凡人には内藤忍氏の思考が理解できない

 私、大学では経済学をかじってました。まじめに勉強していたかと言われれば、胸を張って「はい」とは言えない人間です。でも、そんな私にも一言言わせてください。どうやったら「金利が上がってインフレが起こる」のでしょうか?

 

 内藤忍さんはきっと東大経済学部を優秀な成績でご卒業なさったので、時代の最先端の経済を研究されたのでしょう。そんな彼には「金利が上がるとインフレが起こる」ことが常識なんでしょうか。同じ時期に田舎の偏差値50大学を出た私には到底理解できません。 


 株価と金利の相関関係のグラフから

そしてもう1つの問題は、株式と債券の相関関係の変化です。逆相関で分散効果があると思われていたのが、逆に連動性が高まりつつあるのです。

 と問題提起されています。ただ、そもそもデータの出典も何もありませんし、2年移動平均を使用している理由も書かれていませんので、そもそもこのグラフを使うことが正しいのかすらわかりません。

 百歩譲ってこのグラフに意味があるとしたら、確かに1997年前後でトレンドが大きく変わっています。ただ、直近は連動性がなくなっていているのですが、そんな都合の悪い点については見事にスルーされています。

 

内藤氏は続いて、

その原因はわかりませんが、何らかの対策を講じる必要があるのは確かです。

と書かれていますが、私は目を疑いました。原因が分からないのに対策を講じる必要があるですって!?一般の人間には(おそらく多くの専門家にも)原因がわからないものには対策の打ちようがありません。

 それってヤブ医者が「とりあえず薬(解熱剤とか抗生物質)を出しておきますからニ、三日様子を見てください」っていうのと同じくらい無責任だと思うのですがいかがでしょう。

問題は、株価と不動産価格の相関関係です。どちらも金利が上昇すれば価格は低下する傾向があり、インフレに強いという共通点があり、相関係数は高そうです。

債券のときだけ相関関係のグラフを持ち出しておきながら、株と不動産の相関関係のグラフは出さないんですか!資料もなく「相関関係は高そうです」って何を根拠に行ってるんですか?資料がないなら健康食品のCMのように正直に「個人の感想です」と書くくらいの謙虚さ(?)を持って下さい。

 

 結局この方はいつも、「ニュースや統計の一部を切り取って都合の良いように解釈し、不安をあおる」→エビデンスもなく「不動産に投資すれば大丈夫」という流れになってしまいます。そして、エビデンスがないとツッコまれそうなときには「その証拠に私はうまくいっています」で話をすり替えるんですよね。あと、自著とセミナーの宣伝も忘れません(笑) 

 蛇足ですが「私もワインファンドに投資してうまくいってます」って言っておきながら、投資したファンドが詐欺で自分も損した瞬間に、「私はそのファンドを推奨したことはありませんし、私も被害者だ」と見事に手のひらを返されましたね。

 

 さて、話を大きく戻します。例のグラフをよく見ると、1997年ごろってアジア通貨危機~ロシア危機、LTCM破綻の時期です。これ以降、各国が経済を支えるために金融緩和を続けお金があふれかえっているから、世界中の投資家たちが買えるものは何でも買えってなって、相関関係がなくなったように見えるだけじゃないですか?

 だとすれば欧米の金融緩和が終わり、「景気が良くなりインフレが起こり金利が上昇する」という本来の経済の姿に戻るだけの話です。むりやりこじつけて不動産がいいというのはあまりにも無責任な話でしょう。

 

 そもそも、内藤氏の言うように「金利が上がればインフレが起こる」のであれば、安部さんも黒田さんもこんなに苦労しないですよね。

 

ということで頭の体操をするだけ時間の無駄でしたというお話です(結論が違う?)。