仮想通貨から生まれる税収は数千億円!

先日の日経より。

「仮想通貨から生まれる税収は数千億円」。ビットフライヤー取締役の金光碧(35)は予想する。手ぐすね引く国税庁は職員自ら売買して課税の予行演習を繰り返す。浮かれる人、悔やむ人、羨む人、妬む人……。バブルの受け止め方は人それぞれだが、一番得をしたのは国であるのは間違いない。

 確かに昨年1年間で仮想通貨の時価総額は数十兆円増加しました。売買の3~5割が日本人らしいですから、売買益も軽く1兆円を超えるのでしょう。

 しかも金融商品とは異なり、仮想通貨の売却益は累進課税となる雑所得ですから、たくさんもうけた人は最悪の場合、住民税を合わせると半分以上を税金で持っていかれることになります。

 

 仮に平均で20%の税率が適用されたとすると仮定すると税収は2000億円。なるほど記事にある数千億円という数字は現実離れしたものではなさそうですね。(ただしどれだけ適正な申告・納税が行われるか、申告漏れをどれだけ発見できるかによります)

 

 今年の高額給与所得者を狙い撃ちにした増税策による増収額が数百億円ですから、金額の大きさがよくわかりますね。国税庁としても、これだけの宝の山を見過ごすわけにはいきませんから、取りはぐれのないようにあの手この手を繰り出してくるでしょう。

 

 そういえば、かつても同じような風景を見たことがあります。約10年前、FXが爆発的なブームになったときのことです。たくさんの億り人が誕生し、本を書いたり雑誌に登場したりセミナーを開いたりして活躍していました。
 このときは、正しく申告をしていなかった人も多かったようで、何人か方は所得税法違反で告発されマスコミなどで報道されました。


 このようにマスコミで報道されるのは大きな金額の方だけですが、実際には多くの人に対して税務署から電話がかかってきたり「お尋ね」というお手紙が届き、修正申告をすることになりました(200万円程度の利益だったので何のお咎めもないとたかをくくっていた私の知り合いにはしっかりと連絡があったそうです)。


 あれから10年が経ち、国税庁の情報収集能力やデータ分析力もはるかに向上しているでしょう。昨年、仮想通貨で儲けた人は正直に申告をしましょう。正直に申告すれば、税務署は怖いところではありません。事前に相談に行けば懇切丁寧に計算方法や申告書の書き方を教えてくれます。逆にしらばっくれていると疑われてしまい、要注意人物としてマークされる可能性があり、長い目で見るとよいことは何もありません。

 

 結局、投機的な売買で一番儲かるのはいつの時代も税務署(国)とインフラを提供する取引所だけです。

 古今東西のギャンブルや投機と同じく、今回も勝ち続けることができるのは最終的には百人に一人(いやそれ以下)でしょう。昨年大勝ちした人も今年は苦労していると思います。

 素人同士の売買なら勝てるかもしれませんが、仮想通貨が数十兆円の規模になったためヘッジファンドや金融プロが取引に参加してきました。また少数の人間が通貨の過半を握っており、現行ではインサイダー取引でも何でもやりたい放題です。

 最新兵器や秘密兵器を持ったプロ相手に竹やりで応戦しても勝ち目はありません。趣味の範囲で楽しむのはよいでしょうが、いまさら一攫千金を狙うような投資は避けたほうが無難です。

 今、コインチェック社の件で大問題になっています。現状では投資対象として必要な最小限のインフラすら整備されていないことが明らかになりましたので、趣味の範囲でも楽しまないほうがよさそうです。

 

 今年、来年の新聞に「仮想通貨で脱税〇億円」とか「仮想通貨で自己破産急増」なんて記事があふれないことを祈るばかりです。

 

※この記事を書いていた日にコインチェック社の問題が発覚しましたのでアップをせず様子を見ていました。