悪徳証券マンにはめられた資産家の反撃

 先日の記事の続きです。

 

 話を聞けば聞くほど腹が立ってきました。証券会社の対応もひどいものですし、親(Aさん)が詐欺まがいの被害にあっているのにろくに助ける努力もしない息子Bさんにも大いに不満を感じました。

 ただ腹を立てている暇はありません。このままでは泣き寝入りになってしまうことが確実だったので、私はBさんに「金融ADR制度」の利用をほのめかせて再度証券会社と交渉するように強く勧めました。

利用者と金融機関とのトラブルを、裁判以外の方法で解決を図る「金融ADR制度」

銀行の預貯金や生命保険、損害保険、株式や債券、投資信託など、金融商品・サービスの多様化・複雑化が進む中で、利用者と金融機関との間で、金融商品・サービスに係るトラブルが多くなっています。

こうした金融トラブルを解決するため、銀行・保険・証券などの業界団体などにおいて、従来から自主的な苦情処理・紛争解決の取組が進められてきましたが、中立性・公正性、実効性などの観点から、必ずしも万全ではなく、利用者からの信頼が十分得られていない面がありました。また、トラブルを解決するために、「裁判」で争うという方法もありますが、裁判には費用も時間もかかるという問題もあります。

そこで、平成21年の「金融商品取引法などの一部を改正する法律」により、利用者保護・利用者利便の向上のため、裁判よりも費用や時間がかからず、金融分野に見識のある弁護士などの中立・公正な専門家(紛争解決委員)により、金融トラブルの解決を図る「金融ADR制度(金融分野における裁判外紛争解決制度)」が、国の制度として創設され、平成22年10月1日から本格的にスタートしました。

  そもそも、投資の経験のない90歳を超える老婆に適切な勧誘、説明しているはずがありません。これは明らかに「適合性の原則」に違反しているといえるでしょう。

適合性の原則

金融商品取引業者(証券会社)は、金融商品取引行為(株の売買など)について、顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行つて投資者の保護に欠けることとなつており、又は欠けることとなるおそれがあること行ってはなりません。

 また、電話の着信記録を確認し、証券会社と通話した日と株や投資信託を売買した日を突き合わせました。案の定、通話記録がない日も頻繁に売買をしており、無断で売買していることが強く疑われました。

 そこで、ここは強く出るべきと考えて、内容証明を証券会社に送るように伝えました。内容は、「適合性の原則」に違反している恐れが強いこと、無断売買している可能性が強いことを指摘したうえで、誠実な回答がない場合は「金融ADR」制度を利用することを考えているというものでした。

 数日たった頃、今まで逃げ回っていた担当者から上司とともに一度説明をしたいと突然連絡がありました。どうやら、金融ADRに話を持ち込まれること自体が、会社には不都合があるようです。持ち込まれる案件の多い金融機関の情報がおそらく金融庁に上がるのでしょうね。

  そこで、証券会社の2名とBさんと私の4名で話し合う場を持つことになりました。

 長くなりましたので結論は次回に。