オリックス銀行の「45年ローン」は劇薬注意


 オリックス銀行の「45年ローン」が不動産関係者の間で話題になっています。ただまあ、話題にしているのはワンルームマンション投資で飯を食っている人が中心というところがなんとも残念なところです。

  ミスター中古ワンルームマンション、内藤忍氏も高く評価していらっしゃるようですね。

 

 まあ、私にはこのローン商品が「革命」には見えませんが「バブル」かと言われても「そうだ」と決め付けることもできません。グリーンスパン氏がいうように「弾けてはじめてバブルとわかる」ものですから。

 とはいえ、何も意見表明しないのは不公平なので私の見解を書いておきますと「かなり行き過ぎた商品だと思いますが現時点ではバブルではない」ということにしておきます。多くの銀行が追随してくれば確実にバブルになると思いますので今後の動向に注意が必要です。

 

 この商品、革命だと思わないのには別の理由があります。すでに平成バブルのピークの時に99年(100年?)ローンというものが発売されましたし、1990年代前半から持ち家推進の美名のもと、ゆとり返済なるものが編み出されました。何も目新しいものではありません。価格が高騰し買い手が減ると、新たな買い手を発掘するためにローンを緩くしてカモを捕まえるというのは、過去から続く代表的な手口です。

 

 不動産にかかわる人たちの多くは、建て続け売り続けなければ生きていけない回遊魚のような人たちですから、いつでも買い時、今が絶好のチャンスと言い続けるしかないのです。

 不動産市場の好況が続くと買いたい人はもうみんな買ってしまい、なかなか買い手が現れません。買いたい人が減るうえに物件が高騰していますから、新たな買い手を見つけることはますます困難になっていきます。 

そんなときに、最後の切り札として「借り手はいけない人」「貸してはいけない人」をターゲットにし始めるのです。強欲な回遊魚と強欲な金融機関がタッグを組んだ時、悲劇が生まれるのです。過去に繰り返された悲劇の歴史がそれを証明しています。

 

 米国のサブプライムの結末はみなさんご存じのとおりですし、先ほどの「ゆとりローン」の顛末もこのとおり。

  6人に一人が破綻というのは煽りすぎですが、破綻せずとも泣く泣く手放し大損したり、返済条件は緩和されたもののローン返済のために一生働き続ける人を大量に生んでしまいました。

 

 この45年ローン、「●●式投資法」などを発明した教祖様の信者や意識高い系の人だけがターゲットになり犠牲のなるのであれば笑い話で済むのでよいのですが、他の銀行が雪崩を打って45年ローンになだれ込み、バブルが発生してしまったら、そのあとには悲劇が起こることは間違いありません。そんな悲劇が繰り返されないことを祈るばかりです。

 

  

 誤解のないように言っておきますが、不動産ローンを全否定しているわけではありません。長期固定で借りられ税の優遇を受けられる住宅ローンは世界最強(?)のローンですから私も使っています。

 ただ、リスクマネジメントのできない人、損益とキャッシュフローの違いすらわからないような人、欲に目のくらんだ人にとっては、長期かつ多額のローン(しかも変動金利!)は劇薬となりうるものです。うかつに手を出してはいけないものだということは忘れないでください。

 

 私が言っても説得力がないでしょうから、現時点で45年ローンをほぼ唯一批判的にコメントされている不動産関係の方のブログを紹介して終わりたいと思います。

何と45年!オリックス銀行の長期ローンはやるべきなのか? – 売主のミカタ