銀行は金貸し屋、ただそれだけの話

 かぼちゃの馬車をめぐるスルガ銀行の融資について、朝日がしぶとく食らいついています。朝日のことですからスルガ銀行が悪い→金融庁が悪い→安倍が悪いの三段論法を狙っているのでしょうかね。 昔から「金貸しは悪者」とレッテルを貼り、借りた者を擁護すると正義の味方になれるため、定期的に金融機関バッシングが流行ります。振り返ってみても、サラ金商工ローンの違法取り立て、消費者金融の過剰融資、金融危機時の貸し渋り貸しはがしなどが取り上げられ、業態・規模に関係なく批判にされされてきました。今回も同じ流れでしょうか。

 

 もちろん、金融機関の違法な行為は問題視されるべきですが、だからといって借り手が被害者面をしてもよいということにはなりません。そうやって甘やかしている限り、今後も同じような"被害者"が量産されていくことでしょう。

 

 貸し手に違法行為があれば責任を追及することは当然ですが、同時に借り手の責任も明確にすべきです。なんといっても、融資を申し込み、借り入れ条件に納得して契約書にサインしたのは借り手自身なのですから。

 良識ある不動産関係者や成功している大家さんからは、同情する声もあるものの、スルガの融資を利用した人を被害者と呼ぶ人はほとんど見当たりません。セミナー屋やコンサル屋には借り手は被害者だという人もいますが、彼らはセミナーやコンサルでスルガ推しをするなど何か後ろめたいことでもある人なのではないかと邪推してしまいます。

 

 ところで被害者の会には「銀行にも責任があるので融資契約を白紙に戻し、担保物件を差し出すから借金をチャラにせよ」という裁判を起こすという動きがあるそうです。個人的にはこの裁判の行方が気になります。

 常識的に考えれば、スルガ銀行が黒幕ですべてを仕切ったなんてことでもない限り、被害者の会の主張が全面的に認められることはないでしょう。ただ、近頃の裁判官はとんでもない判断を下す人もいるので裁判の動向は気に留めておきたいと思っています。

 

 万が一、全面的に貸し手責任を認め契約を白紙になするなんてことになったら、日本中とんでもないことになってしまいます。住宅ローンが返済できなくなったら銀行が悪い、スピード違反で捕まったらそんなにスピードの出る車を作ったメーカーが悪い・・・なんでも言いがかりをつけることができますから。

 そうなると何が起こるか、今でも事なかれ主義の金融機関や大企業がますます保守的になってしまうでしょう。その結果、融資が止まり不動産市場が停滞・下落するだけでなく、中小零細企業の資金繰りも悪化し、再び失われた20年が始まりかねません。そんな「まさか」だけは勘弁してもらいたいものです。

 

 銀行はしょせん金貸し屋(メガバンクの友人ですらそう認めてます)、基本的には「なにわ金融道」の世界です。これを子供の時から叩き込むしかないですね。それがわかっていれば安易な借り入れも少しは減るでしょうし、返せなくなったら被害者ずらするなんてバカな人も減るでしょう。

 またマスコミも銀行叩きではなく、諸悪の根源である不動産業界の悪習の数々(二重契約、一法人一物件、サブリース、両手取引、サンタメ取引など)に目を向けたほうが、弱い者の味方という評判を得られるでしょう。

 

 今日もとりとめのない話になりましたが、「銀行はしょせん金貸し屋。庶民の味方ではない」という結論で終わりたいと思います。