会計のイロハを知らない人ほど上から目線

 知らないだけなら自己責任ですので大騒ぎする必要はありません。でも、企業や個人へ影響を及ぼすような権力を持っている政治家やマスコミ、自称専門家などが会計に無知であることは大きな問題です。

 「企業が内部留保をため込んでけしからん」的な主張をする人は貸借対照表の見方を知らない素人さんです。大手新聞社や学者、三流政治家が一般受けを狙って、このような簿記4級(今は初級っていうんですかね)レベルの知識さら持たず、上から目線で間違った主張をしていることは許せません。

 

 そもそも、会計の世界に内部留保という言葉は存在しません。意味合いとしては売上から株主以外のステークホルダーへの支払(仕入、賃料、人件費などの諸費用、税金、配当など)をしたあとに残った利益ということですから、これは株主に帰属するものです。(だから貸借対照表上「負債」ではなく「株主資本の部」に載っている)

 

 株主のものですから、本来は配当や自社株買いで還元すべきものですが、還元するよりも将来の成長に向けて使った方が株主のためになるから、還元せずに"内部留保"しているわけです。

 この"内部留保"は、負債と異なり返済期限がないため、長期的な視点から成長に必要な投資(M&A、設備投資、研究開発費)に充てるのが本来の姿です。ところが、投資を行わずに現預金のままため込んでいる企業が多いので、それが問題なのです。したがって内部留保が増えていることが問題ではなく、その内部留保を現預金(もしくは国債などの有価証券)のまま死蔵していることが問題なのです。

 簿記のイロハを知っていれば理解できるはずですが、朝日新聞をはじめとするマスコミやお抱えの学者や自称専門家はそのことを知らないのか、まったく指摘していません。困ったものです。

 

 では、内部留保を現預金としてため込んで、何もしていない守銭奴のような企業はどうすればいいのでしょうか。答えは簡単です。株主が権利を行使し、無能な経営者の首をすげ替えればいいのです。

 ところが株主が残念なことに、会社が提案した取締役に反対票を投じたり、株主が推薦する取締役を送り込もうとすると、マスコミやマスコミお抱えの人々は「強欲なハゲタカ株主はけしからん」とか「拝金主義のアメリカ的資本主義は反対だ」とかいい始めます。この人たち、本当にどうすればいいんでしょうか。

 

 ところで、朝日新聞社内部留保が3000億円ほどで、そのうち2800億円ほどが現預金や有価証券などとして保有されているそうです。内部留保がけしからんというのであれば、朝日新聞社の決算書はそのけしからん企業の代表なのです(民進党顔負けの大ブーメランですね)が、この辺りについて朝日新聞の経営陣や記事を書かれた方はどのようにお考えなのでしょう。一度見解をお聞かせいただきたいものです。

 

  繰り返しになりますが、問題は内部留保の大半を当分使用する見込みもないのに現預金や国債などの有価証券にため込んでいる企業です。内部留保406兆円が多い少ないではなく、個別の企業の内、朝日新聞社のように現預金にため込んでいる会社が問題す。

 それから、マスコミや学者、専門家などお金にまつわるあれこれを上から目線で偉そうにいっている人の多くが会計のイロハも知らないど素人だということだけは忘れないでください。