことができます。また、所有期間中、不動産所得が発生するわけではないので所得税も不要です。

 これらを踏まえれば、中長期的な視点で出口までも考慮すればそれほど不利にはならないように思います。

 

 リーマンショック直後のようにサルでも儲かる時代にリスクをとって始めた方にはそんな必要はなかったでしょう。でも、今のように売り逃げたい投資家から出てくるクソ高い物件しか市場に存在しないときに、知識も経験もない素人投資家が言われるがままに購入してしまうと、骨の髄までしゃぶられ、養分がなくなると捨てられるのが関の山だと思います。 

 今の時期に始めるのであれば、こんな考え方があってもよいのではないでしょうか。

 

 なお、この考えには一つ大切な前提があります。マイホームだからといって自分の趣味に合わせて無駄なリフォームをしたり、舞い上がって家具やカーテンなどを新調しては、利回りが低下してしまうので絶対に避けなければいけません。あくまで賃貸人=自分、賃借人=自分ということを忘れずに、賃貸物件に住むつもりでコストを抑えることが大事です。(その点をあらかじめ家族に嫌というほど説明しておかないと、あれ欲しい、こうしたい攻撃を食らいます)

 

 少なくとも私の場合はこの考え方が非常に役立ちました。ここ2年くらい、何物件か中古の区分マンションを、比較的信頼できる不動産会社から紹介してもらいましたが、表面利回りに惑わされたり、隠れたリスク(管理費値上げ、大規模修繕費など)のワナにハマることなく、冷静な判断ができました。

 今の時期、素人が今から手を出して成功できる物件なんてほとんど存在しないということがあらためてよくわかりました。おかげでいつまでたっても不動産投資家としてデビューできませんが、仕方がないですね。

「投信で損失、個人の半数 金融庁調査」から学ぶこと

 日経新聞朝日新聞が釣りタイトルで変な記事を掲載したものだから、一部株式投資家の方がざわついています。

 まあ、これをみて条件反射的に「大変だ」と騒ぐ人はタイトルしか読んでいない情弱な人か、これを自分の商売ネタにしようとするセミナー屋の類が大半なので放置しておけばいいのかもしれません。

 でも、中にはまじめに投資を始めて心配になった人もいるでしょうから、少しフォローしておこうと思います。

 

金融庁が都銀や地銀の計29行を対象に2018年3月末時点の運用損益を調べたところ、損失を抱える顧客は46%と全体の半分近くに達した。損失率が10%以下の個人が全体の35%ともっとも多かった。

 最初のポイントは、対象が「都銀や地銀の計29行」であることです。早い話、退職金などでいきなり投資デビューした人や銀行なら安心と信じていた人が、極悪投資信託を言われるがまま買わされ、市場が好調なのに半分の人が損をこいたって話です。

 詳細は不明ですが、損した人の大半は、窓口のイケメン君やかわいいお姉さんの笑顔に騙されて、中身を知らずに外貨建て毎月分配型やテーマ型投資信託(ロボファンドの類)を買わされたのでしょう。

 

 天下の日経様や庶民の味方朝日様なら、このデータに対比させるように「ネット証券で積み立て投資をしている人」の成績を掲載して、「銀行で買うと失敗するけど、自分でコツコツと積み立てればほとんどの人が儲かっている」という記事に仕立てるべきだと思います。

 

 日経の記事だけではわかりませんが、朝日の記事を読むともう少し実態がはっきりと見えてきます。

同庁によると、平均で10%以上の運用益を出している銀行が6行ある一方、平均の運用損益がマイナスだった銀行も1行あった。

 これは何を意味しているのでしょうか。顧客に寄り添い真面目に資産運用を提案している銀行も2割(6行/29行)くらいはあるということです。逆に、

ある金融庁幹部は「金融機関のトップは手数料収入の多寡は気にしても、顧客がもうけられているかは見向きもしてこなかった」と批判する。

と指摘されて、反論できない銀行が大半だということです。

 

 昨今、銀行の不誠実な不動産融資姿勢が批判されていますが、金融相反の販売においても同じような状況だということです。いつも言っていますが、銀行も民間企業です。儲けられるところから儲ける、カモは生かさず殺さず養分にし続けるという、金融機関の鉄則を忠実に守っているということをお忘れなく。

 

 あと、もう一つ付け加えておきますと、この調査結果には大きな欠陥があります。調査対象が「現在保有している人」であり、すでに売ってしまった人は漏れてしまってます

 日本の投資家は、儲かった人ほど早く売り、損した人ほど塩漬けにする習性がありますので、調査結果は実態よりも悪くなっています。

 理由は簡単で、①損をしたことを認めたくない、②いつかは元に戻るという根拠のない自信を持つ、③どうしていいかわからず思考停止に陥る、④儲けは早く確定したい、といった心理が影響しています。

 こういった部分も、新聞の経済部の人間であったらきちんと指摘し、対応策を啓発してもらいたいものです。

 

