J-REITの肥溜め化に漂う不動産市場の秋の気配

  クソ暑い8月のどさくさに紛れて、今月二つのクソREITの組成が発表されました。

  リリースを読むと、賢明な不動産投資家なら決して手を出しそうにない物件をREITにはめ込み、株式投資家に売りさばきますと正直に宣言しているように思えます。

 

 かぼちゃショックの余波で無知なサリマーマン投資家やど素人利回り星人が融資を受けにくくなり、在庫をさばけないとキャッシュが回りない不動産会社が、しこりそうな物件を証券化・小口化して株式市場の利回り星人に売りつけようと思いついた戦略のようです。

 ただ、すでに一昨年あたりから外資系や三流のクソREIT上場が続いていますので、目論見どおり、クソ物件をはめ込むことができる立派なクソREITに仕上がるかどうかは予断を許しません。

 

 確かにREITの上位銘柄の分配金利回りが3~4%のなか、7%超であれば不動産は怖いけどREITならと買ういうREIT版利回り星人が一定数棲息していることは事実です。

 ただこんなクソ銘柄は日銀の買い入れ対象にもなりませんし、機関投資家からも見向きもされませんので、愚かな個人投資家だけがターゲットになります。となると、カモな数は不動産会社が期待するほど多くはないはずなので、すぐに供給過多になるのではないかと思う次第です。

 

 ところでこの景色、既視感があります。あれは2006年ごろだったと思うんです。当時はファンドバブルとか呼ばれていましたけど、高値警戒感が強まり融資も厳しくなりはじめ、新興系や外資系がクソ物件を押し込むためにわけのわからないREITを粗製乱造し上場させました。

 その後、タイミングよくリーマンショックが起こってしまい、REITへのはめ込み作戦は途中で頓挫し、不動産会社もファンドもクソREITも市場から退場してしまいました。今回も何か似たような展開になってきたような気がします。やはり不動産市場も長く続いた夏の終わりの気配が漂っているような気がします。

 

  他にも状況証拠があります。高値の説明がつかなくなってきたときに、盛んに言われたのが、「イールドスプレッド(利回り-借入金利)が高いから儲かる」とか「東京のイールドスプレッドは海外主要都市よりも高いので外国人投資家の買いが見込まれる」という話。

 ファンドバブルの時は「ロンドンはマイナス、ニューヨークはゼロだから日本の1.5%は十分なスプレッドだ」とかいってレミングのごとく崖に向かって全員が突っ走ったわけです。その結果はみなさんご存知のとおり。

 今年に入ってからワンルーム屋あたりがしきりにイールドスプレッドの話を持ち出して「まだ大丈夫」と言っています。通常の指標で説明がつかなくなって、新しい指標を持ち出してきたということは、やはり割高である証拠と言えるでしょう。

 

 

 ただ、今回の市場過熱感は平成バブルやファンドバブルほどの規模でもありませんし、最初にカモになるのが給与所得のあるサラリーマンですので、全員が瞬殺され一瞬にして市場が崩壊するということはなさそうです(先日東京の不動産セミナーで聞いた話の受け売りです)。 

 「頭と尻尾はくれてやれ」という相場の格言もありますので、リーマンショックすら経験していない、成功体験しかない投資家の方は、腹八分くらいで出口に向かうことも悪くないのではないでしょうか。

 

 持ちこたえられる人は鋼の忍耐力を持つ人か、下がったことを自虐的に喜ぶ私のようなドMの人だけだということをお忘れなく。

 

 私、投資はドMですが、あっちはドMではありません。念のため。