45年ローンと投資界の危険なキーワード「イノベーティブ」

  最近停滞気味だったアクセスが急に増えてきました。どうやら「45年ローン」が気になってたどり着かれた方が多いようです。

 

 まあ、例の方が煽っていらっしゃるので察していただけると思いますが、私の答えは一つ。「そんなバカな商品はお止めなさい」

 過去数十年、投資の世界では数多の「イノベーティブ」なものが登場しました。

 最近では、貧困層でも頭金も不要のローンを使って持ち家を購入できると謳った「サブプライムローン」がもっとも有名でしょう。また、日本でも30年くらい前(つまりバブル最盛期)に不動産投資向けの99年ローンだか100年ローンなんてものがありました。いずれも当時は"イノベーティブ"な商品と呼ばれましたが、バブル崩壊とともに多くの人を奈落の底に突き落とし、露と消えました。

 

 株式投資の世界でも、バブル時代にはQレシオ、ITバブルの時代には一株当たり売上高などを代表とするさまざまな"イノベーティブ"な指標が編み出されました。今では誰も口にすることがなくなりましたが、それらを信じて投資した人たちは塗炭の苦しみを味わったはずです。

 

 いずれの場合も、不動産価格や株価が今までの常識や指標で説明できなくなった時に編み出されました。結局、何とかしてカモ投資家に買わせるために苦し紛れにひねり出されたものだったわけです。

 だからひとたびバブルがはじけたり景気が停滞すれば、ボロが出て多く悲劇を生んでしまうのは当然です。

 

 

 ところで、今回の45年ローンは何が「イノベーティブ」なのでしょうか。たとえば、オリックスが、人口減少や老朽化にも負けず45年経っても家賃も下がらず入居者が絶えないマンションを見分ける方法を開発したのであれば確かに画期的です。

 でも、内藤忍氏のブログにも日経新聞にも具体的なことは何も書かれていません。凡才の私にはわかりませんが、内藤氏やオリックス銀行の関係者には見えているんでしょうね。(そんなバカな・・・)

 

 

 99年ローンもサブプライムローンも珍妙な株価指標も当事者や利害関係者だけが「イノベーティブ」と叫んでいただけで、結局それは張子の虎でしかありませんでした。

 

 いつも書いているように銀行はどこまでいっても金貸し業です。一円でも多く金利を稼ぎ元本の返済を受けることしか考えてしません。貸倒さえなければ35年貸すよりも45年貸す方が儲かるのは当然です。

 あとはいかに元本を棄損しないように担保を取るかにかかっているわけですが、主たる担保である不動産の評価に"クリエイティブ"な方法が見つかるはずありません。数年先の評価であれば流行りのAIなどで精度を挙げることもできるかもしれませんが(それすら怪しい)、45年先なんて絶対に無理です。

 とするとあとは人的担保、あなたの信用(=資産、給与収入)に頼らざるを得ません。結局、「返せなくなったらあなたの給料から返済してね」と言ってくるでしょう。

 もしかして給料からどれだけ回収できるか、融資先の生涯年収の予測精度を上げたのでしょうか!?それなら「イノベーティブ」かも(笑)

 

 結局、「銀行はいままでより多くの金利を得て投資家は月々の手残りが多くなり両社WIN-WINになる」と思いこませることに成功したことだけがイノベーティブなのかもしれません。