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ウソではないが正しくない情報の氾濫に負けるな

 ネタのないときや予定していた記事が突然ボツになり穴が開いてしまったとき、新聞社にとって救世主となるのが企業から発表されるニュースリリースです。特に、食品会社などから出される「新商品好調」の手前味噌なリリースは、読者受けもよいのでもっともありがたい存在です。昨日も日刊工業新聞系の「ニュースイッチ」にもそんな記事が出ていました。

headlines.yahoo.co.jp

 そのままでは記事とは言えないので、サントリーにもちょろっと取材してキリンと対比させることでなんとか記事っぽい体裁を整えたようですが、まあ新聞記事としては失格レベルですね。まあ、そんな低レベルの手抜き記事について今さら嘆く気も批判する気もありません(日経新聞を筆頭に大手全国紙でも頻繁に見かけますので)。

 

 昨今、ネット上の情報の劣化には目を覆うばかりのものがあります。フェイクニュースや内容の薄い釣り見出し、キュレーションサイトにステマの氾濫と挙げればキリがありません。読んで時間を損したレベルであればよいのですが、そのまま信じて被害をこうってしまった事例も増える一方のようです。読む側が自衛しないとこれからもますます被害者が増えるでしょう。

 

 話をは戻します。先ほど紹介したニュースイッチの記事について、批判的な目で読みツッコミどころを探してみました。元のニュースリリースも併せて読むと、あるわ、あるわ。"ウソではないが正しくない"情報だらけです。目についたものを紹介しましょう。

 ・キリンが缶酎ハイで一歩リードしている証拠(データ)がない
  →他の氷結ブランドはカニバリを起し、販売数が減少しているはずだが(都合の悪い情報には)一切触れていない。

  →他社の今年の販売状況もわからない(他社のほうが出荷が増えている可能性もある)。
 ・出荷ケースを水増ししている
  →350ml缶と500缶mlしか発売していないのにこの世に存在しない250缶ml換算している。これで出荷数が実際の1.5倍以上になる!
 ・もともとの発売目標を少なく見積もり、増産するほど好調というニュースに仕立てあげようとしている
  →氷結ブランド合計で3730万ケースの目標に対して、期待の新商品の当初目標が35万ケースはあまりにも低すぎる
 ・他の氷結ブランドよりも出荷目標が少ないのに、「好調」とうたっている
  →期間限定の氷結ストロング グリーンアップルが30万ケースに対して、旅する氷結3シリーズ合計でたった70万ケース)

 他にもいくつか突っ込めそうですがキリがないので打ち止め。一つ目のデータがないという点については新聞社の取材不足、二つ目以降では企業側の姿勢の問題です。

 

 比較的まともなメーカーと新聞社の情報ですらこの程度の精度であるということを忘れてはいけません。常に自分の目で批判的に考え、事実を調べながら読みましょう。そうすれば性格は悪くなるかもしれませんが(笑)、ウソの記事や情報に振り回されることもなくなるでしょう。

 新商品好調に誘われて衝動買いするくらいなら小さな無駄遣いで済みますが、ぼったくり金融商品や劣悪なワンルームマンション投資などに手を出して大損すると一生が台無しになりかねません。明らかなウソは当然ですが、ウソではないが正しくない情報に惑わされないよう、普段からニュースや情報を斜め読みすることをお勧めします。

 

 ※ニュースイッチとキリンを取り上げましたが、この二社が特に問題だという意味ではありません。他の報道機関やメーカーも同じレベルです。