不労所得に対する誤解と偏見

 

 労働の対価として得られる「労働所得」に対して、労働をしないで手に入れた所得のことを「不労所得」と呼ぶことがあります。一般的には利息や配当、不動産所得などを指すことが多いようです。

 いい年をしたオトナが、労働所得を得ずに不労所得で生計を立てていると「若いのに働きもしないで・・・」と白眼視されたり、「親から遺産が入ったらしい」などと変な噂をされることさえあります。どうやら「不労所得」という言葉に偏見を持っている人が多いようです。

 根底には「汗水たらして働くことこそ美徳で、楽して収入を得るなんてけしからん」という価値観があるのかもしれませんし、苦労せず所得を得ている(ようにみえる)ことに対する嫉妬心があるのかもしれません。

 

 確かに、相続や宝くじで手に入れた所得は、何の努力もせずに得られるという意味で不労所得と言っても問題はないでしょう。

 では生命保険や社会保障(失業手当、生活保護公的年金など)は不労所得といえるでしょうか。おそらく不労所得と呼ぶ人は少数派でしょう。私も不労所得だとは思いません。でも、労働に対する報酬でもなく、これらを得るために努力をすることもないという点では変わりはありません。

 では、利息や配当はどうでしょう。私は不労所得だとは思いません。自分の努力で元金を貯め、それを元手に株式や不動産に投資し、その果実として利息や配当を得たのであればこれは立派な経済活動であり、知的労働の成果だと思うからです。でも、多くの人は不労所得だといいます。

 

 こういったさまざまな所得をひとくくりにして「不労所得を得るのはけしからん」「不労所得にはもっと税金をかけろ」などと言う人が少なくないことが残念でなりません。(ろくに質疑もできずに対案を示さず反対のための反対しかできない国会議員の報酬の方がよほど不労所得なのではないでしょうか)

 働いているか、働いていないかという観点ではなく、意味ある経済活動を伴っているか、いないかで不労所得を判断してほしいものです。

 

 不労所得に対して偏見を持っている人がいる一方で、不労所得に対して過剰に関心を示す人(特に若い人)も多いようです。便乗して、関心を持っている人をあおり、不動産を買わせて飯のタネにしている人々(不動産業界、金融業界、コンサルタントなど)もあいかわらず街にあふれています。

 先週の週刊ダイヤモンドでは、そんな業界の闇の部分についてスポットを当て実名を挙げて問題点を指摘しています。初歩的な内容ですがかなり思い切ったことが書かれていますので、不動産投資に興味を持った人にとっては必読です。不動産投資が何の苦労もなくチャリンチャリンとお金が入ってくると誤解している人はぜひ隅々まで読んでほしいと思います。(とくに何もわかっていない内藤忍氏には声を出して100回くらい読んでほしいものです)

 

 会社の後輩がセミナーで感化されて不動産投資を始めようとしていたので、ダイヤモンドの特集を読ませました。目が覚めたのか、もっと勉強してからゼロから検討しますと言ってくれました。みなさんの周りにも不動産投資を始めて要としている人がいたらそんな甘いものではないということを教えてあげてください。

 

 最後に、まじめに株式や不動産投資を行い生計を立てている人々が、必ず口にする言葉を書いておきたいと思います。

「投資から得られる所得は不労所得ではない。苦労所得である」