【重要】投資採算シミュレーションに潜むワナ

 いままで不動産、太陽光、コインランドリーの計10社程度、投資採算のシミュレーションをみせてもらいましたが、残念なことにまともなものは一つもありませんでした。

 確かに、すべてを保守的に見積もってシミュレーションすると、やる気のある人でもやる気がそがれるような結果になることが多いので、やむを得ない面もあります。しかし、絶対に必要な経費をわざと外したり、収支がよくなるような小細工を施すのはいかがなものでしょう。企業の姿勢を疑わざるを得ません。

 

 ということで、いままで入手した採算シミュレーションを一通り見直し、よくあるズルをまとめてみましたので、チェックリストとしてご活用ください。

 

 あなたがもし投資採算シミュレーションを入手したなら、以下の項目を確認してください。どんなに良心的なものでも最低5個、酷いものだと12個以上該当するでしょう。

  1. 初期投資に消費税が含まれていない
  2. 登記関連費用、融資手数料、団信保険料、仲介手数料などのイニシャルコストが計上されていない
  3. シミュレーション期間が10年程度しかない
  4. 売上・費用がずっと一定である
  5. 売上高が消費税込み、経費が消費税抜きで計算されている(←最悪)
  6. 修繕積立金や意図せざる修繕費を見込んでいない
  7. 競争力を維持するための追加支出を見込んでいない
  8. 給排水衛生施設の点検費用、メンテナンス費用を見込んでいない
  9. 所得税法人税を見込んでいない
  10. 固定資産税・償却資産税を見込んでいない
  11. 損害保険料を見込んでいない
  12. 税理士報酬を見込んでいない
  13. 広告費や担ボを見込んでいない(不動産の場合)
  14. 変動金利なのに支払利息が一定である
  15. 撤退コスト(売却損益、原状復帰費用、廃棄物処理費、各種手数料等)を見込んでいない

 いくつあったでしょうか?該当したものについては、質問して数字を修正してもらいましょう。あらら、残念。ほとんどの場合、利益はほとんどゼロ(もしくはマイナス)ですね。

 

 えっ、修正してもし利益が出る?それは奇跡的です、おめでとうございます。でも、もしそうであったとしてもまだ油断はできません。 

 実際には、シミュレーションに反映させるかどうかは別にしても、さまざまなリスクを加味しなければならないからです。

例えば、

  1. 管理会社の破綻・撤退リスク(自主管理できない場合にはかなり重大なリスク)
  2. 老朽化、競合物件出現に伴う稼働率・収入の低下リスク(本当に儲かる投資なら競合出現は必至でしょう)
  3. 災害、電気・水道等のインフラトラブルによる機会損失リスク(物件が無事でも震災、自然災害で収入がゼロになることも十分あり得ます)
  4. 近隣トラブル、顧客トラブル等発生リスク(対応費用や弁護士費用等)
  5. 税制改正のリスク(特に相続目的の場合)
  6. 金利上昇リスク(変動金利の場合、今の低金利が20年続くことはあり得ない)

 確率が低かったり金額換算できないものもあるのでシミュレーションに反映させる必要はありませんが、それらに備えるだけの手元資金や対応策を別途検討しておかないと、かぼちゃの場所の投資家のように状況が変わると一発でジ・エンドになりかねません。

 

 業者の言いなりになって投資すれば、うまくいってゼロ、少しでも想定外のことが発生するとすぐにマイナスになってしまう、くらいに考えておくべきだと私は思います。

 もちろんだから投資をしてはいけないとは言いません。成功している投資家は、こういったリスクを十分に理解したうえで、採算を向上させる工夫を自分自身で続けているのです。投資家として自分が、それだけの覚悟を持ち努力を続けられるかどうかの問題です。

 

 少なくともこの世に「チャリンチャリン投資」などは絶対に存在しないのです。