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退職金を受け取ると突然”モテ期”がやってくる?!

時事ネタ 資産運用

 今朝はお隣の庭で鳴くウグイスの声で目が覚めました。東京では桜の開花宣言が発表されたようですね。まもなく3月も終わろうとしています。多くの方が会社を去り、また初々しい新社会人が誕生する季節です。

 この時期、突然”モテ期”が訪れる人が多くなります。若くてかわいい女性から声がかかるかもしれません。でもこの”モテ期”には注意が必要です。とっても高くつくことが多いですから。

 

 退職金が振り込まれ一か月もしないうちに、預金の金利優遇キャンペーンや無料資産運用の相談を案内する電話がかかってくるでしょう。ここで「(ローンの繰り上げ返済やリフォームなど)使い道は決まっています」と断ればいいのですが、時間もあるし、せっかくだからかわいい(声の)女性に相談に乗ってもらおう」と思ってしまうと後々厄介なことになります。

 予約した日時に金融機関を訪れ、案内係の人に名前を告げると、普段のように順番票を渡されるようなこともなく、すぐに専用ブースへと案内されます。そしてしばらくすると愛想がよく笑顔の素敵な女性が現れます。丁寧なあいさつの後、いよいよ相談が始まります。でも、最初はお金に関する話なんて一切出てきません。今までのキャリア、今後の生活設計や趣味な話などさり気なく尋ね、答えるたびに相づちを打ったり、感心したり、そして話の終わりに必ず褒める言葉を忘れません。

 だんだん緊張もほぐれ、(勘違いですが)特別待遇されている心地よさから、ついつい口が滑らかになります。そして、家族、今後のライフプランなどあれもこれも話をしてしまうのです。

 ここまでくれば相手の思う壺、笑顔の裏側で個人情報を分析しどの商品を勧めようか、どのくらいの金額を投資に回してもらおうかとしたたかに計算しているはずです。

 一とおり話が進んでいくと「今後のことで何かお困りのことはありませんか」「何かお手伝いできることはありませんか」といよいよ本題に進みます。妻や娘より100倍丁寧に話を聞いてくれる行員に対して心を許してしまい、このまま帰るのも気が引けるしせっかくだから少し相談しようかという気になってしまうのです。

 その結果、昨今話題の手数料や報酬が信じられないほど高い投資信託や仕組み預金、外貨建て保険などを勧められ買ってしまうのです。もし、そんな商品に500万円も投資してしまえば、目に見えない手数料・報酬を10~数十万円もとられ、しかも価格変動リスクまで背負ってしまうのです。

 

 なお、まとまった退職金を受け取った方はもっと大変です。立派な応接室に通されお茶を出してもらい、わざわざ支店長が自ら挨拶に来てくれます。おそらくその日は世間話で終わりです。そして、しばらくしてから支店長がわざわざ自宅を訪問してくるかもしれません。そんなことが続いたのち、「お手伝いできることがあれば、何なりと担当に申し付けてください」と営業担当を紹介します。そして、より手数料の高い商品の勧誘が始まるのです。

 

 私は電話でのやり取りだけで断りましたが、同時期に退職した同期は銀行の窓口で罠に嵌ったそうです。大手メーカーを定年退職した大学のOB(元部長)はメガバンクの支店長が自宅に訪ねてきて、やはり外貨建て保険を買ったそうです。

 老後の資金計画は本当は50歳くらいから考えておくべきですが、もし立てていないまま退職したのであれば、半年くらい情報収集し冷静になってからじっくりと立てることを強くお勧めします。

 定年後の”モテ期”にはくれぐれもご注意を!

桃栗三年、柿八年、株式投資三十年

資産運用 株式投資

 昨日はコツコツ投資仲間の一人である、若くてかわいい(でもとっても我の強い)女性と食事を楽しみました。飲み放題コースを選択したのが間違いで、ブログタイトルどおり酔いどれ投資家となってしまいました。そして、案の定、二日酔いに苦しんでいます。

 

 今日のタイトル「桃栗三年、柿八年、株式投資三十年」は、ブログのタイトルを考えた時に、どちらにしようか最後まで悩んだもう一つのタイトル案です。

 ご存じのとおり「桃栗三年、柿八年」は、芽が出て実がなるまでに、桃と栗は三年、柿は八年かかるという意味が転じて、何事も成し遂げるまでには相応の年月が必要だという意味で使われます。この言葉はまさしく株式投資家のためにある言葉だと思います。

