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それでも千円で個人情報を提供しますか?

 あらゆるメディアや企業サイトでは日々様々なキャンペーンを行っています。多くは、自社商品やポイント、キャッシュバックなど何らかの金銭的に価値あるものが当たる(もしくはもれなくもらえる)ものです。

 ところでキャンペーンを行う理由は何でしょうか。簡単ですね。一人でも多くの個人情報を集めるためです。企業は集めた個人情報をもとに商品開発に活用したり、販促に利用したりするということですね。

 この個人情報ですが、企業ではプライバシーポリシーを掲示し、また大手などはプライバシーマークなどを取得して厳格な管理・運用を徹底しているとアピールしています。一度でも情報漏えいを起こせば企業イメージのダウンは避けられないので当然といえば当然です。

 しかし、実際には毎年大手からの情報漏えい事件が何件も発生しています。いくら制度や仕組みを整えても100%安全ということはないという証拠でしょう。

 

 話は変わりますが、以前私が運送会社にいた時に個人情報の取り扱いについて驚いたことがあります。この会社では委託先からの廃棄物(紙類)の運搬を受託していましたが、管理部門の管理職が抜き打ちでトラックに乗り込み運搬から廃棄手続き全般について監査をする仕組みがありました。

 ある日、使用済みの金券類の廃棄に立ち会った時のことです。この日は封印された段ボールを製紙工場に運び、炉の中に廃棄するまでの手続きを監査するというものでした。

 工場に到着し、ドライバーがひと箱ずつ専用のコンベアーに乗せていきます。コンベアーの先の炉に無事段ボールが落ちるのを確認できれば完了ですが、非常に面倒で1時間半ほどかかります。

 新聞紙などであれば、こんな面倒なことはしません。地面に一気に捨てて、それを製紙工場の担当者がブルドーザーで穴に捨て、巨大なコンベアーから一気に炉に運ばれ、あっという間に完了です。

 でも硬くて高級な金券類は、大量に炉に入ると炉内の温度ムラができてしまうため、少しずつ投入する必要があるのです。

 立会者は手を出して手伝うことができませんのでコンベアーの横でじっと待つしかありません。途中で炉の温度調整のため投入が中断されると暇を持て余してしまいます。

 そこで暇つぶしに廃棄の順番を待つ足元に散らばる紙や段ボールの山に目をやります。いろんな書類があって面白いんですよ。そこで、とんでもないものを見てしまいました。超大手企業A社のキャンペーンに応募したはがきが無造作に捨てられているではありませんか!

 現場の主任さんに大丈夫なのかと聞いたら「それが普通ですよ。おたくみたいに厳格な会社は珍しいですよ」と笑われてしまいました。A社に限らず市町村や上場のIT企業まで、そんなずさんな廃棄処理をしているのが現実だそうです。その気になれば個人情報や企業機密なんて簡単に他人の目に触れてしまうのです。

 ちょっと気持ち悪くありませんか。これでもたった千円程度のメリットのために個人情報を安売りを続けますか?