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糸魚川大規模火災から何を学べばよいのでしょうか?

時事ネタ 保険

被害に遭われた皆さんには心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興を心より祈念いたします。

 さて昨日、日本損害保険協会から糸魚川市の大規模火災に対する支払保険金の集計結果が発表されました。

 火災保険 67件(証券件数)  保険金1,175,176千円 (1月5日時点、一部推計含む)

 この数字から何を読み取ればいいのでしょうか。
 まず気になるのは、保険加入率です。新聞報道によると被災した家屋・店舗は150軒弱のようです。一方、損害保険協会の集計結果によると火災保険の対象となった証券件数は67件です。1軒で複数契約している可能性もありますので、保険でカバーされたのは最大67軒ということになります。

 ここには共済が含まれていませんのでそれも含めないと正しい保険加入率はわかりませんが、全国平均で見れば火災共済の契約数は火災保険の80%程度です。糸魚川の共済加入率が全国平均並みであれば、火災保険・共済への加入率は80~85%前後だったのではないかと思われます。

 次に保険金額ですが、単純平均すると火災保険は17,540千円、車両保険は760千円です。今回はがれきの撤去費用が住民負担ではなくなる見込みですし、被災者生活再建支援法が適用され最大400万円の支援金を受けられるとのことです。これは十分な金額でしょうか?

 自宅を建て替え、家財道具をすべて買い直す費用に加え、再建までの収入減少、仮住まいに伴うプラスアルファの支出、引っ越し代、加えて金額評価できないQOLの低下や精神的苦痛、復旧のために犠牲にせざるを得ない自由時間などを考えると十分な金額とは言えないでしょう。

 さて、ここから教訓を得るとしたらどんなことでしょうか。「適切な内容の火災保険に加入すること」という声が上がりそうですが、一番大切なことは「木造住宅密集地域に済まないこと」です。それが困難な場合は「災害に強い家に住むこと」(被災したものの建物自体は無事だった"奇跡の一軒"が紹介されてましたね)。そのうえで「適切な火災保険に加入し、かつ不足分の自己資金を準備すること」だと思います。

 保険会社などは商売ですから、「火災保険に入れば安心、さらに家財保険にも入っておけばもう大丈夫」というかもしれませんが、それだけでは十分ではありませんし、保険にばかり頼ると保険貧乏になります。

 あらゆるリスクに共通のことですが、最大の対策は「保険に加入すること」ではなく「リスクを予防・軽減すること」です。リスクの予防・軽減にもっと目を向け対策を講じることこそが今回の教訓だと私は思います。