「新築は割高、中古は割安」に騙されるな

 「新築マンションには建築会社や販売会社の利益が含まれているので割高だ。中古物件には業者の利益が含まれないので割安だ」という話を耳にします。かの内藤忍氏もこの言葉が大のお気に入りのようで、ご自身のブログで頻繁に中古物件は割安だと書かれています。

 

 でもちょっと待って下さい。少し考えればわかることですが、数は少ないものの新築であっても割安な物件は存在しますし、逆に中古でもバカみたいに割高な物件もたくさんあります。その事実を無視して、プロの方や自称不動産投資家の方が「新築は割高、中古は割安」なんて言い切るのはあまりにも不誠実ではないでしょうか。

 
 確かに新築に利益が含まれていることは事実です。でも、適正な利益であれば含まれていても何ら問題はありません。むしろ、当然です。

 それよりも「中古だから割安だ」と信じ込ませて、暴利をむさぼっている不動産会社やそのおこぼれをちょうだいしている関係者(コンサル、FP、アドバイザーなど)の方がよほど悪質と言わざるを得ません。

 

 リノベーション物件を例に考えて見ましょう。今や、中古マンションを探しに行くと、おすすめの中に必ず1つか2つはリノベーション物件が含まれています。不動産会社にとっては売りやすくも受けやすい最高の物件だからです。

 たしかにチラシには「中古物件なので割安」「仲介手数料がかからない」「室内はすべてリフォーム済み」「●年間の保証付き」など魅力的な言葉が並んでいます。実際に物件を見に行くと、水回りには最新の設備が設置され、壁紙も綺麗で魅力的に感じられるかもしれません。

 

 しかし、仲介手数料がかからない=自社物件ですから、どれだけ利益が上乗せされているのかわかりません。室内がいくらきれいでもそれは見た目だけの話です。他人には絶対に見せられないスッピンを厚化粧で隠しているだけかもしれません。さらに「保証付き」といってもそれは手を入れた部分だけです。購入後、配管からの悪臭、カビだらけのダクト、壁紙の裏のカビなどに気づいても保証の範囲には入りません。

 

 通常、不動産買取会社は市場価格の20~30%引きで買いたたきます。そこに数十~100万円くらいかけてリノベーションやリフォームという名の厚化粧を施し、市場価格より少し安い価格で売り出すのです。中古のリノベーション物件に対して私はネガティブな印象を持っているのであまりお勧めはしません。

 

 リノベーション物件に限らず、中古物件は、必ず何か事情があるものです。事情があったから売りに出され、事情があって買い手がつかないから割安なのかもしれません。特にいまのように不動産投資家が鵜の目鷹の目で物件を探している時に、素人である私やあなたのところに、割安物件の情報が簡単に入ってくるはずありません。

 

 もちろん、住環境や価格、物件の質などを考慮すれば割安だと確信できるのであれば、真剣に購入を検討すればいいでしょう。でも、「今日決めていただければもう少し価格交渉できます」とか「他の方も興味を示されていますので早い者勝ちです」と営業がささやいてくるようなら、販売側にとってはお勧め物件であってもあなたにとってはお勧めできない物件である可能性が高いと思います。

 

「新築は割高、中古は割安」というセールストークに騙されないように気をつけたいものです。