被害はシェアハウスだけでは済まないでしょう

 コインキャッシュ社の話題に隠れてしまいすっかり影が薄くなっていた感のあるシェアハウスの投資家被害の問題ですが、本日朝日新聞が取り上げています。

 記事の中で違法な手口を用いて融資を引き出していたことが書かれていますが、成功している不動産投資家の間では、公然の秘密だったようです。有名な不動産ブロガーさんも一年以上前から警告を発していましたし、大家の会などでお会いしたベテラン不動産投資家(=不動産投資で成功した人)も異口同音に「近いうちに社会問題になる」とおっしゃってました。

 

 不動産ローンは事業ローンですから、住宅ローンと異なり審査基準がはるかに厳しいはずです。資産や収入、物件の収益性だけで素人大家が多額の融資を受けることが極めて困難なことは、ベテラン投資家たちには常識中の常識です。

 にもかかわらず、士業やサラリーマンで一定の収入があるというだけの理由で、事業の経験や知識、人間性その他の定性的な面を評価せずに素人投資家が一億円を超える融資(しかも、オーバーローン)を受けていたことに、何か裏があると不審の目を向けたことは当然のことでしょう。

 

 また特定のシェアハウス運営会社だけが信じられない早さで事業規模を拡大し、その物件を買った人の過半がスルガ銀行の特定の支店から融資を受けていたという事実に対しても、違和感(というよりグレーもしくは違法な取引の気配)を感じていたようです。

 

 このあと朝日新聞がキャンペーンをはったり、他紙が追随し国会でとりあげられるようになるとかなり話が大きくなる可能性があります。

 こうなると金融庁も傍観しているわけにはいきません。金融機関に対して、さらなる融資の適正化(事業内容の精査等)と過去の融資の適法性の確認など求めるようになるかもしれません。

 もしそうなると、話はシェアハウスだけではすみません。 相続税対策の新築アパートへの融資やサラリーマンなど対象にしたワンルームマンション・アパート投資向け融資も、今回のかぼちゃの馬車ほどひどくはないものの、今後30年にわたりバラ色の前提条件が満たされる前提で事業計画を作り、それを根拠にほぼフルローンで融資している例が多いですから、かなり影響が広範囲に及ぶことでしょう。

 バラ色の前提・・・今後30年間、ゼロ金利が継続し、広告費なしに入居率100%を維持し、新築プレミアムのついた家賃も値下げせず、運営経費も一切値上がりしない

 

 事業性・採算性を無視したり、あやしい事業計画をろくに審査もせず、不動産会社と提携して資産価値を上回るオーバーローンを提供していたとなれば、金融庁からかなりきついお灸をすえられることになるはずです。

 そうなると、新規融資が厳しくなり、投資用不動産の市況に悪い影響が出ることは避けられません。その結果、新築物件を販売することで自転車操業していた不動産販売会社などが行き詰まる可能性も出てきます。

 ここ二、三年セミナーなどで勧められて購入された方で、高い金利でフルローン+サブリース利用+管理その他業務を業者に丸投げしている方は警戒レベルを最大に上げておく必要がありそうです。

 「サブリース契約を突然変更or解除されら」とか「管理会社や保証会社が倒産したら」とか「銀行の融資を受ける時の資料が改ざんされていたら」など最悪の事態を想定し、万が一の時には誰に相談すべきかといったアクション計画まで想定しておくほうが良いと思います。

 

 今年はいたるところでお金がらみの事件や問題が発覚するような気がしてなりません。地雷を踏まぬよう慎重に行動することが吉だと思います。