投資不動産市場は「いつか来た道」を歩み始めた

 遅くなりましだか、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 

 昨年の株式市場は極めて好調な一年となりましたが、今年もその勢いを維持したままスタートしました。今年も幸先の良いスタートを切り投資家のみなさんも恵比須顔で正月休みをお過ごしになったことでしょう。ご同慶の至りです。

 

 年末から年始にかけての専門家の相場予想は昨年以上に楽観的になっているようです。でも、みなさんお忘れですか?一年前にリスクとして認識されていた問題の多くは何一つ改善していません。トランプリスク然り、北朝鮮問題然り、ブレグジット然り、中国の債務問題然りです。

 世界中の投資家が、不都合なことは見なかったことにして、行けるところまで行ってみよう、あとは野となれ山となれという心理になっているのではないかと個人的には心配をしています。

 

 そんな中、昨日の日経にこんな記事が出ていました。
  一年ほど前から不動産投資歴の長いベテランのみなさんが口々に「不動産価格はそろそろピークだ」とおっしゃっていました。それでも都心のマンションなども価格は下がらず高原状態が続き、札仙広福などの地方中核都市ではまだ価格が上昇を続けています。

 海外マネーが相場を支えているのが一因のようです。

海外投資家が日本での不動産購入を加速している。2017年の海外勢の取得額は1兆1000億円と前年の約3倍に増え、3年ぶりに最高を更新した。投資マネーの流入で世界主要都市で不動産価格が上昇する中、日本は借入金利を勘案した不動産の投資利回りが相対的に高いためだ。 

 ただこの記事の中には非常に気になることが書かれています。

 投資利回りが低くても購入資金を調達する際の借入金利がさらに低ければ収益は得られる。JLLによると、東京の高級オフィスビルの投資利回りから長期金利を引いた利回り差は2.8%。2%台前半のロンドン、1%台のニューヨークや香港に比べて大きい。

 ここでいう投資利回りとは収入÷取得価格であり、いわゆる表面利回りのようです。ここから経費や償却費などを引けば1%にもならないはずですので、投資の常識から考えると「リスクの割にリターンが低すぎる」という結論になります。

 こんな状態でもロンドンやニューヨーク、香港よりも利回りが高いという理由だけで買い進むというのですから、私には常軌を逸した行動にしか思えません。常識的には、世界的な金融緩和のおかげで東京が割高で、ロンドンなどが超割高なだけだと思うのですが・・・

 

 実は「他の都市よりも利回りが良いからまだ買える」という話は10年ほど前にもずいぶん耳にしました。時はまさにリーマンショック前夜でした。そのあと何が起きたかはみなさんご存じのとおりです。

 

 もちろん、前回と同じ悲劇が繰り返されるとは思いませんが、前回同様行き過ぎた状態にあるということだけは間違いありません。

 行き過ぎはいつか必ず是正されます。そして不動産市場の混乱は金融市場にも波及することは確実です。

 

 今年の不動産市場・金融市場がどうなるかは誰にもわかりません。でも昨年よりははるかに波乱に満ちた展開になることだけは間違いないでしょう。覚悟を決めて、より慎重に行動することをお勧めしたいと思います。

 

 波乱の一年をみんなで乗り越えていきましょう。