スルガ銀行の貸し手責任よりも、借り手の自己責任

 かぼちゃの馬車事件(私の中ではすでに事件です)に関連して、融資をしていたスルガ銀行への風当たりが強くなってきました。目立ってスルガを批判していたのは、これまで朝日新聞1社だけでしたが、ここにきて時事通信も参入してきました。

 年末ごろから空売りを仕掛けている目ざとい投機家の皆さんは、さらに毎日新聞、読売新聞まで巻き込み、政治家界隈まで延焼することを心待ちにしていることでしょう。(なお、私は、信用取引だけはするなと祖母の遺訓を守っているため、空売り(もちろん所有も)していません。あくまで傍観者の立場です)

 

 ただこの案件、いきなりスルガ銀行の根幹を揺るがすようなところまで行かないと思っています。かぼちゃ事件に関する融資残高は1000億円と言われており、噂される類似のスキーム分があったとしても合わせても2000億円程度まででしょう。

 確かにこれらが一斉に全額焦げ付いたら問題ですが、半分も焦げ付くわけはありません。オンボロシェアハウスでも土地代プラスαくらいの価値はありますし、入居者もいますので賃貸収入からの返済も期待できます。

 それに債権者は大企業を中心とした高所得のエリートサラリーマンのようですから給与・賞与からの返済も受けられます。したがって一部に貸し倒れや減免が発生するとしても、資金繰りがショートするようなことはないでしょう。ただ、銀行は信用商売ですから中期的には縮小再生産に陥らざるを得ないでしょう。

 だから空売り族は、急ぐ必要はありませんがあらかじめ出口(価格やタイミング)を決めてあまり深追いしない方がいいと思います。

 

 もちろんスルガ銀行に100%責任があるのであれば、全額損失になる可能性はあるのですが、常識的に考えればそれはさすがにないでしょう。

 借り手は世間知らずの大学生でも判断力が鈍った高齢者でもありません。30~40代の社会経験を積んだ高属性のサラリーマンです。彼らが自らセミナーに出掛けて説明を受け、リスクも承知で購入を決め融資を受けることを決めたのです。そして事前に事業計画書も見せられ、契約書も読んだうえでハンコを押しているのだとしたら、それは借りての問題でしょう。

 もちろん、スマートデイズが初めから詐欺を働こうと考え、スルガ銀行とグルになって投資家を陥れたのであれば話は別ですが、そうでないかぎり、マスコミや政治家を味方につけるために声高に貸し手責任と叫ぶのはあまりにも無責任ではないでしょうか。


 今回の件が貸し手責任ということで片づけられてしまうと今後、著しいモラルハザードが発生するでしょう。潰れそうな会社も返せそうもない奨学金も、住宅ローンも全部貸し手が悪いと叫んで踏み倒せてしまいます。家賃だって同じ理屈で簡単に踏み倒せてしまいます。

 だからスルガ銀行は変な忖度をしたり、間違った世論に屈することなく、一円でも多く元本を返すべく、借り手と金利減免や返済猶予、その他の方法を協議してもらいたいものです。

 

 まあ無責任な立場から言えば、政治家に火がついて金融庁が動きだし、前門の金融庁、後門の株主代表訴訟になったら、見ものだなという気もしなくはないですが、さすがの私もそこまで悪趣味ではありません。

 あくまで常識の範囲での決着を望みます。だってみなさん、サラ金のCM、子供のときから見てたでしょ。ご利用は計画的に。