「暴落」との付き合い方で将来が決まる

 一日で日経平均株価が2%も下がればマスコミは「暴落」と大騒ぎします。一週間で5~10%下がろうものなら、もう立派な「大暴落」です。きっとテレビでは動揺する個人投資家のインタビューを交えながら不安を煽るようなニュースを垂れ流すでしょう。

 でも、この暴落騒動に振り回されていてはいつまでたっても資産運用でよい成績を上げることはできません。それどころか、「底値で売って高値で買う」というもっとも避けなければいけない罠にハマることになるでしょう。

 

 投資をするのであれば、必ず「暴落」に遭遇します。投資の対象が株式であれ不動産であれ為替であれ、みな同じです。「暴落」との付き合い方次第で、将来が決まるといっても過言ではありません。

 世の中で騒ぐ「暴落」には、良い暴落と悪い暴落があると思います。多くの場合、前者は絶好のチャンス、後者は投資家のレベルが試される厳しい試験です。

 よい暴落とは、根拠なく上がりすぎたものが、本来の価格(価値)に戻るときに起こります。この場合、上がりすぎていればいるほど、反動で大きく下げてしまうため、一時的(とてっても、ときに数年)には本来の価格よりも安い水準まで下がってしまいます。

 トヨタの車が期間限定20%オフなら飛ぶように売れるでしょう。でも不思議なことにトヨタの株が急に20%下がるとバーゲン価格なのになぜか売ってしまう人が多いのです。

 

 悪い暴落とは、何らかの理由で始まった金融市場の混乱が、次々と他の金融市場や他国に伝播していき、国や大手金融機関ですら資金繰りに窮するような状況に陥ることです。

 このような状況では、プロも素人もみな恐怖におびえパニックに陥り、理屈も何も関係なく全員が一斉にあらゆる資産を売りに走ります。底なし沼のように下がっていくので下手に「20%も下がったからもうそろそろ底値だろう」と迂闊に手を出すと大ケガをしまいます。「落ちてくるナイフを素手でつかむ」と言われる状況です。

 私が経験した悪い暴落は、2回です。1度目は1997年のアジア通貨危機~1998年のロシア危機、2度目は2008~2009年のリーマンショックです。いずれの場合も株価や不動産価格が大きく下落しただけでなく、国や世界的な金融機関が破綻してしまいました。こうなると金融市場の流動性が一瞬にして枯渇しまい、本来潰れるはずのない会社が突然黒字倒産するなど予期しない出来事が起こりました。

 

 良い暴落であれば、目をつけていた会社の株が割安で買えますので大きなチャンスです。悪い暴落であれば、売り急ぐよりは数年の間持ち続ける覚悟で様子を見る方が良いと思います。

  投資を続ければ暴落を避けることはできません。正しい付き合い方を知っているか、知らないかで10年後、20年後の運用成績に大きな影響が出てくるのです。

 

 いずれにせよ、暴落が起きても潰れないようなしっかりした会社を選び、持っている資産がすべて半額になっても当面の生活に支障が出ない範囲のお金で投資をすることがなにより大切です。

 

※巷で「暴落」といわれるものの大半は本当の暴落ではありません。たんなる価格調整です。本物の暴落は、上で書いたような悪い暴落だけです。マスコミに煽られないように気をつけてください。