いま、歴史に残る暴落を見ている

 一昨日、昨日と二日続けて世界の株式市場が調整(暴落ではありません)していましたが、今日は落ち着きを取り戻しつつあるようです。

 昨夜あたりは「世界同時暴落」などとあおるマスコミもありましたが、こんなのは暴落でも何でもなく誤差です。だって一年ちょっとで25~30%上昇した株価が、5~10%下落しただけですから。

 

 実はいま他のところで暴落が起きています。

 仮想通貨は、昨年末にはしゃぎすぎた反動に加え、コインチェック社の問題が起こり、また各国の投資家や事業者のお行儀の悪さが目立つようになったことから、世界中の政府から目をつけられてしまいました。

 これだけ悪材料がそろったので仕方がないことですが、それにしても毎日のように20~30%も上昇・下落を繰り返しつつ、わずか1か月でピーク時の1/3程度にまで下げるんですからすごいですね。ここまで来たらお見事とほめたたえたいくらいです。これは絵に描いたような暴落と言ってもいいでしょう。

 

 仮想通貨の価格変動を見ていると昨日今日の株価下落はゴミのように見えますが、今日はそんな仮想通貨でさえゴミに見えるほどの大暴落が株式市場で起きています。

 主役は「NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN」というものです。特殊な債券を裏付けとしたもので普通の株式と同じように売買ができる商品でした。

 このETNは、米国のS&P指数の変動率が高まると価格が下落するという特殊な債券をベースにしたもので、債券が一定の価格まで下落するとETNが強制償還されるというオプションまでついている大変複雑な商品でした。

 野村証券が顧客に勧めていたこともあり、仕組みを知らない投資家がたくさん購入していた模様です。

 

 米国株の急落により、このオプションが発動され強制償還になってしまったようです。その結果、前々日に30,000円近い価格だったETNの価格が1,144円で償還されることになってしまいました。投資家はわずか二日で▲96%という歴史的な暴落を経験することになりました。倒産した企業以外で、短期間にこれだけ下落した銘柄は少なくとも私の記憶にはありません。この銘柄こそ、大暴落と言ってよいでしょう。

 仮想通貨とこのETNはまったく別物ですが、非常にリスクが高いものであるにもかかわらず、多くの人が収益性にばかり目を奪われ、商品特性やリスクを全く理解せずに投資をしていたという共通点があります。

 

 販売者や投資家を批判することは簡単ですが、それだけでは何の解決にもなりません。世の中が投資ブームになると必ず起こることです。これからも数年に一度形を変えて同じようなことが起こり、そして多くの人が犠牲になるでしょう。

 

 一人一人が今回の事例から何かを学ぶことで、自分や家族をこのような悲劇から守ることができます。投資なんて興味ないと他人事扱いにせず、また被害者を批判したり他人の不幸を喜んだりすることなく、なぜこうなったのか、自分なら本当に避けられるかをあらためて考えてみる良い機会ではないでしょうか。

 

 今年は年始から、仮想通貨や株式だけでなく、不動産関係でも大きな事件が起きています。いままで見て見ぬふりをしていたリスクがあちこちで一気に噴出する年になるかもしれません。

 みなさまもリスクがよくわからない商品に手を出したり、信用取引や借入を利用した投資には決して手を出さないように気をつけてください。