リタイア後に感じる妻(夫)に対するストレスについて

 リタイアすると妻と過ごす時間が劇的に増えます。誤解を恐れずにいうと、これはお互いにとって非常に大きなストレスです。何十年続いてきた「サラリーマンと妻」という生活リズムが突然大きく狂うのですから当然と言えば当然でしょう。

  部屋にこもって趣味に没頭するとしても、毎日日中は外出するとしても、現役時代と比較すると顔を合わす時間が多くなることに間違いありません。この新しいストレスとどのように付き合っていけるかで、リタイアライフが充実するか、新たな苦行の始まりとなってしまうのかが決まります。

 

 15年ほど前でしょうか、「話を聞かない男、地図が読めない女」という本がベストセラーになりました。読んだことはなくてもタイトルは知っているよという方は多いのではないでしょうか。
 先日ブックオフの100円コーナーで文庫版を見つけたので、暇つぶしにでもなればと思い購入しました。賛否両論ある本ですが、私にとっては非常におもしろいものでした。知的好奇心を刺激するという意味でも、リタイア後に感じる妻へのストレスへの対処法や距離感を考えるという意味でも役に立ちました。

 

 すらっと読むと「脳のせいで、男はこういうものだ、女はこうだ」と古い男女論や著者の価値観を押し付けているように思えます。アマゾンで低い評価が多くのはおそらくそのためでしょう。
 でも、脳の仕組みを知り、それが行動や考え方にどのような影響があるかを知る、という目的で読めば違った感想を持つのではないでしょうか。性ホルモンが脳に与える影響の大きさには驚かされましたし、脳には大きく分けて2つのタイプ(男脳と女脳)があること、自分と異なるタイプの脳を持った人を理解するは非常に難しいということを知っただけでも私には有意義でした。

 

 この本のおかげで、私が妻に対して感じるストレスの原因をいくつか理解できました。原因がわかれば対処の方法も見つかるものです。少なくとも私のストレスはずいぶん軽減され、リタイアライフを楽しむことができています。これからリタイアする人、リタイア後の妻(夫)にストレスに感じている人は一度読んでみてはいかがでしょうか。ストレスが消えてなくなるわけではありませんが、何らかの対処法が見つかると思います。

 一例をあげます。我が家では「話を聞かない妻と話を聞いていない夫」が不満のタネでした。妻は、私に話しかけてもうんうんとうなずいているにも関わらず、全然話を聞いていないことに不満を持っていました。逆に私は、私の話を突然さえぎり、どうでもいい話をまくし立てる妻にイライラしていました。でも、「お互いそういう脳の構造になっているのだからある程度は仕方ないよね」ということで折り合うことができました。(我が家では日々の会話の90%以上はどうでもいい話ですから)

 

 早期リタイアの本やテレビ番組では、リタイア後のストレスについて紹介されることはありませんが、絶対に避けて通れない難題です。マスコミなどでは目にすることはありませんが、多くのリタイア系ブロガーたちが家族の問題について書かれているので間違いありません。

 仕事を続けようとリタイアしようと、ストレスゼロの生活はあり得ません。一番身近な家族に対するストレスを悪いストレスにしないためにも、脳やストレスに関する知識を蓄えておいて損はないと思います。