ブラックマンデーから30年!

 早いものであのブラックマンデーから30年が経過しました。一日でダウ平均株価が22%、日経平均ですら15%近くも下落したのですから、金融市場に残る大暴落と言ってよいでしょう。当時私はまだ大学生でしたし、株式投資を始める前でしたので細かなことは覚えていません。

 でも、大学で経済学部の教授や学生がざわついていたこと、朝から晩までニュースで大騒ぎしていたこと、新聞の株式欄が値下がりを示す「▼」や取引が成立しなかったことを示す「-」で埋め尽くされていたことはよく覚えています。 

 

 最近の世界各国の経済や株価が好調なこと、昨晩もダウ平均株価が好調だったこともあり、一部の経済系のメディアを除くと、ブラックマンデーのことを話題にしているところはあまりなかったように思います。

 

 ただ、私には気になることがあります。当時と現在の市場環境には共通点があるように思えるのです。特に気になるのは根拠の薄い楽観主義の蔓延です。
 世界的に金利が低い、十分な流動性がある、世界が同時に好況期に入った、企業業績が好調である、フィンテックやAIなど新たなテクノロジーが新たな産業革命を起こすなど耳触りの良い言葉であふれかえっています。
 でも良い側面の裏には必ず悪い一面が存在します。日本を除く主要国は金利が上がり始めましたし、十分な流動性とは過剰流動性に他なりません。世界が同時に好況期に入ったということはピークを過ぎ不況に入る時期が重なる可能性もあります。新たなテクノロジーは革命を起こすかもしれませんが、短期的には構造転換に伴う失業者の発生や過剰な設備投資など副作用も大きなものです。
 これら不都合な真実をすべて見なかったこと、聞かなかったことにして儲かる間に儲けてしまえという姿勢に危うさを感じずにはいられません。

 

 さらには、新しい金融技術に基づくプログラム売買、米国を中心とする主要国間の不協和音、各国の財政・経常収支の不均衡拡大などです。さらに、現在はブレグジット問題や北朝鮮の動向など世界経済に大きな影響を与えかねない懸案事項がいくつも見られます。ほんとうに強気一辺倒のままでいいのでしょうか?

 

 私の場合、すでにリタイアしていますので致命的な失敗は避けなければなりません。基本的には資産の大半を株式で運用することにしていますが、この半月で株式の比率を20%ほど引き下げました(といってもまだ50%以上が株式ですが)。みなさんも今取っているリスクが妥当かどうか一度考える時期だと思います。過剰なリスクを取っている方はリスクを下げ、リスクが低すぎる方、まったくリスクを取っていない方はほんの少しリスクを取り始める時期ではないかと思います。

 

 何も必要以上に恐れる必要はありません。ブラックマンデーで一夜にして20%下落したダウ平均株価もその後30年を経て10倍の2万ドル越えとなりました。暴落にあわててすべてを売却しあつものに懲りてしまった人はその恩恵にあずかれませんでした。暴落を耐え忍んだ人や暴落時にリスクを取って購入した人は大きな恩恵を受けました。

 ブラックマンデーの教訓は、「全員が楽観的な時にこそ、暴落のタネが芽生える」、「暴落時に狼狽売りするような過剰なリスクを取るな」、「時間は最大の味方だ」というではないかと私は思います。

 

 ※株式について書きましたが、債券市場にも不動産市場にも当てはまると思います