安愚楽牧場、海江田万里裁判で学ぶ世の中の不条理

  みなさん、海江田万里氏を覚えていらっしゃいますか。経済評論家、元民主党の党首と聞けば思い出していただけるでしょうか。


 彼はいま、日本で最大級の被害者を出した安愚楽牧場和牛預託商法を推奨したとして損害賠償を求められています。一審では海江田氏の主張が全面的に認められましたが、原告側が上告しているようです。

 

 私はこの裁判を、金融商品を推奨していた経済評論家に対して損害賠償責任がみとめられるのかどうかという点でたいへん注目しています。

 もし、賠償責任が認められたら、いまセミナー講師や広告塔、第三者のふりをしてバックマージンを懐に入れている連中の立場はかなりやばくなりますし、逆に認められなければ誰から推奨されたとしても自分で意思決定した以上「すべての結果は投資は自己責任」ということになります。

 

 個人的には、モラルハザードを起こしている現在の金融、不動産業界の自称プロとそのおこぼれを頂戴する取り巻きの連中に警告を発する意味でも一定の責任を認めてもらいたいと思っています。

 

海江田万里氏に対する判決に関する声明」(全国安愚楽牧場被害対策弁護団 紀藤弁護士) によりますと、

海江田万里氏は、昭和62年頃から平成4年頃にかけて、「経済評論家」として、自身が出演していたテレビ番組やラジオ番組、自身の著書や雑誌などで、安愚楽牧場の和牛預託オーナー制度を「この利益は申し込みと時に確定していて、リスクはゼロ」などといって、安全かつ確実な財テク手法であるかのように推奨し続けていました

とのことです。私もマネー誌か経済誌の企画記事か何かを読んで資料を請求したことがあります。(まあ、即座にゴミ箱に捨てましたけど)

 

 原告側は全面敗訴だったため、お怒りのコメントが書かれています。

 訴訟を通じて、海江田万里氏が安愚楽牧場和牛預託商法に対して行ったという調査も極めて不十分であり、「リスクはゼロ」といった記事の執筆や発言などに至った経緯が極めてずさんだった実態や、海江田万里氏の無責任な態度も明らかになりました。

 なんでも雑誌の記事などはライターが勝手に書いたもので自分はチェックしていなかったとか、さすが政治家になられる方はこれくらいのこと平気でいえるんですねと感心してしまいました。

 

 こんな言い訳、誰が許すんだと思っていたのですが、一審ではなんと海江田万里氏の全面勝訴、損害賠償責任は否定されています。

 ちなみに、安愚楽牧場の中心人物である三ヶ尻取締役に対する裁判は、刑事事件も民事事件も有罪なのだそうです。そんな商法を何年にもわたってマスコミで推奨してきた評論家だけが無罪とは、トホホ、世の中は不条理なものですね。

 原告側は現在上告中ですので、引き続き動向を注視したいと思います。

 

【教訓】

 あらゆる儲け話は騙されたほうが悪いといわれてしまう。もしだました方の責任が認められても、(すでに金を隠したり破産したりして)失った金は一円も戻ってこない。