成功者のセミナーを信じてよいのか?

 ペーパードライバーに運転技術を教えてもらって役に立つと思う人はいないでしょうし、異性と付き合った経験のない人に婚活の手伝いをしてもらおうとは思わないでしょう。経験がゼロの人から専門的なアドバイスを受けても意味がないことは明らかです。

 

 では、成功者(経験し成功した人)の話なら信じてよいのでしょうか、本当に役立つのでしょうか。答えは簡単です。

 「成功者のアドバイスは役立つ場合もあるが、役立たない場合も多い」

 自ら経験し成功するということは必要条件だと思いますが、十分条件ではありません。

 

 株でも不動産でも仮想通貨でも同じですが、今、たいていのセミナーでは、成功者が自ら体験談を語ったり、主催者が成功者の話を紹介したりしています。その時に魔法の言葉が「初心者だった私がたった3年で億万長者になれました。みなさんにも絶対にできます!」です。そして「今すぐ始めましょう」とたたみかけてきます。

 

 目の前にいる成功者が熱く語りかえるとついその気になってしまうのが初心者のサガというものですが、これではいつまでたっても「こんなはずじゃなかった」病から卒業することはできないでしょう。

 

 確かに未経験者の話よりは説得力があることは事実です。でも、大事なことを忘れていませんか。成功した人にもいろいろな人がいるものです。

 ざっくりと成功者は、本当に成功した人、運よく成功した人、成功したと勘違いしている人の3タイプに分類できるのではないでしょうか。

 

 本当に成功した人は目立つことを好みませんし、信頼できる少数の人たちで集まっているので、初心者が彼らの話を聞ける機会はめったにありません。彼らはマスコミ出演したり、本を出版したり、セミナーを開くことをしないからです。

 運よく成功した人は、たまたま買ったタイミングや、投資対象が良かっただけですから、再現性はありません。初心者が周囲(友人やマスコミ、ネット情報等)からの影響を受けて投資に興味を持つ段階ですでに投資のタイミングとしては遅すぎますし、そんなときにはよい投資物件などはもう市場に残っていません。いまさら彼らの真似をしても成功する確率は極めて低いでしょう。

 成功したと勘違いしている人は、投資した資産が値上がりして含み益がある人や億を超える不動産を所有している(がローンがたっぷり残っている)人たちです。特に不動産の場合は、売却が完了し所得税・住民税の納付を済ませるか、投資家が亡くなり無事相続を終え、相続税を納付し終わるまでは本当に成功したとは言えません。今成功しているように見える人たちの中には、損益とキャッシュフローの関係を理解しておらず、十年後二十年後に黒字なのに資金がショートしてしまう人も多いのです。

 

 簡単に入手できる情報やセミナーで得られる情報では成功する確率は極めて低いと言わざるを得ません。そんな情報を集めるくらいなら、自分の目と耳と足で情報をかき集め、本当に成功した人の集まりに入れてもらえるように努力すべきだと思います。簡単にはたどり着けませんがだからこそ、貴重な話を聞くことができるのです。

 

 最後に、私が本当に成功した人から何度も聞いたことを書いておきます。

株式投資家なら一度や二度の大暴落を経験してやっと本物」、「不動産投資家なら事故・事件による入居者の死亡、悪徳入居者との裁判、融資の貸し渋り貸しはがしを経験して一人前」

 物騒ですね。でも、笑いながらも真剣な目でこういう話を聞かせてくれる人こそ、信じるべき人でありメンターとすべき人なのでしょう。

 いくら高額なセミナーであっても、有名なセミナー講師であってもの中に、こんな人にはまず巡り合えないということはお忘れなく。