iDeCoハラスメント(イデハラ)なんかに負けるな!

 昨年末から、iDeCoに入りたいのに会社が認めてくれないという話を聞くようになりました。さらに日経にも記事が載り、世の中に「iDeCoハラスメント(略してイデハラ)」という言葉が存在することを知りました。そして、先日、イデハラが身近なところで起こりました。私の友人が会社に相談したところ、総務部長から露骨に嫌な顔をされ、さらには「そんなことをいう奴はお前だけだからあきらめろ」と社長から直接怒られたそうです。

 友人はすっかりめげてしまいあきらめたようです。でも、彼女の場合、年間276,000円まで掛け金を拠出することができるので所得税・住民税合わせて毎年約5.5万円も節税になります。また、運用益も非課税になるわけですから、このまま引き下がるのはあまりにももったいない話です。そこで交渉の余地がないのかを一緒に考えることにしました。
 
会社員が個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入するための手続きはおおよそ次のとおりです。
 
【社員の手続き】
1.利用したい運営管理機関を選ぶ
2.運営機関に資料請求をする
3.加入申出書や運用指図書を記入する
4.会社に「事業所登録申請書兼第二号加入者にかかる事業主の証明書」への押印を求める
5.給与天引きか自分の口座からの引き落としかを選択する(ここが大事!)
6.書類を送付する


【会社側の手続き】
a.利用希望者が現れた場合に事業所登録を行う
b.加入希望者ごとに「事業所登録申請書兼第二号加入者にかかる事業主の証明書」を作成する
c.(給与天引きの場合、源泉徴収実務が発生する 略)
d.年に一度「現況届」を提出する

 

 彼女に拒否された理由を尋ねましたが、なぜ会社がiDeCo加入を渋るのか理由はわからないそうです。理由がわからないと対策も練れないので、あれこれ考えてみたのですが「手続きが面倒くさい」、「余計な事務が発生して大変」、「会社にはメリットがない」、「社員が運用(投資)をすることを快くおもわない」あたりが怪しそうです。早い話が、社長と総務部長の無知と誤解が原因だろうという結論になりました。

 そこで、掛け金を給与控除にしなければ会社側にはほとんど手間がかからないことを総務部長と担当者に説明することを提案しました。あわせて社長には会社側のメリットと従業員のメリットを説明し理解してもらうことが大事なので直接話をする時間をもらうように彼女に伝えました(社員が社長に直接声をかけられる中小企業のメリットを生かす)

 資料を使って具体的な手続きを説明したところ、総務部長は給与控除にしなければ手間がほとんどかからないことを理解してくれ、社長がOKを出せば認めると理解を示したそうです。一方社長は、そもそもiDeCoのことをほとんど知らなかったので、制度の仕組みを説明し、会社に費用負担やリスクがないこと、制度を認めないと採用するさいにネックになりかねないことなどを話してもらいました。

 結局、社長は担当の税理士にも話を聞いて、会社にも社員にもメリットがあり、社長自身の節税にもなることを理解してくれたそうです。ほどなくして総務部長に手続きをするように指示を出してくれ、一件落着したそうです。 

 今回の原因はやはり社長と総務部長の「無知」が原因です。無知ゆえに面倒くさいという先入観にとらわれていたんですね。iDeCoハラスメントの被害にあった人が周囲にいるかもしれません。こんな事例があったと教えてあげてください。