 銀行の言いなりにならず、目先の損得でパニック売買しないことが重要なことです。長期的な視点に立ち、まともな投資信託を見つけ(ネットでまじめに調べればすぐにわかるはず)、積み立てNISAかイデコで分散投資を続ければ、非常に高い確率で勝てます。投資期間が20年(できれば30年)以上あれば、9割の人は成功するでしょう。

 

追記

 日経もきちんと書けよといったら、日経新聞唯一の良心である田村氏が、本日「投信に「高値づかみ」のワナ 顧客の半数が損失  長期保有や積み立てカギ」という署名記事を書かれています。

積み立て方式の顧客が7割を占めるセゾン投信のKPIは85%の顧客の損益がプラスだ。

 ほらっ、私の言ったとおりでしょ(笑)。相談する相手と、購入する金融機関を間違わないことが最大のポイントです。

 

マスコミが甘やかすから、リスク不感症になる

 「河川氾濫リスクは説明義務なし」、いかにも被害者に寄り添う正義の味方、朝日新聞らしい記事です。

 被害者の方には心よりお見舞い申し上げますが、この記事には異議を唱えたいと思います。

  記事では、重要事項説明書に関する事実が書かれています。

 重要事項説明の項目は、宅地建物取引業法に基づいて定められている。たとえば津波被害や土砂災害が想定される土地かどうかは、説明が義務づけられている。一方、河川の氾濫(はんらん)による浸水リスクは、現状では項目に入っていない。

 これは問題ありません。私が気になるのはこの部分です。

 「家の購入を真剣に考えているときに教えてほしかった。知っていれば、補償を手厚くした保険に入り、家具の置き方も違ったと思う」

  被害者の方の声(しかも都合よく切り取った声)を利用して、重要事項説明書の記載項目に浸水リスクが入っていないことが問題だ、入っていれば被害は防げたと暗に主張している点です。朝日新聞らしい手口で私は嫌いです。

 

  この被害者の方は「ハザードマップは、住み始めてから広報で見た記憶がある」とおっしゃっていますし、3年前の鬼怒川の氾濫のこともご存じだろうと思います。

 健全なリスク感覚を持っていれば、ハザードマップや鬼怒川のニュースを見た段階で他人ごとではないと思い、何らかの対策を打つはずです。でも、それをしなかったということは、たとえ重要事項説明書に書かれていたとしても対策は打たなかっただろうと思われます。

 誤解しないでいただきたいのですが、私は被害者の方を責めているわけではありません。ほとんどの人がこの被害者の方と同じであり、リスク不感症になっているということを言いたいのです。そこを改善せず、重要事項説明書に記載しても何も問題は解決しません。私は逆効果になると思います。

 

 今でも不動産を購入する際に重要事項説明書を読み込んで完全に理解している人はどれだけいるでしょうか。きっと10人に一人もいないでしょう。読まれもしないものに記載しても誰も読みません。

 

 

 そもそも重要事項説明書にどこまで書けばいいのでしょうか。私は、専門性が高くて理解できない項目(各種法律~条例等)や自分で調査しても簡単にわからない項目などに限定すべきだと思います。今よりも項目を減らして、その代わりにきちんと理解させる責任を業者に課すべきだと思います(今みたいに書いて読み聞かせるだけでは不可)。

 一方、少なくともネットで簡単に入手できるような情報くらいは自分で調査し、リスク評価できるようになるのは購入者の当然の義務であるということも強調すべきです。そうしないといつまでたってもリスク不感症は改善しません。

 

 もし今回の件で洪水のリスクについて重要事項説明書への記載が決まったとしても問題は解決しません。リスクなんて無数に存在します。活断層直下型地震の震度予測、高潮、震災時の火災など自然災害に限ってもまだまだたくさんありますし、渇水、異常高温、竜巻など天候のリスクもあれば、上下水道の老朽化、交通インフラの撤退などのインフラのリスク、高齢化や人口減少による福祉サービスの縮小サービスなど無限に思いつきます。過保護にしすぎると、こんなことも全部かけなんてバカな話になりかねません。

 

 過保護にすればますますリテラシーや健全な警戒心、判断能力が失われていまい、バカが増えてしまうだけです。

 何も不動産に限ったことではありません。リスクは業者が教えてくれて当たり前という考え方に染まっているから、極悪金融商品かぼちゃの馬車みたいなのに引っかかるのです。

 

 渡る世間は鬼ばかりなのに「だまされた方が悪い」という正論を認めず、なんでもルール・規則でしばり、ことが起きると業者だけが悪いと騒ぐマスコミには、正義の味方面するほどバカが増えるということを理解していただいたいものです。

 「自分の身は自分で守れ」と健全なリスク感覚を身に着ける必要性を説くことこそマスコミの使命だと私は思います。

 

 ※あらためて西日本各地で災害に遭われた方に対し、お見舞い申し上げます。