金融機関が個人の敵である簡単な理由

 

 かぼちゃの馬車問題が表面化して以降、朝日新聞スルガ銀行の悪事を白日の下にさらそうと頑張っていますが、それにならったのかNHKが郵便局をターゲットに定めたようです。


 かぼちゃの馬車は、金儲けに目が眩んで冷静な判断ができなかった30~40代の高所得者がカモにされただけの話です。でも、この郵便局の事例では、高齢者を狙い、「高齢者との契約では家族の同席が必要」という社内ルールを無理やり回避させ、明らかに不適切な保険契約を締結させているのですから、より悪質と言わざるを得ません。

 スルガの場合には外部の取材に対して「当行に責任はなかったものと考える」と回答しているのに対し、日本郵便の方は「信用を裏切るような行為が起こっている」と認めています。このことからも、どちらの問題がより悪質かがわかります。

 マスコミや金融庁のみなさまには、スルガの追及も大切ですが、視聴率や世間の注目の大小ではなく、ことの重大さで物事を判断していただき、行動していただきたいものです。

 

 なぜこのような不祥事が次から次へとおきるのでしょうか。理由は簡単です。ほぼすべての大手金融機関の現在のトップがバブル経済の申し子だからです。

 

 銀行、証券、保険など業態を問わず、偉い人たちは今50代前半から60歳です。つまりバブル経済真っ盛りの頃、彼らは20~30代前半で営業の最前線にいたはずです。

 ご存じのとおり、金融機関の出世は椅子取りゲームなので一人ひとり脱落し最後まで生き残った人が偉くなります。大器晩成型や華麗なる復活を遂げる人は例外中の例外です。

 何がいいたいかご理解いただけたでしょうか。顧客重視やコンプライアンスなんて言葉が存在しなかったバブルの時代に、魂を悪魔に売って営業していたような人がたくさん偉くなっているのです(全員とは言いません)。彼らが率いる組織が顧客重視の信頼される金融機関に生まれ変わっているとはとても思えないのです。

 

 日本郵政グループだって例外ではありません。民営化されてまだ10年そこそこですが、グループ各社の役員の多くが大手金融機関出身者です(残りは郵政省などの官僚出身)。民間のノウハウがないところに、バブルに染まった人間が経営トップに座り、ノルマ第一主義などバブル時代の悪しき金融機関の風習を植え付け、民間を知らない上から言われたことを忠実に行う役人体質の職員が兵隊のように動けば何が起きるかは想像に難くはありません。起こるべくして起こった"事件"です。

 

 さすがに昔よりは多少コンプライアンスという言葉も意識されるようになったとはいえ、所詮は自己保身のためであり顧客保護のためではありません。今後とも、手を替え品を替え、高齢者や金に目のくらんだ人、金融リテラシーや金融リテラシーの低い人に悪い人たちは近寄ってくるでしょう。

 「大金の動く契約である」「処遇(年収や昇格)がノルマ達成度で決まる業界である」「圧倒的情報量を持つ企業とリテラシーの低い個人とのBtoC取引である」「相手に社会的信用がある」といった条件が揃ったところには、今後とも必ず同じような悲劇が生まれるはずです。人間の業の深さはそう簡単には変えられないものです。

 

 たとえ相手が100%悪かったとしても、ひとたび被害に遭ってしまったら100%元通りに戻すことは至難の業です。理解できない契約には決してサインしない、だれか頼りになるに同席してもらう、やりとりを録音するくらいの慎重さが必要不可欠だと私は思います。

 

 最後にひとこと、金融機関はあなたの味方ではありません。

 

 ああ、またたくさんの友人・知人を敵に回すようなことを書いてしまった。。。。