【残念】「地雷」好きな新マネー雑誌を発見

 「MONOQLO the MONEY」というマネー雑誌が創刊されたそうです。紙媒体の将来に赤信号が灯りはや数年、また仮想通貨バブルが崩壊し不動産や株式市場のピークがささやかれるこのタイミングで、あえて創刊されたこの嗅覚とチャレンジャー精神に敬意を表したいと思います。

 

 出版社のサイトには、このような照会文が掲載されていました。(下線は私の加筆)

コンセプトは「マネできる本音のマネー誌」。株式会社晋遊舎発行の隔月刊の総合マネー誌。偶数月21日発売、7万部発行。株式投資投資信託、クレジットカード、保険などお金にまつわるあらゆるジャンル・記事を「広告なし」で掲載。そのため多数のお金のプロが厳選する各ジャンルのオススメの商品は、ベスト商品だけでなく他のマネー誌にはないオススメできない「地雷・ワースト」商品も実名で掲載しているのが特徴。 

 マネー雑誌の読者なんて数が限られていますから、日経マネー、ZAIの読者を切り崩さないと生き残れません。「広告なし」であることと、広告なしがないからこそ言える「地雷」商品の掲載で差別化を図りたいようです。目の付け所は悪くはありません。

 

 お手並み拝見と、サイトに掲載されている「地雷」紹介記事を読んでみました。「地雷投信」「地雷優待」「地雷銘柄」という3つを読んでみましたが、残念ながら、お金を払ってまで読みたいと思わせる記事ではありませんでした。

 

「地雷銘柄」の記事を例に挙げます。

 4つの銘柄が紹介されていますが、それが、スルガ銀行(不正融資問題 拡大を懸念)、東芝(回復の糸口はまだ見えず…)、ぐるなび(売上高が徐々に縮小)、任天堂(前期よりも成長が鈍化)の4社。すべて新聞やネットで半年以上前から言われていることばかりであり、専門家のコメントも載っていますが匿名のため信憑性も何も確かめようがありません。薄い内容と言わざるを得ません。

 せっかく広告主への忖度もいらず匿名でよいのですから「新興市場クソ株厳選30」とか「日経平均採用銘柄のおバカ経営者TOP20」くらいのインパクトある記事が欲しいところです。

 

 また、上記記事の後半では「プロが語る こんな決算書に注意」なんてことが書かれているのですが、これも「1.事業区分が毎年のように変わる」、「2.決算をわざと見づらくしている」、「3.(決算短信の)概況の前置きが長すぎる」なんて何の役にも立たないことばかり。これで「※掲載例は識者の話をもとに編集部で作成」なんだそうですから、識者がクソなのか、編集部が無能なのか、そのハイブリッドなのか(おそらく3番目)・・・いやはや、前途多難の様相です。

 これも「"攻め"の会計処理がウリ」「負ののれんマジックの達人」「連続増益なのにキャッシュが蒸発」「監査法人をダウンサイジング」くらいのインパクトが欲しいところです。このくらいなら金を払って読む「プロが語る こんな決算書に注意」にふさわしい内容ではないでしょうか。

 

 さらにいけないのは、ココ。

※本企画で掲載した銘柄はあくまで識者個人の意見を反映させたものです。皆様にとってオススメできないというものではありません

  「オススメできない「地雷・ワースト」商品も実名で掲載しているのが特徴」なんだからこんな言い訳はおやめなさい。

 

 ということで、意気込みだけは評価しますが、このままでは日経マネーの劣化版くらいの評価に落ち着き、フェードアウトするのではないかと懸念されます。先行二誌のレベル低下が著しい今なら、付け入るスキは十分にあると思いますので、編集メンバーやライター陣はもっと勉強して攻めの姿勢を貫いてほしいと思います。

 喧嘩上等の文春砲のマネー雑誌版なら喜んで買いますよ。最後発なんだからもっと攻めなきゃ、ね。