金融相場から業績相場へ、シートベルトはお忘れなく

 最近、経済の専門家や株式市場の関係者など多くの方が「今年は金融相場から業績相場へ移行する」とおっしゃいます。

 金融相場とは金利低下(今は加えて、日銀の量的緩和)により株価が上昇すること、業績相場とは文字どおり企業業績を反映して株価が上昇すること。

 世界中の金利がゼロに張り付いていた異常な状態から徐々に金利のある正常な世界に戻ろうとしているわけですから、金融相場が終わることはある意味健全なことであり必然です。

 

 ある著名なエコノミストの方が「金融相場は誰でも簡単に大きく儲けられる。でも業績相場はそういまくいかない。金融相場で運良く儲けたのに実力と勘違いして有頂天になっている人は足元をすくわれる。業績相場は本当に投資のことがわかっている人しか儲からない」とおっしゃっていました。

 これ、株式市場に限ったことではありません。投資・投機と名の付くすべての取引に当てはまる法則だと思います。いまだに、本を書いたりセミナーやブログで買いあおりをしている単に運のよかっただけの人たちはこれから試練のときを迎えることでしょう。

 

 金利上昇に加えてもう二つ気になることがあります。 過去を振り返ると、低金利が長い間続くと必ずと言っていいほど金融関係者のモラルが緩みます。そして、無知、強欲またはその両方を兼ね備えた投資家たちが、被害者となってきました。

 今年に入って仮想通貨バブルが少しはじけましたし、取引業者のずさんな運営実態が明らかになりました。また、スルガ銀行が不正を知りつつ過剰なアパートローンを提供していたのではないかと噂され金融庁から報告を求められています。どうみてもモラルが下がってきているといわざるを得ません。

 

 もう一つは新しく魅力的なキーワードが出てきたことです。「AIやIoTで第四次産業革命が起こる」とか「適温相場」という言葉です。世界中でいろいろな問題が出ても、これらのキーワードでごまかし、株価は高い水準を維持しています。でも、これらのキーワードには必ず賞味期限があります。どんなに長くても1、2年ですからそろそろ賞味期限切れを起こすと考えたほうが自然です。

 

 そんなこんなを考慮すると、リーマンショック級のことは起きないとしても、何かをきっかけに幻想が露と消え、我に返った投資家が出口に殺到するような気がします。そうなると簡単に2、3割は株価が下がるでしょう。その程度の下落は常に起こると覚悟しておく時期に入ったと私は思います。

 

 自分の身を守るために、過剰な借り入れをしている人は返済を、過剰な投資をしている人はキャッシュの比率を上げておくべきでしょう。

 もちろん、今すぐではないでしょうが、遠くない将来(1~2年後)には十分に起こりうることです。起きてからでは間に合いませんので、今から手を打つことをお勧めします。1割、2割儲けそこなうよりも、暴落の直撃を受けないことの方が100倍大切です

 

 行く先にはたくさんの乱気流が予測されます。そこに突入するのか、いつどれだけ揺れるのかは誰にもわかりません。でもシートベルトのサインが点灯したわけですから、しっかりと腰かけて正しくシートベルトを締めましょう。