「人生100年時代」に惑わされる人は情弱ビジネスのカモ

 マスコミ、金融機関、セミナー屋など不安をあおり、自分の飯の種にしている人たちが世の中にたくさんいます。人の弱みに付け込み、本来の価値よりもはるかに高い商品や法外な手数料を手にする彼らの手法の中には合法的霊感商法とでもいえるような酷いものも少なくありません。

 

 そんな彼らがここ数年ネタにしていた「貧困老人」や「老後破綻」というキーワードはそろそろ陳腐化してきたのか、最近耳にすることが減ってきました。

 実在する個人を取材し、適度に編集・味付けた記事を垂れ流し、このままではあなたも貧困サイドに落ちていくと不安をあおるわけですが、ネタがつきたのか、飽きられたのかわかりませんが、カモが釣れなくなってきたようです。

 

 ただ残念なことに、そんなことでおとなしく引き下がるような連中ではないようです。貧困系のワードに代わり、昨年から新たに登場したのが「人生100年時代」。

 こちらは世界的なベストセラー「ライフシフト」を自分に都合よく解釈し、やれ副業、やれ資産運用、やれ健康づくりと、とにかく私たちの財布の中に手を突っ込もうとしてきます。

 変にまじめな人や疑うことを知らない人は、つい彼らの「ウソではないが正しくない話」に騙されてしまうような気がしてなりません。

 

  確かに医療技術の進歩や生活環境の改善により世界的に寿命が伸び続けており、今常識とされている人生75年時代の考え方が通用しなくなることは間違いないでしょう。

 でも、そこから先の話になると突然うさん臭くなってきます。人生100年時代のリタイア生活のために、「資産運用を始めろ」、「終の棲家としてマンションを購入しろ」、「(プラセボ効果しかない)高額な健康食品を購入せよ」、「食いはぐれない資格を取れ」、「パートナーを見つけろ」というのはあまりにも話が飛躍しています。

 

 そもそも「ライフシフト」は、健康や人的ネットワーク、生涯スキルアップを続けることなど、ソフト面(無形資産)の重要性を訴えていますが、向けて資産運用やマンションや健康食品なんて言葉はどこにも出てきません。

 必要と言われている無形資産も、だれかに言われて急に金をかけて取り組んでも身につくものではありません。逆に普段からの心がけとちょっとした好奇心、人並みの忍耐力があればカネなんてかけずとも手に入れることができるはずです。

 私の言うことに信憑性がないと思った方は、「となりの億万長者」という本を読んでみてください。お金をかけずに無形資産を手に入れ、幸せに生きている億万長者たちからの示唆に富む声がたくさん紹介されています。

 

 人生100年時代を真剣に心配するのであれば、クソ情報に振り回さ無駄遣いしないように情報リテラシーを身に着けるとか、詐欺や詐欺的商法に引っかからないための知識を身に着けるほうが100倍役に立つはずです。

 

  そもそも、平均寿命が突然100歳になるわけではありません。現在男性の平均寿命は82歳程度、それが数十年かけて5~10年伸びるというだけの話です。今の40歳以上の世代が著者が言うように100歳までいきることは絶対にないと思います。

 100歳という数字は区切りがよくてインパクトがあるので、情弱ビジネスの連中がマーケティングとして利用しているだけだということをお忘れなく。