コモンズ投信のファンドマネージャー交代、続報

  電撃のファンドマネージャー(以下、FM)解任から三か月がたちました。三か月が経過し、FM交代後の初めての運用報告会が各地で開催されました。私が参加した報告会では、前回までと比較して今回は初参加の方が多かった気がします。


 報告会は、投信会社の紹介、2つのファンドの運用報告、FM交代による影響、今後の投資環境についてという順で進みました。

  今回の報告会では、2つのファンドの違いについて従来よりも丁寧に説明していた気がします。またFM交代に納得していない投資家も多く参加していたことからFM交代による影響についても説明がありました。説明責任を果たしていこうという点では評価できます。

 ただし、わずか三か月の運用成績、資金流入額、モーニングスター社のレーティングをもってFM交代の正当性を強調していた点についてはやや無理筋というか強引という印象を受けました。前FMを支持する人たちも納得はしていなかったようです。一年後、二年後も定期的に説明責任を果たしてもらいたいと思います。

 

 私が気になったのはFM交代によりファンドの性格がどのようになっていくのかという点です。今回もFMが交代してもファンドのコンセプトや方針は何も変わっていないと強調されていましたが、三か月前と今回の保有上位10銘柄を比較すると、もうまったく別のファンドと言わざるを得ないほど入れ替わっていました。

 
 説明によると、「FMを支えるアナリストなどの運用チームの顔触れは変わっていない」「分析し投資対象として考えている企業のリストに変化はない」とのことで、その中からFMがどの銘柄にどれだけ投資するかを決めているとのことでした。いわば味付けが変わっただけだとのこと。
 でも前回全体の55%程度を占めていた組み入れ銘柄上位10のうち、今回も残っていたのはわずか1つ、率にして4%程度にすぎませんから、「味付けが変わっただけ」という説明は正しくはありません。やはり、FM交代によりまったく別のファンドに生まれ変わったというべきでしょう。

 

 今回のFM交代が成功だったのかどうかを判断するには数年を要するでしょうし、評価軸も人それぞれなので、現時点でよいわるいの判断はしませんが、やはりFM交代は投資家にとって大きなリスク(不確実性)であるということだけは確認できました。
 
 客観的に見れば、情熱で感性に訴える前FMと静かに理詰めで納得させる現FMは性格も運用スタイルも正反対です。そんなお二人ですから本来であればお互いのいいところを使って運用すればもっといいファンドになるのではないかと思うのですが、合議制ではなくFMが全責任を負うファンドである以上、どうしようもないのかもしれません。

 

 話は変わりますが、一部の投資家からは相変らず「FM交代は社長の経営責任だ」という声が上がっているそうです。ただ、「2年にわたり資金流出が続きさまざまな手を打っても事態が好転せず、運用スタイルの変更を検討したが、前FMが会社の方針(運用スタイルの変更)を頑なに拒否したためFM交代に至った」とのことですので、一部投資家の言う社長の経営責任説は間違いです。
 社長の独断で一方的に更迭したのであればガバナンス上問題となりますが、ファンドに課題を発見し施策を実行し、成果が出ないため運用方針を変更すると社内で合意形成(取締役会決議)を行ったうえで、方針に従わないFMを更迭したのであれば、ガバナンスは正常に機能していると評価すべきでしょう。

 

 今後の運用成績、説明責任の遂行、前FMの今後など、引き続き注視したいと思います。

 

※私はコモンズ投信には投資しておりません。