危険!その早期リタイア、ちょって待って

 自宅の近くのアジサイが色づき始めました。ここしばらく暑いくらいの好天が続いていますが、季節は着実に歩を進め、雨の季節が近づいているのですね。わき目を振らず駅へとまっしぐらだったころには何も感じることのなかった街中の風景も、実に変化に富んでいるのだということをリタイア後に知りました。

 

 今朝、ある方のブログに「仕事が嫌なら早期リタイアしよう」という記事を見つけました。少し気になったので検索してみたのですが、大量にヒットするんです。「仕事が嫌だから早期リタイア、セミリタイアしたい」という人の多さに驚きました。でも、その考え方はちょっと危険です。一度、立ち止まって冷静になってください。

 

 確かに早期リタイアを実行した人のなかに、今の仕事が好きで好きでたまらないという人はいなかったでしょう。私も仕事に嫌気がさしていたことは事実です。だから、気持ちはよくわかります。

 でも「仕事が嫌だから早期リタイアする」ことが目的になってしまっていたらちょっと心配です。それは単なる現実逃避的な行動かもしれません。目先の問題から逃れるためだけにリタイアすると、あとで後悔する可能性が高いのではないでしょうか。

 

 本来、早期リタイアやセミリタイアとは、目的ではなく自分が望むライフスタイルを実現するための手段のはずです。質素でもいいので家族との時間を最優先したい、趣味中心の生活をしたい、とことんライフワークに取り組みたいなど、人生をより充実させるための目的があってこそ、早期リタイアが成功するのです。

 

 自分でも気づかないうちに手段が目的になってしまうことは、世の中によくある話です。何もリタイアに限った話ではありません。資産形成や結婚などでも「1億円貯めること」や「30歳までに結婚すること」が目標(=ゴール)になっている人を見かけませんか。

 手段が目的化してしまうと、いざリタイアしても、何か物足りなかったり、こんなはずではなかったと新たな不満を持ったりする可能性があります。事実、せっかく早期リタイアしたはいいけれど、毎日退屈なので図書館やゲームセンターで時間を潰しているひとや再就職をした人も少なくはありません。

 

 だから、リタイアを考えている特に若い世代の方には「その早期リタイア、ちょっと待って」といいたいと思います。もし仕事が嫌なら、短絡的に考えずに「仕事を変えてみる」「退職して充電期間に充てる」「自己研さんに励む」など他の方法もよく検討してください。選択肢はリタイアだけではないと思います。

 

 いろいろな方法を検討して、早期リタイアが目的ではなく手段だと自信を持って言えるなら、しっかりと準備をしましょう。そして準備も整ったのであれば勇気を出してリタイアを選択してください。ただ、ネットで「仕事が嫌だから・・・」とか「いくら貯金したらリタイアできますか」と質問している方のほとんどは、質問内容を読む限り、まだ準備が整っていないと言わざるを得ません。冷静になってもう一度よく考えてください。

 

 もちろん、年齢を問題にしているわけではありませんし、早期リタイアを否定しているわけではありません。準備は整っているけれど、勇気が出せずに思いとどまっている人には、「大丈夫ですよ」と背中を押してあげたいと私は思ってます。