 

 わたしは今はやりのインデックス投資家でもありませんし、厳密な意味でのコツコツ投資家でもありません。でも、約30年間、お金に余裕が出た時と株価が暴落した時に少しずつ追加投資をして日本株を中心に買い続けました。

 その結果、現在では配当金だけで衣食住に必要な基礎生活費をまかなうことができるようになりました。平成元年には2000円程度だった年間の受取配当金が、今では百万円の単位になったのです。

 当初30万円ほどだった投資金額は、その後追加し続けたため累計投資額は約3000万円にのぼりました。30年で投資額を100倍にしましたが、受取配当金はそれを上回る速さで増え、今や当初の1000倍以上になったのです。30年の時間が企業を成長させ、配当を増加させてくれたためです。

 

 振り返ってみれば、この30年の間にバブル経済ITバブルの崩壊もありましたし、平成の金融危機リーマンショックをはじめとするさまざまな●●ショック、世界各地でのテロや紛争、政治的な混乱、さらには東日本大震災をはじめとする大きな災害が発生しました。それでも、日本を含む世界中の会社が成長を続けてきたのです。

 

 株は怖いもの、長期投資は報われないものという声を耳にすることも多いのですが、やり方を間違わなければ決して怖いものではありません。車の運転と同じだと思います。リスクがあることは事実ですが、それを大きく上回るメリットがあるのです。

 これからもさまざまな経済的な混乱や転変地異、大規模な紛争が起こることでしょう。でも30年という時間があれば、その多くの試練を乗り越えることができると私は確信しています。

 

 確定拠出年金制度の拡充や先日の「カンブリア宮殿」放送の影響からか、株式投資に注目する人がすごく増えているそうです。一人でも多くの人が(一日でも早く)長期投資家の仲間に加わってくれることを願うばかりです。

www.tv-tokyo.co.jp

 

 

 最近は不動産ネタで毒づいてばかりなので、たまには前向きなことを書いてみました。今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

えっ、借金があっても金利上昇で困らない???

資産運用 不動産

 不動産投資のネタばかりですみません。筋の悪い不動産販売業者や”われらが”内藤忍氏が変な情報ばかりまき散らすので、ついついツッコミを入れたくなってしまうのです。そんなわけで今日も不動産投資ネタです。

 

 マイホームであれマンション投資であれ、不動産を購入するときには借り入れを行うことが一般的です。不動産業界側の人はこれを不動産投資固有のメリットだと主張します。低金利・長期固定金利で借りられ、さらに優遇税制もある住宅ローンについては大きなメリットだと言えるでしょう。

 一方、投資不動産向けのローンは、通常、住宅ローンより1%以上金利が高く、かつ変動金利になります。このような条件のローンは本当に投資家にメリットがあるのでしょうか?確かに大きな金額を借りられるというメリット(?)はあるものの、それ以上にデメリットがあると私は考えます。

 

 まずは内藤さんにブログ「日銀が将来利上げしても、お金を借りている人はあまり困らない」をご一読ください。 

 内藤氏は良い金利上昇と悪い金利上昇の二つのパターンについてコメントし、「日本の金利が上昇したとしても、お金を借りている不動産投資家に対する影響はコントロール可能。これが私の個人的見解です」と結論付けています。でも、本当でしょうか。

 

 まず、景気が良くなったため生じる「良い金利上昇」について。内藤氏は「お金を借りて不動産投資している人は、金利上昇で変動金利借入なら返済額は少し増えるかもしれません。しかし同時に景気回復によって、賃貸需要も高まり、家賃の上昇も期待できます」といいます。
 彼の主張には大きな誤りがあります。彼は中古ワンルーム投資を勧めています。商業用と異なり、住居用の契約を更新する場合に家賃を引き上げるなんて(借地借家法という巨大な壁があり)ほとんど無理です。

 仮にもし家賃の引き上げに成功したとしても、金利上昇による負担分にに見合った賃料引き上げは困難でしょう。2000万円の借入金の金利が1%上昇したら年20万円の負担増です。月7.5万円の賃料を1.5万円引き上げたとしても持ち出しになります。これって非現実的ですよね。

 

