大型台風が発生、TATERUを直撃へ

 昨日の日経砲は、超大型台風クラスの破壊力でしたね。主役のTATERUは400円安のストップ安、時価総額は一気に350億円ほど減少しました。

 筆頭株主である社長が過半数を所有していますので、一社員の不祥事(なわけないと思いますが)で1日にして180億円近く失ったことになります。まあ、身から出た錆とはいえも売り逃げることすらできないんですからオーナー社長って大変ですね(皮肉)。


 それにしてもTATERUはここまでは、よく考えて頑張ってきましたね(褒め殺し)。

 スキーム自体は、自ら建てた物件にたっぷりとマージンを乗せて、個人投資家というカモに売り付けるという、ごく一般的なスキームです。

 

 でも、シノケンなどと差別化するために、IoTアパートなるコンセプトを打ち出し、優位性を強調するという戦略を採用しました。そんなのに騙されるのと疑問に思いましたが、6月には藤野氏率いるひふみ投信が6%近く株を購入したくらいですから、この戦略(というほどのものには思えないが)は見事に成功したといえるでしょう。

 資金面では、西京銀行の株主になって事業提携しエンドの融資を担わせる一方、入口の資金はクラウドファンディングで無知で強欲な個人投資家から資金を集め、匿名出資契約を締結し一切口出しをさせないスキームに仕上げました。

 

 ただ、うまいスキームほど一つほころびが見つかると負の連鎖を始めるもの。もし、今回の騒動が一個人による一物件だけの問題であれば、何とか乗り越えられるでしょうが、そうでなければ影響は甚大です。(金曜に発覚して、月曜の夕方の段階で追加のIRがないところを見ると他にも不正があると考えるべきでしょう)

 

 他にも不正が発見されれば、取引金融機関としては今まで通りの付き合いを続けることは不可能です。となるとスルガなき今となってはほかに融資してくれるところもあまりないでしょうから、今後TATERUが所有する完成物件や仕掛アパートの売却は困難を極めると思われます。当然あらたな仕入れも止まります。

 入口の方はといえば、クラウドファンディングでの新たな資金集めが難しくなる一方で、ファンドの満期や解約で数十億円の資金流失が必至となります。

 売り上げが止まり資金だけが出ていくことになりますから、経営的にはかなり厳しい状況に陥る可能性があります。

 

 幸いなことに直近の決算では現預金が180億円もありますので、すぐに資金ショートが起こるとは考えられませんが、現状のスキーム自体が破綻しますし、かぼちゃ事件同様、自らサインしておきながら騙されたとか被害者だとか騒ぐ連中が現れ、裁判が起きないとも限りません。これでは、まともな事業運営ができるとは思えません。

 明日以降もTATERU株は盛大なカジノの場となるでしょう。丁半ばくちが好きな人は止めはしませんが「事件は売り」という原則に従った方が賢明です。

 

 

 さて、問題はこれがどこまで波及するかです。上場企業×銀行による不祥事ですから金融庁も黙って見過ごすわけにはいきません。

 スマートデイズ×スルガでワンストライク、TATERU×西京銀行でツーストライクであればまだよいのですが、金融庁への批判が高まると、前回はイエローカード、今回はレッドカードと捉え自己保身に走るかもしれません。そうなれば全金融機関に対してかなりきつい調査・指導が入るではないでしょうか。

 もしそうなれば、サラリーマン投資家向け融資だけではなく、個人投資家向け全般の融資が厳しくなる可能性が高まります。融資が閉まれば需要が減り、需要が減れば価格が下がるのが経済の大原則、この先どうなっていくのでしょうか。

 不動産市場からますます目が離せなくなってきました。