クラウドファンディングの遅延ラッシュの件

 今度はキャッシュフローファイナンスで遅延騒動のようです。今年に入って何社目でしょうか。もう驚きもしなければネタにする気にもなれません。

 

 それにしてもです。まだ金利が上がってきたわけでもなければ融資環境が厳しくなってきたわけでもありません。正常化に向けた長い長い道のりの第一歩くらいです。にもかかわらずこの体たらく、クラウドファンディング(以下CF)を利用している事業者のレベルが知れるってもんです。

 そもそも、CFを利用する事業会社やプロジェクトは、銀行はおろかノンバンクすら相手にしてくれないのです。なぜ相手にしてもらえないのか、理由はいろいろ考えられます。採算性に大いに疑問がある、担保価値がない、融資先の素行(コンプライアンス等)に問題がある、いずれにしても金融機関としては関わると後々面倒になるから避けたいとか、貸してもいいけど絶対に焦げ付かない部分だけ、いうところが多いのでしょう。

 

 そう考えれば、遅延なんて日常茶飯事、元本の毀損だって想定内の話のはず。にもかかわらずCFブロガーが大騒ぎするということは、彼らは高金利に目がくらみリスクの高さを正確に評価できていないということでしょう。

 

 今の世の中、投資をして高いリターンを得られるものなんて限られています。比較的まともなJ-REITあたりですら4~5%が上限(クソ銘柄なら7%近くあるが)です。

 対してクラウドファンディングは8~12%が中心です。つまり、J-REITよりも年5%前後利回りが高いということです。

 だから100万円投資したら年5万円くらいは焦げ付いても文句は言えない商品設計と考えるべきなんですが、CF投資家の大半はそのような考えをお持ちではないようです。 まあ、自己責任で頑張ってくださいというしかありません。

 

 こういうリスクの高い投資なので本来は投資先を分散することでリスクを軽減する必要があります。ただ残念なことにどの運営会社も投資先の大半が不動産とエネルギー関連で、不動産関連を除く事業会社への融資はごく一部に限られます。

 投資先が事業会社なら各社固有の事業リスクなので分散すればリスク低減効果が出やすいですわけですが、不動産やエネルギー業界は各種固有のリスクよりも業界共通のリスク(金利リスク、融資環境のリスクなど)の方がはるかに大きいので、いくら分散してもリスク低減の効果はあまり期待できません。

 

 ここの来てのCFの遅延ラッシュは、今後起こるであろう不吉なことの前触れのような気がします。得られるものは5%程度の上乗せ金利、確率は低いが損する場合は最悪100%ですから、私にはかなりオッズの悪い賭けにしか見えません。全額突っ込んで分配金でウハウハ言っている方もいらっしゃいますが「おごれるものも久しからず」です。

 良い子の皆さんは決して真似をせず、損しても笑える範囲での投資を心がけましょう。