気をつけろ、「AI与信審査」は個人情報収集ツール

  フィンテックの中で最近話題になっているのが、AIを使って個人データを分析し、人を格付けするスコアリングサービス。

 中国ではスコアリングはもう当たり前で、スコアがないと生活に支障が出るほどに普及しているといわれていますが、日本でも類似サービスが始まろうとしています。

質問は全部で約160問にも及ぶが、居住地や職種、年収、家族構成など基本的な20程度の質問への回答でもスコアは出せる。

 これでスコアが600点(1000点満点)以上だと、貸付利率と契約極度額が表示される仕組みです。

 記者さんが試したところ828点となり金利7.6%で330万円まで借りられるという結果だったそうです。800点超えてもこんな条件ですか?なかなか辛いですね。

 

 さっそく私も捨てアドレスを使って試してみました。基本的な質問のみを正直ベースで入力したところ、結果は驚きの556点。ローンは借りられないそうです(あの~、早期リタイアできるだけの資産と配当収入があるんですけど、ちょっと酷くないですか?)。

 で「スコアアップするために詳細なプロフィールを入力しろ」となるのですが、このあたり理由をつけて個人情報を抜こうとする魂胆が見え見えでさすがはソフトバンク系という味付けになっています。

 

 まあ、実際に借りない限り住所・氏名といった情報不要ですし捨てアドレスなので、全項目入力することにしました。資産、負債、収入、支出、家族構成、仕事、趣味や日常の行動、性格などあらゆる情報を提供し、さらにYAHOO IDと連携してWEB閲覧記録やTポイント情報まで提供してやっと601点です。融資条件は利率12%で10万円ですって。ほとんど舐められてますね。

 

  ここで私はちょっとお化粧することにしました。えぇ、お姉さんのお店のプロフィール写真程度に盛ってみただけです。160項目のうちほんの数項目、勤務先を上場会社、役職を管理職クラス、それにふさわしい年収、勤務年数にしたところスコアが944に跳ね上がり、利率と極度額が3.4%、500万円(満額)になりました。

 ちなみに私、以前オリックスVIPフリーローンの申し込みをしたことがあります(借りるためではなく義理で)。結果は3.5%で800万円でした。こちらは紙で10項目程度の質問に答えるだけだったと思います。160項目入力してAIで分析しても同じような結果というところに、現状のAIといわれるものの完成度の高さが表れていると思います。

 

 AIだなんだと偉そうなことを言っていますが、結局は勤務先と年収程度しか参考にしていないようですね。個人情報は、スコアにゲタを履かせる程度にしか利用されていないようです。個人情報を利用して与信を正確に判断しようとしているようには思えませんでした。

 

 結局、借金するために信じられないほどたくさんの個人情報を提供して、その結果クソ広告メールやターゲティング広告の餌食になるだけの代物ですね。善良な一般人のメリットは皆無のように思えました。自らカモになりたい人には強くお勧めしたいと思います。

 

 まあ、本当に役立つAIが搭載されているのであれば、自己学習して賢くなっていくはずですから、「AI与信なんて無駄」とはいいませんが、現時点では単なる個人情報収集マシーンにすぎないというのが私の評価です。

 こういうスケベ心満載のサービスしか登場しないところに、日本のフィンテックの危機的状況が見て取れます。まあ、みずほ銀行×ソフトバンクが提供するサービスですから、変に期待した私がバカなだけです、きっと。