 次に、日本の財政悪化懸念、日銀の信認の低下によって日本国債と円が売られたために生じる「悪い金利上昇」についてです。「お金を借りて不動産投資している人は、変動金利借入なら金利の急騰で返済は大きく増えるかもしれません。しかし、想定を上回るインフレによって、不動産の価格の急騰の恩恵を受けます」とのことです。
 この場合、日本経済は長期停滞が予想されます。そんなときにどうして不動産価格が急騰すると言い切れるのでしょうか?良い金利上昇のところでも書いたように、家賃は急には上げられません。家賃が上がらないのに不動産が急騰したら、投資利回りは大きく低下します。一方で金利が急騰するのであれば、不動産の投資利回りよりも預貯金や国債を購入した方が有利になります。ましてや「財政悪化懸念、日銀の信認の低下」が起きているときには資金は日本から逃避するのです(だから円安になる)のですよ?そんな状況で急騰するほど不動産を購入する人がいるとは、私には思えません。

 

 今の時点で多額の借り入れをして投資用マンションに手を出すことは危険極まりないというのが私の結論です。内藤氏があおり記事を書けば書くほど、リスクの大きさが明らかになってくるとは何とも皮肉なことです。なんとも素晴らしい反面教師に、感謝。

内藤忍氏がまたまたぶっとんでいます

不動産

 最近、内藤氏による”ワンルームマンション投資教”の布教活動が活発化しているようです。先日も「45歳で貯金1000万円の人が老後の不安を解消するために」というとんでもない記事を書かれています。

 金融に関する正しい知識を少しでもお持ちであれば、こんな稚拙な記事は恥ずかしくて書けないと思うのですが、堂々と書いていらっしゃるところがすごいというか開いた口がふさがりません。

 かつて個人投資家分散投資の必要性と有効性を説いていた内藤氏とは別人、もしくは自著で宣伝しまくっていたワイン投資で詐欺に遭ったショックで過去の記憶を失ってしまったのではないかと疑いたくなってしまいます。

 

 内藤氏を批判ばかりしていても仕方がないので、彼の記事を役立てる方法が何かないかと考えてみました。あまり思いつかないのですが、一つ挙げるすれば、彼のブログを読んでいくつ問題点を指摘できるかによって自分の不動産に関する知識の有無を判断できるということでしょうか。

 まずは内藤氏のブログをご一読ください。そして、疑問点や問題点を思いつくだけメモしてみましょう。いくつ気づかれたでしょうか。

 5つ未満であれば、現時点で不動産投資をするとひどい目にあわされる(カモにされる)ことが確実ですので投資は絶対に避けましょう。10前後であれば、カモにはされないかもしれません。疑問点や問題点に自分なりの答えを見つけられる自信があるのなら検討してもいいかもしれません(でも私は現時点でのマンション投資は絶対にお勧めしません)。


 いつも私が拝読しているブロガーさんも「内藤忍氏の荒唐無稽な45歳1000万円からのマンション投資シミュレーション」という記事で問題点を指摘していらっしゃいます。すべてごもっともな指摘です。
 さらに加えるならば、取得時に7~8%発生する諸費用を無視している点も大きな問題でしょう(購入物件が2000万円なら仲介手数料や税金、ローン関係費用で150万円前後必要。3件購入するならその3倍!)。

 また、1.5%という超低金利で15年間借りられる前提になっていることも大きな問題です(個人が初めて投資する時に固定金利1.5%で借り入れるなんて絶対に無理です。変動金利になります)。これだけ目いっぱい変動金利で借りていたら金利が1~2%上昇しただけで返済不能に陥りますよ。

 また、不動産投資には資金や収支といった金銭面のリスク以外にも多くのリスクがありますが、リスクについては「不動産投資は金融商品とは異なるリスクがあります」と一言で済ませていることも大きな問題です。

 金銭的なメリット(?)については具体的な数字を挙げておきながらリスクについてはあからさまに避けているところに無責任さを感じてしまいます。不動産投資における金銭面以外のリスクについてはまた日を改めて書いてみたいと思います。

 

 借金して投資をするということは、一つ間違うと資産をすべて失い借金を背負うリスクをとるということです。さらにあなた自身の信用を失いますし、場合によってはお金よりも大切な家族や友人や仕事すら失う可能性があるのです。

 くれぐれも「サラリーマンにも簡単にできます」的なトーンの宣伝記事を鵜呑みにしないように気をつけましょう。

 

悪徳証券マンにはめられた資産家の顛末

 WBC日本代表、苦しみながらも頑張ってますね。ついつい最後まで見てしまうので最近は生活のリズムが崩れがちです

 

 さて、前回の続きです。 交渉の様子と結論です。

 

