今の不動産・金融市場はバブル状態です

  2002年、当時のグリーンスパンFRB議長は「バブルは、崩壊して初めてわかる」と発言しました。バブルの一面を言い当てている名言だと思います。議長の言うとおり「どこまで価格が上昇したらバブルなのか」や「バブルがいつどのように終わるか」は、崩壊してみないと誰にもわかりません。

 

 でも、別の側面から見れば今がバブルかどうかを見分ける方法があると私は思っています。バブルを価格で判断しようとするからわからないのであって、人間の行動から判断すればある程度はわかるのです。

 1989年のバブル崩壊から今年の仮想通貨まで大小さまざまなバブルを見てきました。あらゆるものが高騰したバブルから、特定の投資対象だけが高騰したバブルまで、いろいろな種類がありますが、よくみればいくつかの共通点が見つかります。

1.長期間にわたって低金利状態が続く
2.新しい何か(新興国の発展、新しい技術…)で世の中が変わる予感がする
3.一攫千金で成功した成金を美化する風潮が蔓延する
4.金融・不動産業界のモラルが崩壊する
5.投資でひと儲けして楽して悠々自適の人生をもくろむ人が増える

どうでしょうか。今の日本にも同じ傾向がみられませんか。

 

 1.については誰も否定できないでしょう。2.についてもフィンテック、AI、IoTなど魅力的な(だけど誰もよく理解していない)言葉があふれています。3.にわか成金がマスコミに頻繁に取り上げられ、たくさんのカリスマやレジェンドが量産されました。

 4.はまだ限定的ですが、金融庁の検査により仮想通貨取引所のずさんな運営実態が明らかになり、スルガ銀行のずさんな融資が問題視されています。さらには、無知な個人投資家に対する投資用不動産の転売、創業者利益の獲得だけを目的としたIPOなどいたるところに「儲けたもの勝ち」「金のためなら何でもあり」と考える人たちがいます。彼らの言動を見ているとモラルが崩壊していることは明らかです。

 そして、最後に魚心あれば水心とでもいいましょうか。今週末もさまざまな楽して儲ける投資法のセミナーが全国で何百も開催され、何千人もの"投資家"が参加していることでしょう。

 

 不動産にしても株価にしても、過去や海外との比較、さまざまな評価指標からみればまだバブルのようには思えません。実際に多くの専門家や業界関係者も、「まだまだ大丈夫」、「少し気をつける必要はあるがバブルではない」と言っています。

 でも私はバブルは価格ではなく人間の行動を見て判断すべきと考えます。理解不能なまでの価格の高騰(いわゆるバブル)はあくまで結果です。それよりも重要なのはバブルの原因である人の行動です。

 すでにバブルの兆候が表れている以上、見た目の価格がバブルに見えなくても最大限の注意を払うべきだと思います。

 

 いつもと同じ結論になりますが、リスクを管理できている投資家は慌てて売り逃げる必要はありません。リスクを取りすぎている人、無謀な借金をしている人は早く手を打ちましょう。

 バブルは、富士山の稜線のように上昇し、フリーフォールのように落下するものです。歴史は必ず繰り返します。今一度、シートベルトの確認を。