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予測ビジネスで儲ける人と損する人

 年末から年始にかけて新聞、雑誌、ネットなど媒体に2017年の予測や予想の記事が載っています。ジャンルも景気や株価、為替といった経済モノからプロ野球などのプロスポーツの順位予想、果てや星座ごとの運勢までなんでもアリといった風情です。

 さて、そんな年始恒例の予測記事ですが、みなさんもお分かりのとおり多くは無残にも外れてしまいます。にもかかわらず専門家の皆さんはなぜ性懲りもなく当たらない予測を続けるのでしょうか。予測を載せた本や雑誌は一定数売れますし、ネットもアクセスが増えるのです。要するにビジネス(商売)になるんですね。

 そんな専門家の皆さんに不都合な本があります。タイトルはずばり「予測ビジネスで儲ける人びと」。著者は予測ビジネスを一刀両断に斬り捨てています。もう絶版のようですが、図書館やブック●フなどで見かけたら読んでみてください。訳が読みずらいのが難点ですが、読み物としてはおもしろいです。

 この本では、あらゆる予測のうち、科学的に「予測」と呼べる精度を誇っているものは「72時間以内の天気予報」くらいだと書かれています。ですので、暇つぶしや話のネタと割り切るのであれば話は別ですが、何かを知りたいとか役立てたいと思って貴重な時間とお金をつぎ込むのは避けた方が良いと思います。まして予測を信じて投資をするなんて損するために努力しているようなものですから絶対に止めましょう。

 面白い話を二つご紹介します。

 高橋乗宣というエコノミストがいらっしゃいます。2000年頃から毎年年末に翌年の経済予測の本を出されていました。いつも「世界経済が恐慌に突入する」とか「日本が崩落する」というようなタイトルで超悲観的な予測本を書き続けていらっしゃいます。でも残念なことに16年も悲観的な予想を続けているのにまったく当たらないのです。「いや、そんなことはない。リーマンショックがあったではないか」という声もあるでしょうが、皮肉なことにこの年だけ予測本を出版されていないのです。三菱総研などで長く景気予測をしていたプロでもこのさまです。

 もう一つは日経ヴェリタスの為替・株価予測です。昨年の年始に70~80人の金融のプロやエコノミストが2016年1年間の為替と株価の高値と安値を予測するという特集を載せていました。でも、2月の段階で為替・株価とも数人を除いてすでに予測した幅を超えて円高株安が進んでいました。ここからも専門家という人たちの予測がいかに”信頼できる”ものかがわかるでしょう。だいたい、エコノミストや金融のプロの予測が当たるのであればすでに何人かは大金持ちになってリタイアしているはずですが
少なくとも日本にはそんなプロは一人もいらっしゃいません。

 話は戻りますが、先ほど紹介した本のサブタイトルは「すべての予測は予測はずれにおわる」です。みなさん、くれぐれも予測ビジネスに携わる人々に惑わされて損しないように気をつけましょう!