SBI系ソーシャルレンディングも支払遅延発生中

 最大手のmaneoに続き、大手傘下のSBIでも支払い遅延が発生しているそうです。こちらはmaneoとは異なり、本来の目的通りに貸し付けられていますが、貸付先から利息の支払いが行われなかったというものです。

 

  maneoの場合は募集した内容と資金の流れが一致していないことが問題であり、SBIとは状況が異なります。SBIの場合は、目的どおりに貸し付けたけど利息の支払いが滞っただけですので、貸付である以上一定確率で発生する"想定内"のイベントです。

 

 ただ貸付先が不動産転売屋ですし、また昨今のスルガ騒動で世の中の転売屋さんが厳しい状況にあるということは不動産ブロガーの皆さんが指摘していますから、SBIが知らないはずはありません。にもかかわらず、この時期に募集するというのはいかにもやりすぎという気がしてなりません。

 

 ということで、いくら想定内の出来事とは言え、問題があると言わざるを得ません。

 

【問題1】貸付先の分散ができていなかったのではないか

 そもそもソーシャルレンディングは金融機関から融資を引けない会社やプロジェクトに資金提供するものですからハイリスクです。そのため、融資先を厳しく調査し、金利を高くし、不動産等を担保にとり、貸付先を分散させることでリスクを低減させる必要があります。

 

 しかし何ですか、これ。全然貸付先の分散ができていませんね。SBISL不動産バイヤーズローンファンドは、「不動産の売買等を行う事業者」向けの貸付事業で運用するファンドですが、運用中の資産の4割近くが延滞中って何ですか!延滞しているのは確か1社だけですから、貸付先の分散ができていないといわざるを得ません。(数字は2018/07/12現在)

運用中元本額   3,388,850,000 

延滞中の貸付元本 1,335,500,000

もちろん、

貸付けに際して転売用不動産に抵当権を設定します。各ファンドについて、担保余力評価総額に対する融資割合は、原則として80%未満です。

ということですから、元本が毀損する可能性は否定できません。少なくとも満期まで受け取れたはずの利息はもらえなくなるという意味で、機会損失が発生します。

 

【問題2】担保の評価は妥当なのか

 上でも触れましたが、融資割合は担保評価額の80%未満とうたっています。本来であれば、元本は確保されそうに思いますが、リリースを読む限り、何となく心許ない表現であり心配になってしまいます。

今回の利息の支払がなされなかったことに伴い、弊社は現在、貸付債権の一括回収をはかるべく、担保不動産の競売手続等を進めることを検討しております。担保不動産はすべて東京都内に所在しており、弊社が第一順位の抵当権を設定しております。どの程度回収ができるかは担保不動産の価値等によることになりますが、回収に向けて鋭意努めてまいりますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 なんといってもこの評価額というのが、正式な鑑定ではなく、いわば「自社調べ」。しかも「評価方法は開示しません」とQAに書かれていますから完全にブラックボックスです。評価の際の還元利回りを目いっぱい低くして、評価額をマシマシしていたら目も当てられない結果になるかもしれません。

 天下のSBIグループですから、まさかそんなチョンボはしないと思いますけど、競売が終わり回収が終わるまでは油断禁物です。 

 

 

 話は変わりまずか、maneoにしてもSBIにしても、ファンドの大半がエネルギーと不動産がらみ(転売屋や不動産金融)です。この貸付先構成はアメリカのジャンクボンド市場によく似ています。そう考えれば、いくら高金利とはいえ、素人が手を出してはいけないものだと言わざるを得ません。

 ハイリスクハイリターンを求めることは否定しませんが、"超"自己責任でお願いします。

 これからもソーシャルレンディングから目が離せそうにありません。