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「わずか5年で資産3億円」って大丈夫ですか?

 「20代のサラリーマンが100万円の元手で株式投資を始め、わずか5年で3億円を達成した」とか「専業主婦が不動産賃貸を始めて、わずか5年で月50万円の収入を達成」なんて景気のいい話が世間に溢れています。

 中には、ご丁寧に実名や顔を出してマネー雑誌の取材を受けたり、ブログを書かれたり、果てはセミナーの講師を務めたり、投資本を出版したり・・・と職業投資家のように振る舞う方もいらっしゃいます。

 そんな彼らから「投資は簡単」「ちょっとしたコツをつかめば大丈夫」「信頼できるプロに任せれば安心」「私にもできたのだからあなたもできる」「これで老後も安心」と、心をくすぐるような言葉が発せられます。でも、そんな言葉を信じてもいいのでしょうか。

 確かに彼らは投資で成功したのかもしれません。そんな成功者の言葉には説得力があると思ってしまうのも仕方がないことです。でも、彼らは本当の意味で成功したのでしょうか、そしてその成功は今後も約束されているのでしょうか。

 

 なぜこんなことを書くのか、私が彼らに嫉妬しているからではありません。「たったの数年で大成功を収めた」ということに不安を覚えるからです。確かに、買った株が数年で50倍、100倍になることもありますし、手に入れた不動産が短期間に値上がりしたり安定した高収入を生むこともあるでしょう。

 でも、それが今後も続くかどうかは別の問題です。リーマンショック後、特にアベノミクス開始後は低金利が続き、資産の価格が大きく上昇する時代でした。投資をする人にとっては最高の環境が続いていたのです。あえて厳しい言い方をすれば投資さえしていれば誰でも儲かった時代です。

 このような恵まれた環境では、(ごく一部の)本当の成功した投資家なのか、(大多数の)偶然成功した偽物投資家(=投機家)なのかを見極めることはできません。大不況やリーマンショックのような経済的混乱を乗り越え、成功し続けている人だけが本当に成功した投資家なのです。


 ふり返ると、ITバブル(2000年)やライブドアショック(2006年)、リーマンショック(2008年) のころにも、短期間のうちに大成功した投資家が何人もいらっしゃいました。雑誌に登場し、本を出版し、ブログを書き、投資の天才のように崇められていました。でも、かれらのほとんどはその後ひっそりと表舞台から消えていきました。本当の成功者ではなかったのです。

 私には、今回も同じ道を歩んでいるように思えてならないのです。最後の混乱期であるリーマンショックからもうすぐ10年が経とうとしています。過去、ほぼ10年周期で大きな試練が訪れています。歴史が繰り返すものならば、あと数年以内大きな試練を迎えることになります。

 もし「わずか5年で資産3億円」を達成した人たちにあやかりたいのであれば、近いうちに訪れるであろう大きな試練を彼らが乗り越え、本当の成功者だったと証明されてからでも遅くはないと思います。

 古今東西、「お金に関する成功者の話が巷間にあふれ、投資に興味のなかった人が一斉に投資を始めたときこそがバブルのピークだった」ということだけは忘れないようにしたいものです。

 

※私の意見に同意できない方というは、2000年、2006年、2008年前後に出版された投資本やマネー雑誌を図書館で探して読んでみてください。