号砲鳴る。あなたは仮想通貨バブルに乗りますか

 いよいよ、仮想通貨が身近なものになってきたようです。ただし、悪い意味で。一部では、投資に縁のなさそうな人や仮想通貨の仕組を知らない人まで「乗らなきゃ損」みたいな感じになりつつあるようです。ついにマスコミまで仮想通貨バブルに警鐘を鳴らし始めました。

 

 日経新聞「ビットコイン、危うい急騰 日本の個人マネー流入 投資尺度なく価格乱高下」
 産経新聞「ビットコイン価格乱高下 日本での取引量50%まで増加 バブル懸念も」
 アゴラ  「ビットコイン、チューリップ・バブルを彷彿」

 

 これらを読むと、懐かしいあのバブル時代の匂いがぷんぷんと漂ってきます。もう完全にバブルがはじまったといっていいでしょう。1か月で何倍にもなったかと思うと1日で20%も暴落するなど、いかにもバブルという値動きです。

 「新しいテクノロジー」やら「財政破たんに備えて資産を退避」やら「3か月で億万長者になったやら」意識高い系の心をくすぐる話もてんこ盛りです。ビットコインだけでなく、仮想通貨全体が本格的なバブルの真っただ中のようです。

 

 今までは、意識高い系の人たちや一攫千金を狙う肉食系投機家たちと一部の中国人だけが集うちょっと危険なカジノ場のような感じでした。冷静な判断ができる一般の人々は「ちょっと危ないかも」といって近づくことはなかったでしょう。
 でも、ここにきて「友達から勧められたから」、「知人が大儲けしたらしい」という話を身近に聞くようになり、心理的なハードルが下がってきているようで、とても心配しています。完全にいつか来た(しかも何度も来た)道です。

 

 今、仮想通貨への投資に殺到している人の中には、社会経験の少ない若者や、金融・法律のリテラシーの低い人も大勢存在するはずです。そんな人をおびき寄せるために連日怪しげなセミナーが開催され、ネットでは釣り広告や釣りブログが氾濫しています。

 更には、嗅覚鋭い関連業界(悪徳セミナー、情報商材系、詐欺系)の方々も、黙ってはいません。飴玉に群がるアリさんのごとく大挙して集まってきてきます。しばらくは、損した、得した、騙されたと各地で"祭り"が繰り広げられることでしょう。

 

 そもそも仮想通貨には株式や通貨のような理論価格はありませんし、価値を担保する裏付けもありません。つまり需要と供給だけで価格が決まってしまうということです。そういう意味では完全な投機対象です。"希少性"と"買うから値上がりする"という神話が続く限り、儲かるのかもしれませんが、神話は永遠には続きません。

 

 「大丈夫、バブルが崩壊する前に逃げる自信がある」という人も多いでしょうが、バブルがいつはじけるのかは誰にもわかりません。今の価格からさらに100倍に値上がりしてもおかしくはありません。神話を信じる人が多ければ多いほど値上がりしますから。でも、逆に1か月後に1/10になっていても不思議ではありません。バブルとはそういうものです。

 また、バブルの会場の出口は思っているよりもはるかに狭いことも忘れてはいけません。狭い出口にパニックに陥った人々が殺到した時には必ず大惨事が起きます。これは歴史上幾度となく現れたバブルとその崩壊の歴史から明らかです。

 

 でも、一度くらいバブルという祭りに参加して一獲千金を夢見たいという人もいるでしょう。私も若気の至りでITバブルの時にやらかしましたからその気持ちよくわかります。でも、私は今から本格的に仮想通貨に投資することをお勧めできません。それでも「興味がある」、「一度バブルを経験してみたい」という人はどうぞご自由に。でも、社会勉強の授業料として許せる範囲で。