リタイア後の生活資金は現役時代の7割?

 お盆休みの最中、訪問いただきありがとうございます。西日本は猛暑、東日本は不安定な天気と今年の夏も変な天候が続きますね。夏の疲れが出始めるころですが、みなさま体調はおかわりありませんでしょうか。

 

 さて本題です。老後不安をあおる情報が氾濫する中、リタイア後の資金計画に関する記事を見かける機会が多くなりました。それだけみなさんの関心が高いということでしょう。

 10年先、20年先を見据えて今から準備することはよいことだと思いますが、最近見かける記事には「?」というものが多いので注意が必要です。

 

 例えば「リタイア後の生活資金は現役時代の7割に抑えましょう」というアドバイスファイナンシャルプランナーの方の記事に多いのですが、リタイア後の資金計画をシミュレーションする時にはなぜだか「現役時代の7割」が前提になっています。 

 でも、私は違和感を感じます。収入が激減する中、現役時代と同じだけ支出していれば、最悪の場合老後破綻に陥りかねないというところまでは納得でするのですが、ではなぜ「現役時代の7割」なのかについて説得力のある説明がないのです。

 

 本来であれば、今後の収入の有無、リタイア後に実現したいライフプラン、持ち家の有無等々多くの条件を明確にしたうえで、シミュレーションをしたうえで許容できる支出水準を求めるべきだと思うのですが、なぜだかみんな最初から現役時代の7割ありきになっています。 

 

 私に言わせれば、これはプロとして失格レベルと言わざるを得ません。例えれば「婚約指輪は給料の三か月分」(懐かしいコピーですね。わかる方は私と同世代です)と同じくらい根拠がないものです。

 7割に抑えてもリタイア後の生活が破綻する人も少なくないでしょうし、今まで以上に支出してもまったく問題ない人も少数でしょうが間違いなく存在します。

 そんな根拠のない数字を何も疑わずに信じてしまうと、そこで思考停止の罠にはまり、あとで「こんなはずでは・・・」と後悔するになりかねません。

 

 リタイア後の支出をどの水準にすべきかよりも前に、今の支出内容を理解し、適正な水準に落ち着けることと、リタイア後にどのようなライフスタイルを実現したいかを家族みんなで話し合うことの方がはるかに重要でしょう。

 「現役時代の7割」に縛られて、リタイアした後、趣味に回すお金も友人と交流するお金もないので自宅に引きこもるなんてことになったら、それは不幸以外何物でもありません。

 現役時代からメリハリのある支出、本当の意味でのコスパの良い支出を心がけておけば「現役時代の7割」という根拠のない常識に惑わされることもなくなるでしょう。

 私の場合、リタイアを意識し始めたときから支出を見直しかなりメリハリをつけてきましたので、リタイア後も現役時代とほぼ同じ水準の支出ができるようになりました。

 

 こういった根拠のない数字はあまり役立つことはありませんが、一つだけ役に立つことがあります。こういった一見説得力のある数字を無条件に使用したがる営業やFPはあなたの本当のパートナーにはなりえないということです。

 世の中には多くの正しくない数字が独り歩きをしています。目安の一つとして参考にするくらいならいいですが、くれぐれも真に受けないようにしたいものです。