自分の器の大きさより多くのお金を貯めることはできない

 古今東西、多くの庶民は宝くじに一獲千金の夢を見ます。かつての私も夢を見ていました。

 実は、私は宝くじ億万長者になり損ねた人間です。20代の半ばのときに買った年末ジャンボ宝くじでニアミスを経験しました。忘れもしません、1等と10番違い(もちろん組も同じ)でした。1番違いだと前後賞ですが、10番違いですので何ももらえませんでした。

 ただ、もしその時に当せんしていれば人生を棒にふっていたかもしれません。負け惜しみですが、外れてよかったと思います。

 

アメリカの宝くじで大金を手にした人の10年後を追跡調査した結果がある。ほとんどの人が当選前と変わらぬ生活に戻っていた…。

 

 プレジデントにこんな記事を見つけました。また、別のサイトでは「5年以内に約半分の人が当選金を使い切っていた」と書かれていました。

 この2つの記事の元資料や出典を確認できませんでしたが、おそらく事実だと思います。思わぬ大金を手にし、つい気が大きくなって散財してしまったり、口を滑ら口外してしまったために家族・友人・知人からたかられる、見知らぬ人や団体が寄付を求めて押し寄せる、という不幸に見舞われ、泡沫(うたかた)の夢のように消えてしまったのでしょう。

 

 日本でも、宝くじの高額当選者には『【その日】から読む本 突然の幸福に戸惑わないために』という冊子が配布されるようです。ウィキペディアによると

 宝くじの当せん金の最高金額が億単位へと高額化したことや、当せん者数が増加したことに伴い、突如にして「億万長者」となってしまう人が増えていった。しかしその半面で、その高額な当せん金を浪費して破産したり、詐欺に遭ったり、財産トラブルに巻き込まれたりと、逆に不幸になってしまう当せん者も増えていった。そのため、このような悲劇を防ぐことに加え、高額当せん者ならではの悩みに対応するため、心の持ち方や当せん金の使い道などについて説明する「ハンドブック」が求められるようになった。


とのこと。日本でも海外でも、宝くじが当たったら幸せになれる、お金の心配から解放されるというのは幻想なのでしょう。

 

 ところで、悲劇はなぜ起こるのでしょうか?大金を受け取る準備ができていない人のもとに宝くじという幸運が訪れると、結局不幸になるのではないかと私は思います。タイトルにあるとおり、自分の器を超えてしまったお金はすべて器からこぼれてあっという間に消え去ってしまう運命なのでしょう。

 この器とは、決して頭の良さや地位、学歴と言ったものではありません。お金の本質を知り、収入と支出・資産と負債の関係を理解し、お金が原因で発生する不安などの感情をコントロールする能力のことです。

 おそらく日本人の99%はそんな能力を持ち合わせていないでしょうね。学校でも家庭でも社会でも、誰も教えてくれません。高度成長時代ならそれでも何とかなったかもしれませんが、停滞の30年を経験した今はもう時代が違います。たとえ白い目で見られようと、偏見の目にさらされようと、自らのお金の器を時間をかけて育てるべきではないでしょうか。

 

 当時の私が1億円を手にしていたらきっと人生を間違っていたと思います。でも、今なら1億どころか(100億円はまだ無理ですが)10億でも心を惑わされる心配はないと自信を持って言うことができます。あとはそのお金が手元に届くことをただ待つのみです。問題は、準備はできても必ずしも幸運がやってくるわけではないことです。