「ごみカレンダーまだ?」の発想が貧乏を招く

 元市民として一言コメントせずにはいられないニュースを見かけました。府中市で業務委託先のミスによるごみカレンダーの遅配がおこり、混乱が起こっているとのことです。

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 この話、最終的には市の委託先管理の問題として誰かが謝罪して終わるのでしょうが、問題はそこではないと思います。今、日本が抱えている問題が見え隠れしているように思えるのです。

 

 記事の「1万件の苦情や問い合わせ」という数字をみてわが目を疑いました。配布対象の12万7千世帯に対してクレームの数が異常に多いことに驚いたのです。クレームを入れている人の多くは「無料でもらって当たり前」と思っているのでしょうね。

 

 人間だれしも慣れてしまうものです。最初は、無料のものに対して感謝の気持ちをもっていたはずですが、だんだん無料が当たり前になり、最後は無料のものに対してクレームをつけ始めてしまいます(全員とは言いませんが)。

 その典型が宅配サービスです。再配達や時間指定といったサービスが無料であることが当たり前になり、配達員の負荷が飛躍的に増大しました。また時間に一分でも遅れたり箱が少しでも凹んでいると理不尽なクレームを浴び現場が疲弊していきました。その結果、人手が不足し、今値上げラッシュが始まっています。

 

 今回のごみカレンダーだって同じです。ごみステーションに回収のルールが書かれていますし、市報にも載っています。それをわざわざカレンダーを作り配布することは過剰サービス以外の何物でもありません。人手不足や過重労働が社会問題になり、働き方改革を推進しようという世の中ですから、府中市は有料化すべきなのです。必要な人は一部数百円で購入すればいいし、もったいないと思う人は手元のカレンダーに転記すればよいだけです。

 

 今回クレームを入れた人たちの多くは、目先の損得に囚われやすく、また価格と価値の違いを正しく判断できない人だと思うのです。彼らにはそんな自覚もないでしょうが。

 こういう人たちは手っ取り早い儲け話やチープなマーケティング施策(ポイント●倍サービスの類)の格好の標的となり、騙す人や合法的にぼったくろうとする人たちの養分になってしまうことが多いだろう、と私は思います。

 その結局、知らないところで不必要な支出を強いられ、貧乏になるとは言いすぎかもしれませんが、いつまでたってもお金がたまらなず、苦労するのではないでしょうか。(もちろん例外もたくさんあるでしょうが)

無料のものにはあまり過剰な期待をせず、またなんでも安けりゃいいではなく価値のあるものには適正な価格を払うようになってもらいたいものです(上から目線ですみません)。

 

 さて、話は変わりますが、私は府中市のゴミのおかげでずいぶん得をしたことがあります。実は府中市はごみ問題の取り組みが遅く、有料化が始まったのは2010年頃でした。そして対応が遅れたせいか、ゴミ袋の値段が全国でも有数の高さとなり、ずいぶん話題になりました。

 そのおかげで、一時期近隣と比較して家賃がとても割安になりました。ゴミ袋代なんて月に数百円のはずですが、信じられないことに私が選んだ地区の家賃相場は、ゴミ有料化前よりも月額5千円~1万円下落しました。不動産屋が「ごみ有料化で今年の春の転入者が減り空室率が上がった結果、大家が値下げ競争を始めている」と言っていたので間違いないでしょう。

 ニュースでゴミ騒動を知っていた私は、にんまりとして府中に部屋を借りたことは言うまでもありません。

 

 たかがごみ問題ですが、されど無視できない結果を生むこともあるという話でした。