 自宅ではなく証券会社に出向いての交渉となりましたので、主導権を握らなければなりません。そこであいさつもそこそこに、レコーダーを取出し議事録を作るために録音したいと伝えました。予想どおり先方は難色を示します。記録を残させると不利だとわかっているのでしょう。

 さらに強く申し入れましたが、先方も譲りませんので、こちらが詳細なメモを取る、作成した議事録は双方で確認するという条件で合意しました
(こうなることがわかっていたので、実は店に入る前から録音はしていました)。

 

 さて、交渉の開始です。まずは取引の経緯の確認、続いて売買について確認します。こちらとしては違法性があるのではないかと指摘をしますが、担当者は了解を取った上の取引であり問題がないと主張します。こちらは、集めた証拠を示しながら問題を指摘しますが、問題はなかったの一点張りで話は進みません。

 そこで、今度は、証券会社の「勧誘方針」についてただします。

当社は、「金融商品の販売等に関する法律」、「金融商品取引法」、その他関係諸法令・諸規則を遵守し、以下の方針に則り、お客様に金融商品の適正な勧誘を行ってまいります。


1.お客様の金融商品に関する知識や、投資経験・財産の状況・投資目的等のお伺いいたしました事項を総合的に勘案し、適切な勧誘・アドバイスに努めます。

2.お客様に「金融商品の販売等に関する法律」に係る重要事項を正しくご理解いただくことに努めます。また、お客様ご自身に適切な投資判断を行っていただくために、商品内容やリスク等について十分かつ正確なご説明を行うことに努めます。

 1.について、Aさんの投資経験・財産の状況・投資目的をいつどのように確認し、どう判断したのか説明するとともに保管されている書類を開示するように求めました(通常は各社で準備している「ヒアリングシート」などに基づいて、リスク商品を勧めてもよい投資家かどうかを判断しています)。

 続いて2.について、ハイリスクな新興国国債外国通貨建ての複雑な仕組みの投資信託の商品性やリスクを、どのような資料を用いてどのように説明したのかを尋ねました。同じ資料を用いて同じように私たちに説明するように求めるとともに、Aさんがリスクを理解した証拠を見せるよう求めました(通常、「確認書」などに投資家の署名を求めます)。

 これらの資料が開示されないように問題がなければこちらは納得しますし、開示されなければADRでの判断を仰ぐしかないと主張しました。すぐには開示できないだろうから1週間後にまた打ち合わせの場を持ちたいと伝え交渉を終えました。

 

 2、3日後和解の申し入れがあり、数度の交渉の結果、一部の取引を除き、十分な説明ができていないことを認め、不適切な取引はすべて取り消すということで決着しました。Aさん側にも、証券会社から送付された取引報告書を確認していなかったなど問題がありますので、いたずらに交渉を長引かせるよりも早く和解した方が得策と判断したのです。その結局、損失の90%強を回復することができました。

 次回は、自分なりの教訓を記してこの話を終えたいと思います。

 

悪徳証券マンにはめられた資産家の反撃

 先日の記事の続きです。

 

 話を聞けば聞くほど腹が立ってきました。証券会社の対応もひどいものですし、親(Aさん)が詐欺まがいの被害にあっているのにろくに助ける努力もしない息子Bさんにも大いに不満を感じました。

 ただ腹を立てている暇はありません。このままでは泣き寝入りになってしまうことが確実だったので、私はBさんに「金融ADR制度」の利用をほのめかせて再度証券会社と交渉するように強く勧めました。

利用者と金融機関とのトラブルを、裁判以外の方法で解決を図る「金融ADR制度」

銀行の預貯金や生命保険、損害保険、株式や債券、投資信託など、金融商品・サービスの多様化・複雑化が進む中で、利用者と金融機関との間で、金融商品・サービスに係るトラブルが多くなっています。

こうした金融トラブルを解決するため、銀行・保険・証券などの業界団体などにおいて、従来から自主的な苦情処理・紛争解決の取組が進められてきましたが、中立性・公正性、実効性などの観点から、必ずしも万全ではなく、利用者からの信頼が十分得られていない面がありました。また、トラブルを解決するために、「裁判」で争うという方法もありますが、裁判には費用も時間もかかるという問題もあります。

そこで、平成21年の「金融商品取引法などの一部を改正する法律」により、利用者保護・利用者利便の向上のため、裁判よりも費用や時間がかからず、金融分野に見識のある弁護士などの中立・公正な専門家(紛争解決委員)により、金融トラブルの解決を図る「金融ADR制度(金融分野における裁判外紛争解決制度)」が、国の制度として創設され、平成22年10月1日から本格的にスタートしました。

