読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

積み立てNISAの対象選定にみる金融庁の本気度

 本日の日経新聞に積み立てNISAの対象商品の選考に関する記事が出ています。記事の内容が本当に実現すれば画期的なことです。

 金融庁が近く公表する対象商品は、契約期間が無期限か20年以上で、かつ毎月分配型ではないものが基本。その上で、投資家が負担する口座管理や購入・解約にまつわる手数料がゼロか低めに抑えられている公募株式投信とETFに絞る。

 初期手数料だけでなく、投信の運用期間中に投資家が負担する手数料にあたる信託報酬も制限する。公募株式投信は最大1.5%、ETFは0.25%以下とする方向だ。

 これだけを読んでもピンと来ないかもしれませんが、条件を満たすものは現在販売されている公募株式投信約5400本のうち、わずか50本程度になるとのこと。率にすると1%弱ですね。逆にいうと99%は長期投資による資産形成には不向きだと金融庁が宣言しているようなものです。金融機関にとってはたまったものじゃありません。

 

 一般に長期の資産運用を行う場合、リターンに一番大きな影響を及ぼすものは、手数料・報酬・税金と言われています。今回の金融庁の方針を読むと手数料・報酬の低いものに限定していることがわかります。また、記事には書かれていませんが、税金が不利になる毎月分配型投信なども積み立てNISAの対象外にするといわれています。

 本当にこれが日本の役所なのかと驚くほど、投資家の立場に立った行政を行おうとしています。金融庁の本気度が伝わってきます。

今回決まった要件を既存の公募株式投信に当てはめると全体の1%以下にとどまるため、金融機関から要件緩和を求める意見も出ている。

  ただ、このとおりに決まってしまうと金融機関は、適切な手数料・報酬(=儲からない)しか手にすることができませんから、当然のように巻き返しを狙うでしょう。今後正式に発表される内容に注目しましょう。

 

 今回の件については金融庁の姿勢をおおいに評価し応援したいと思いますが、この案どおりに決まったとしてもちょっと心配になることがあります。

 投資家にとって有利な制度であればあるほど金融機関にとっては不利(儲からない)ということですから、金融機関が積み立てNISAを投資家に積極的に勧めなくなるのではないかが心配になります。また、金融庁のトップが交代すると投資家寄りから金融機関寄りへと方針が180度変わってしまう可能性があるという点も気がかりです。

 ただ、多くの金融機関が積極的に積み立てNISAを勧めなかったとしても、独自のビジネスモデル構築を求められている中、いくつかの金融機関は必ず前向きに取り組むはずです。また、それを応援する個人ブロガーも数多く存在するので、それほど心配しないでも大丈夫だと思います。

 問題は、トップが変わり方針が変わってしまうことです。残念ながら、人事異動についてはどうすることもできません。もし、トップが交代し金融庁の投資家保護の姿勢にかげりが見えた時には、個人ブロガーが連携して声を上げていくしかないのかもしれません。そのときには、私も積極的に声を上げと思います。

 今は、金融庁の本気度に期待したいと思います。