株式市場におけるバブルの見分け方 その2

 バブルが始まるともう一つわかりやすい現象が起きます。冷静さを失った投資家から合法的にお金を吸い上げようとする、なんちゃってベンチャー企業が出てくることです。

 マスコミがベンチャーブームとはやし立て、設立して間もない企業がたくさんIPO(株式公開)を始めます。また、投資ファンド(今回ならクラウドファンディングか)などを通じて投資をすれば儲かる(儲かった)という話もアチコチから聞こえるようになります。

 

 「ウォール街のランダムウォーカー」というまじめに株式投資を始めたい人にとっては必読の書籍があります。こんな事例が紹介されています。

1960年代初めにエレクトロニクス技術が発展したもとで、アメリカでは社名を「**トロニクス」と変えるだけで、多くの企業の株価が上昇したり、全く実体のない会社が「**トロニクス」と名乗って、資金調達や株式公開を行うと極めて高い株価がつくという「トロニクス・ブーム」があった。そして、まさに「歴史は繰り返す」という言葉の通り、ITバブルのもとで、アマゾン・ドット・コムに続けとばかり、ドット・コム(.com)と名付けられたインターネット企業が続々と誕生し、株式公開を果たした。そして、60年代の「トロニクス・ブーム」がわずか3年で瓦解したように、「ドット・コム」企業も同じ運命をたどったのである。

 これはアメリカの例ですが、日本でも同じです。2000年前後には、横文字のかっこいい名前(?)のベンチャー企業が「インターネット技術を活用し・・・」と耳触りは良いが中身の何もない言葉を羅列し、バラ色の事業計画を謳い、たくさん上場しました。もちろん、ヤフーや楽天、サイバーエージョンとのように大企業へと成長した会社もありますが、ライブドアをはじめ露と消えた会社もたくさんありました。

 

 今の日本では、”玉”ではない”石”だらけのIPOブームは起きていませんのでまだバブルではないと思いますが、「アメリカで”AIを使った家庭用ジューサーを開発する会社が巨額の資金を集めた」というニュースを耳にしました(確か日経ヴェリタスの記事です)。

 冷静に考えれば変だと思いませんか?ジューサーにAIなんて必要ですか?、そんなジューサーの開発に巨額の資金が必要ですか?、そんな企業に魅力を感じますか?私には理解できません。こんな話が増えてくれば、そろそろバブルが始ります。 

 10年も経てば、痛い目にあった記憶も薄れてしまうでしょう。過去を振り返れば、アメリカでバブルが始まれば、1~2年後に日本でも同じ現象が起きています。2000年前後のITバブルしかり、2006年前後の不動産バブルしかりです。バブルの歴史はきっと繰り返します。

 

 今できることは、過去のバブルとその宴の後を学ぶこと、そして日本でアメリカで、身の回りで一見魅力的なブームが起きていないか常に気を配ることではないでしょうか。