個別株投資では避けることのできない「もらい事故」

 昨日、広島高裁が伊方原発の運転差し止めを決定したそうです。それを受けて株式市場では四国電力株が大きく値を下げました。1500円前後だった株価が現在1300円前後ですので、投資家が動揺している様子がうかがえます。

 個別株に投資していると、予想外のニュースにより所有している株が暴落することは避けられません。

 このように悪いニュースが速報されると短期売買の投機家が猛烈に売り始めます。止まることなく下がっていく株価を見て不安になった投資家がそれに追随して売り始めると、売りが売りを呼ぶ状況に陥り、株価が暴落していきます。


 このときに冷静になれるかどうかで、個別株に向いているかどうかがわかります。不安になって条件反射的に売ってしまう人は残念ながら個別株投資には不向きです。

 こういうもらい事故に遭遇すると、不安を解消するために一刻も早く売ってしまいたいと思うものですが、それではなかなか成功できません。何が起こっているのかを理解して冷静に判断したうえで行動を決断するべきです。

 

 もちろん、今回の決定により長期にわたって原発が止まり、火力発電の比率が上昇することにより業績が悪化し、会社が存亡の危機に立たされると確信した人は即刻売却すべきです。

 でも、冷静に考えれば火力発電によるコストアップはいずれ電力料に転嫁されます。記事をよく読めば運転差し止めの期間は18年9月末までですし、係争中の訴訟が同じ広島地裁で行われており異なる判断をする可能性があると書かれています。また、今回の仮処分を受けて国が原子力発電の方向性を変更したわけでもありません。すぐに危機的状況になるとは思えません。

 さらに記事を確認すると、1万年に1回程度の破局的噴火のリスクを評価するために9万年前に起きた過去最大と言われる破局的噴火の被害を想定したようです。ここで大きな疑問が生じます。稼働期間が数十年の原発のリスクを評価するためにそこまで想定することが果たして合理的なのでしょうか。
 そもそも次の破局的噴火が数十年以内に発生する状況ではありません。それでもリスクがゼロでない限り想定しろというのであれば、日本中いや世界中で原子力発電を行うことができなくなります。なぜならミサイル攻撃やテロによる襲撃、隕石の落下などはるかに確率の高いリスクがたくさん存在するからです。今回の決定はバランスを欠くように思えます。

 

 今回はあくまで仮処分であり、裁判所におけるプロセスも簡易なものです。17年3月の広島地裁では「最大規模の噴火が原発の運転期間中に起きる可能性が、相応の根拠を基に示されない限り、安全性を欠くことにはならない」として伊方原発の運転を認めているわけですから、係争中の裁判で仮処分とは異なる判決が出る可能性も十分に考えられます。

 

 こういった情報をすべて理解したうえで「売る」「判決まで様子を見る」「買う」の判断を行うことが、個別株投資をするにあたって重要なことだと思います。

 

 個別株を続けていると年に何度かこのようなもらい事故に遭遇します。でもそれを嘆いても始まりません。何度も経験していくうちに、自分なりの判断基準ができ、失敗や判断ミスが減っていきますので良い経験と前向きにとらえましょう。それが無理ならやはり個別株投資は避けたほうが無難でしょう。

 

※この記事は四国電力株の売買について推奨するものではありません

原発については投資とは別の視点で考えるべきものですので、この記事では是非には触れません。