「ウエルスナビ」には気をつけろ

 最近、ウエルスナビというサービスが話題です。投資を始めたいという現役世代の方からも複数質問をいただきました。 

 なんでも「資産運用の手間を「ゼロ」に~すべてのプロセスを、WealthNaviがあなたに代わって実行します~」ということらしく、投資始めたいけれど手間をかけたくない人に刺さっているようです。預かり資産も1000憶円を超えたそうですから順調に拡大しているみたいですね。

 

 ホームページには「ロボアドバイザー預かり資産・運用者数No1」という文字も踊っていました。また、投資系ブロガーのみなさんからも絶賛されているようです。

 まあ、こういっては何ですが、ホームページが「自画自賛」系で、ネットでブロガーが絶賛ばかりしているサービスには、ろくなものがありません。

 ブロガー連中もウエルスナビのホームページでも、デメリットや元本割れのリスクなど無視して、過去2年の成績を強調していますが、この二年なんてよほどのバカでなければ運用成績はプラスです。ベンチマークと比較することすらなく、ただ上昇したことのみ強調するというのがいかにも情弱向けサービスという気がします。

 

 話は変わりますが、この会社、フィンテック臭を醸し出そうと頑張っていますが、資本提携先が三大メガバンク、私には思いっきり手あかのついた古臭いものにしか見えません。

 大手証券会社のファンドラップに対抗するため、乗り遅れた銀行やネット証券などがベンチャー企業を利用して大手証券会社には近づかないカモを捕獲しようとしているのではないかと。

 したがって、私の評価は、利用する価値なし。利用する人は、きっと10年後には立派なカモに仕立て上げられることでしょう。

 

 

 

 と、悪態をついたところで、少し冷静に評価したいと思います。

 確かに手間は省けます。でも、ウエルスナビの利用料(資産残高に対して年1%)という高い手数料を払うだけの価値があるかといえば、NOです。

 例えば年間1万円程度の定額サービスなら私もお勧めできる可能性があります。でも、このサービスは手数料が定率(正確には2段階の定率)なんです。提供してくれるサービス(とそれに要するコスト)は一定なのです。にもかかわらず手数料だけは資産残高に比例して増えていくなんておかしいと思いませんか

 しかもアメリカでは同様のサービスが年0.25%で提供されているにもかかわらず、日本では4倍の年1.0%ですよ。そんな高い利用料を払うのはバカです。

 

 もし資産が10万円なら年間の手数料は1000円ですが、1000万円なら年間10万円になります。何かおかしくないですか?提供されるサービスは同じですよ。

 時間もなく投資の勉強は必要最小限にしたい人にとって年間1000円ですべてを代行してくれるのであれば安いものです。でも、10年、20年と続けていたら知らないうちに年間10万円も手数料を払う羽目になる、なんとも業者有利な仕組みです。

 1000円くらいなら安いものと思わせ、いつの間にか暴利をむさぼられていたなんてことになりかねない投資家に極めて不利なサービスです。

 

 さらにこのサービスはイデコやNISAといった非課税制度を利用できません。高い手数料を払い続けた挙句最後に所得税地方税まで取られるのです。とても投資初心者にお勧めできるような代物ではありません。 

 まずはイデコとNISAの枠をすべて使いきってください。それでもまだ投資資金に余裕があるような方は、ネット証券に口座を開設し手数料の安い国内・海外の株式ETFを1:1の割合で購入し、10年間放置してください。それで充分です。

 

 もう一つの売り物であるあなたにぴったりな資産配分(アセットアロケーション)や定期的なリバランスなんて、資産残高が1000万円を超えないと目に見えるようなメリットありません。これも手数料を払う価値はありません。

 

 聞くところによると、ブログ経由で口座を開設するとブロガーさんには数千円の報酬が発生するそうです(なるほどDISる奴がいないはずだ)。

 簡単に言ってしまえば、ブロガーをステマアフィリエイトで利用して「流行っている感」を醸し出しているだけです。えぇ、新展開店の時にアルバイト学生を並ばせて話題になろうとしているアレと同じです。

 

 私はそんな古びた姑息な手段を使うフィンテック企業は好きになれません。