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「みんなのクレジット」と「てるみくらぶ」の報道への違和感

 この週末、一般人を巻き込む大きなトラブルが2つ報道されました。一つは格安旅行会社の「てるみくらぶ」、もう一つはソーシャルレンディングの「みんなのクレジット」です。

 

 前者は各社が報道していますのでみなさんご存じでしょう。今まで何度も繰り返された格安旅行会社のトラブルと同じパターンのようですね。旅行会社にツアー代やチケット代を振り込んだにもかかわらず、チケットを受け取れず、会社とも連絡が取れない状態になっているようです。

 また代金の返金等についても後日連絡するというだけでまだ何も具体的な動きはないようです。詳細は今後の報道を待つしかありませんが、事務所には臨時休業と貼紙がなされ社長や広報担当からは何も発表がないようですので、このまま事業停止になる可能性が高いのではないかと思います。

 

 後者は最近一部で注目されているクラウドファンディングの一形態であるソーシャルレンディングです。こちらは、ネットなどを通じて投資家から集めた資金をファンドを通じて企業に貸し付け、企業からの利息を投資家に分配するというスキームと思われます。ソーシャルレンディングは分配金が6~10%に及ぶことも多いため一部の意識高い系の投資家(失礼!)の方に人気でした。

 詳細は証券取引等監視委員会が発表された資料をご覧いただければと思いますが、以下のような問題を指摘されています。


・ファンドの償還資金に他のファンド出資金が充当されている
・当社のキャンペーンにファンド出資金が充当されている
・白石代表がファンド出資金を自身の借入れ返済等に使用している
・甲グループの増資にファンド出資金が充当されている
・ファンドからの借入れを返済することが困難な財務状況である

・設定された担保の大半が甲の発行する未公開株式となっており、中には担保が設定されていない貸付けも存在する

 すべて事実であれば、詐欺的スキームであることは明らかですね。無事償還を迎えた方はともかく、運用中のファンドをお持ちの方は残念ながら被害を被ることは間違いないでしょう。

 

 いずれの案件もまだまだ不明点が多いのですが、多くの人がトラブルに巻き込まれ、一部報道によるといずれも被害額数十億円に及ぶ可能性があるという点は共通しています。にもかかわらずマスコミの扱いがこれほど違うのはなぜでしょうか?私には大いに疑問です。

 旅行会社は1998年以降事業を行っており、評判はともかく、事業としての実績はそれなりにあったようです。一方、ソーシャルレンディングの方は2016年に事業を開始し、驚くほどのキャンペーンで資金をかき集めていたことを考えると初めから永続させることを目的に事業を営んでいたとは思えません。

 確かに、顔の見えないファンドの被害者(予備軍)よりも、空港で困っている人を取材する方が絵になるし、視聴者の関心を集められるかもしれません。でも、過去何度も繰り返された旅行会社の(経営不振に起因する)トラブルよりも、新手の詐欺的な商法と思われる後者の方が明らかに悪質であり、世の中の人に知らしめる重要性が高いと私は思います。

 

 マスコミにとって視聴者の関心(≒視聴率やネットのアクセス数)が重要なのは理解しますが、もう少し社会的意義をよく考えバランスよく報道してほしいものです。

 被害にあわれたみなさまには心よりお見舞い申し上げます。