【続】コモンズ投信のファンドマネージャー交代について

 先日もブログに書いたとおり、独立系投信の一つであるコモンズ投信から突然ファンドマネージャー(以下、FM)の交代が発表されました。

 10年、20年かけてコツコツと積立投資を続けることで資産を形成しましょうと提唱している会社が、たった四年で突然FMの首をすげ替えたので、ファンド保有者の一部の方から困惑と不満の声が上がっていました。

 

 ちょうど四半期に一度の運用報告会が開催される時期でしたので、報告会に出席した友人にお願いして録音した音声データを聞かせていただきました。

 

最初に前FMの糸島氏から簡単な報告と退任のあいさつがあり、その後現FMの伊井氏(コモンズ投信社長)から交代の理由、交代に至るまでの経緯、今後の運営方針について説明があり、その後質疑応答という流れで進みました。

 伊井社長の説明によると、交代の理由は運用成績不振ではなく、受益口数の継続的な減少とのこと。当初2年は順調に増えていたものの直近2年は継続的に減少し、ピークから3割も減少していたそうです。積立投資を推奨する立場として2年に及ぶ減少(=顧客流出)は看過できないということでした。
 ここ1年ほどは会社としてもてこ入れを行ってきたものの改善の兆しは見えず、糸島氏に対しても運用スタイルの変更などを提案し協議を続けたものの、現状のまま続けたいという糸島氏と会社側で意見は平行線をたどったようです。

 いつまでも結論を先延ばしすることはできないため、最終的に経営として機関決定(取締役会決議)を行うことになったそうです。また、決定の当たっては社外(ファンド所有者、ファンド売却者の声)も参考にしたという話もありました。

 

 運用説明会には糸島氏のファンと思われる方が多く出席していることもあり、会社の決定に対する反発や感情的な発言もあり、一部荒れる株主総会的な雰囲気もありましたが、最終的には納得するというか諦めるという感じで質疑が終了しました。

 出席者の大半は納得いかない様子でしたが、全体的みれば、会社側は答えられる範囲で精一杯回答しようとしていましたし、賛否は別にして交代に至ったプロセスと理由にも一定の説明責任を果たしたと私は感じました。


 ただ、コモンズ投信のファンドの評価基準が「受益口数」なのか「運用成績(パフォーマンス)」なのか、それとも他の何かなのかは説明はありませんでしたし、自社のもう一つのファンドは受益口数を増やしているのか、新たなFMになぜ伊井社長が就くのかについては十分な説明はありませんでした。質問がなくてももう少し詳しく答える必要があったかもしれません。また、不満を覚えた投資家や今回の騒動で解約を決意した投資家に対してお詫びの言葉があまり聞かれなかったのは残念です。


 直販系投信では、過去にさわかみファンドでFMの交代がありましたが、納得いく十分な説明がなされなかったためファンドの解約が増えました。さわかみ投信のときよりはより対応だったと思いますが、今後投資家の皆さんがどのように考え行動(保有or売却)するのか、またFM交代という意思決定が正しかったのかはまだわかりません。今回の意思決定の成否については、半年後なり一年後にきちんと投資家に対して行うべきでしょう。

 

 今回の事例は一つの投資信託の問題ではなく、FMを全面に出して集客する(主に直販系)投資信託に起こりうる共通の問題だと思います。