  そもそも、投資の経験のない90歳を超える老婆に適切な勧誘、説明しているはずがありません。これは明らかに「適合性の原則」に違反しているといえるでしょう。

適合性の原則

金融商品取引業者(証券会社)は、金融商品取引行為(株の売買など)について、顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行つて投資者の保護に欠けることとなつており、又は欠けることとなるおそれがあること行ってはなりません。

 また、電話の着信記録を確認し、証券会社と通話した日と株や投資信託を売買した日を突き合わせました。案の定、通話記録がない日も頻繁に売買をしており、無断で売買していることが強く疑われました。

 そこで、ここは強く出るべきと考えて、内容証明を証券会社に送るように伝えました。内容は、「適合性の原則」に違反している恐れが強いこと、無断売買している可能性が強いことを指摘したうえで、誠実な回答がない場合は「金融ADR」制度を利用することを考えているというものでした。

 数日たった頃、今まで逃げ回っていた担当者から上司とともに一度説明をしたいと突然連絡がありました。どうやら、金融ADRに話を持ち込まれること自体が、会社には不都合があるようです。持ち込まれる案件の多い金融機関の情報がおそらく金融庁に上がるのでしょうね。

  そこで、証券会社の2名とBさんと私の4名で話し合う場を持つことになりました。

 長くなりましたので結論は次回に。

悪徳営業にだまされたある資産家の悲劇

 まさか自分の身近なところでこんな話があるなんて思いませんでした。叔母の仲のいい隣人(95歳の女性、以下Aさん)が、地元の証券会社の営業に利用されて、遺産を食いつぶされそうになったのです。

 3年ほど前、久しぶりにAさんのもとを訪ねた息子のBさんが、たまたま段ボールにたまっている封筒の山を見つけ、発覚したそうです。Aさんに尋ねてもあいまいな返事しかしないので不審に思い、封筒をすべて開封したところ、驚くべき事実が判明したらいしのです。

 Aさんは10数年前に旦那さん(Cさん)を亡くし、かなりの遺産を相続したそうです。相続財産が国債と大企業の株式だったため、Cさんが使用していた証券会社に口座を作りAさんの名義で保有していたそうです。

 当初はCさんの担当営業マンがそのままAさんの担当になりました。満期になった国債は新しい国債を購入するようにお願いしていたため、何も問題は起きませんでした。

 ところが、3年ほど前にその担当者が退職し、新たにDという営業マンが担当になったところから悲劇が始まります。Dは頻繁にAさんに電話を入れ、やさしい言葉をかけ世間話の相手をしてくれたそうです。数か月が経ち、Aさんは子供や孫たちよりも頻繁に連絡をくれるDにすっかり心を許してしまいました。

 Aさんに警戒心がないことを確信したDは次第に本性を現し、満期になった国債の資金で、自らの営業成績をあげるべく勝手に売買を始めたのです。はじめは大企業中心だったようですが、徐々にエスカレートし、リスクの高い新興企業の株を日計り商いしたり、ギリシャやロシアの国債、毎月分配の超ハイリスクな投資信託の売買を繰り返すようになったそうです。

 Bさんが気づき、段ボールにたまった封筒をすべて開けて取引の全貌が明らかになった時には、相続した4000万円ほどの資産が、わずか3年で1000万円強にまで減っていました。

 BさんはDに電話をし説明を求めたそうですが「Aさんの了解を得た取引だ」と一切非を認めようとしなかったそうです。次第に電話にも出なくなり、支店を訪問しても居留守を使われ、接触することができなくなったそうです。

 Bさんは母親Aさんにも確認をしましたが、なにせ95歳です。耳も遠ければ記憶もあいまいで、Dから頻繁に電話があったことは認めてはいますが内容はほとんど覚えていません。Dがウソをついていることは明らかでしたが、証拠がなく泣き寝入りするしかないのかと途方に暮れたそうです。

 あきらめかけていたとき偶然、叔母がBさんからその話を聞き、法事で十数年ぶりに再会した私に叔母が相談したのです。偶然が重なって事態は少し好転することになります。

(続く)

 

 それにしても、昭和のバブル全盛時代ならいざ知らず、今でもこんなひどいことが身近で起きていると知り私は驚きました。そして、あまりにもひどい話なので少しお手伝いをしようと思ったのです。