会社は個人株主を甘やかしてはいけない

 ここ数日、郵便受けに毎日のように株主総会の案内が届きます。今年も10社ほど届きました。株主総会の日程がほぼ出そろいましたので、今日はこれから株主総会ツアーの計画を立てます。今年も1週間ほどかけて東京、名古屋、大阪の3都市をめぐることになりそうです。

 

 さて、この時期になると気になることがあります。それは株式総会のお土産の話です。数年前までは、個人株主の方が総会のレポートをアップするついでにもらったお土産を紹介しているというブログが多かったと思います。でも、ここ2年くらいはお土産を目的に総会に参加する本末転倒な個人株主のブログが目につくようになってきました。

 

 何も「お土産を楽しみに株主総会に参加するなんてけしからん」などと偉そうなことを言うつもりはありません。でも、土産だけ受け取って総会には出席せず、その足で他社の総会に移動しまた土産だけ受け取って移動・・・一日で数社をハシゴしたなんてことを平気でブログに書く個人投資家にはあまり良い感情を持ちません。株主用の非売品のアイテムを手に入れネットで売り飛ばそうとする輩まであらわれているそうです。こんな連中のために、何百万円もかけて広い会場を借り、何百万円もかけてお土産を用意しているということに会社はもっと問題意識をもってもらいたいものです。

 

 昨年、あるメーカーが株主総会のお土産の配布を中止すると発表したところ、出席者が前年の4000人から1000人弱に激減したという記事を読みました。単純に考えれば、1,000円程度のお土産目当ての投資家が3,000人近くいたことになります。

 お土産を中止した会社は、ネットで「ケチ」などと批判されることが多いようですが、こんな迷惑な株主を排除するためにお土産を中止する会社は称賛されるべきと私は思います。ここまで弊害が目立ってくると、お土産なんてもう止めた方がお互いのためなんじゃないかと思えるからです。

 

 こんな迷惑な株主が増える一方で、経営者の話を聴くために、休みを取り遠方から総会に駆けつける個人投資家も存在します(少しずつ増えています)。そういう方は、総会でも非常にいい質問をされます。会社にはこうゆう真の個人株主がもっと増えるように努力を続けてほしいのです。

 株主優待や総会の土産を廃止すれば物品だけが目当ての株主を減らすことは簡単にできるでしょう。一方で会社と経営者に魅力を感じて総会に出席してくれる個人株主を増やすことは並大抵の努力ではできません(日本の大企業のサラリーマン社長にはほとんど無理でしょう)。だからこそ、物品で株主を釣るようなことをして個人投資家を甘やかすのではなく、自らも厳しく律して魅力ある経営者になる努力を続ける会社が増えてほしいのです。

 

 魅力ある経営者が、自らの言葉で会社の将来を熱く語る姿には感動を覚えるものです。私も株主総会や投資家説明会で体が震えるような感動を味わったことが何度かあります。このような経験をした投資家は、お土産のあるなしに関係なく、日本中から万難を排し総会に駆けつけるのです。

 アメリカに良いお手本があるではないですか。ウォーレンバフェットの話を聞くために、世界中から個人投資家が総会に集まりますよね。日本にも、そんな魅力的な経営者と魅力的な個人株主が集まるビジョナリーカンパニーが増えてほしいと、心から思います。