売るべきか、売らざるべきか―リバランス考―

 選挙が終わりました。事前の予測どおり、野党が自滅したおかげで自民党が圧勝しました。今回の選挙のプロセス、結果、投票者の行動いずれに対してもいろいろと思うところがあります。個人的には超長期的な日本への希望は薄れ、いっそう悲観的になりました。

 そんな私の悲観論などどこ吹く風の株式市場では、選挙結果は材料出尽くしというよりは好条件と受け止められ、円安株高で始まり、15日連続上昇となりました。

 

 ただ、好調なら好調で心配になるのが投資家心理というものではないでしょうか。選挙結果を受けた市場関係者の予想がいっそう楽観論に傾いているのは非常に気になるところです。「好事魔多し」という言葉もありますので、いまから多額の資金を追加投入することは避けた方がいいと思います。(もちろん、コツコツ投資は継続すべきですし、iDeCoやNISAで投資デビューを考えている方も無理のない範囲で最初の一歩を踏み出した方が良いでしょう)

 

 先日、私は株式を売却したと書きましたが、これはリスク許容度を超えてきたので比率を下げたという意味です。割高だから売り逃げるとか、儲かったから利食いするということではありません。久しぶりの資産の配分を見直し、リバランスしたという風に理解していただければと思います。

 

 前置きが長くなりましたが、リバランス(資産配分の見直し)について触れてみたいと思います。資産運用や投資に関するまともな本であれば「定期的なリバランスが必要である」と書かれています。リスクを一定に抑えて、リターンを最大化するためです。

 ところで、次のような場合、みなさんはどのようにリバランスするでしょうか。(※税金、手数料等は無視してください)

投資を始めたとき資産が1000万円あり、現金と株式を500万円ずつ保有することにしました。5年が経過し、株価が2倍(現金500万円、株式1000万円の計1500万円)になっていたらどのようにリバランスしますか? 

 教科書的には「当初の比率になるように現金750万円、株式750万円とする」が正解になります。でも、「資産も増えたし自分にとってのリスク許容度も高くなったので今のまま(現金500万円、株式1000万円)でよい」という考えも、逆に「資産が増えてもリスク許容度は変わらないので現金1000万円、株式500万円にする」という考えも私は正解だと思います。場合によっては「これを機に株式投資をやめて現金1500万円にする」という考えも成果になりうるでしょう。

 

 大事なことは「ずいぶん値上がりして儲かったから売る」とか「そろそろ下がりそうだから売る」といった相場予測を理由に資産の配分を変えてはいけないということです。あくまで、自分のリスク許容度と照らし合わせて株式の比率が妥当かどうかという視点で考えることが重要です。

 

 これだけ株価が上昇を続け専門家が強気になると、目先の株価の動きばかりが気になって冷静さを失い、つい欲を出して買いすぎてしまう人や、逆に怖くなって売りすぎる人が多くなります。

 ここはいったん冷静になって、そもそも何のために株式投資をしているのか、投資の方針と照らし合わせて今の株式の保有比率は妥当なのかをじっくりと考えたうえで行動した方が良いと思います。

 少し大げさですが、ここからしばらくは長期投資家としての覚悟を問われる場面かもしれませんね。